国王杯インテルシティ戦で決勝ゴールを決めたバルサの10番
シーズン後半戦での活躍へ向けた契機となってほしいところ
下部カテゴリのチームと対戦することになるコパ序盤戦は、見た目以上に難しい試合になることが多いです。先日のインテルシティ戦(3-4)も然り。バルサは3度リードをしながらも3度追いつかれ、延長戦のアンス弾にてようやく勝利を手にしました。無駄に消耗したのは反省点ながら、アンスが仕事をしてくれたのは朗報でもある。レバンドフスキが使えない3試合、さらにその後の活躍を期待されるカンテラーノです。
レバンドフスキの代役問題
クリスマス週間の最終日となる1月6日、レジェス・マゴスの日のバルセロナスポーツ紙 MDとSPORTはいずれも、“救いの主”アンス・ファティが表紙の主役となっています。
先日(4日)の国王杯1/16 final インテルシティ戦において74分に途中出場すると、延長前半103分の決勝弾にてチームを次ラウンドへと導いた背番号10。アンスはこの活躍により、日曜日(8日)に控えるメトロポリターノ訪問におけるレバンドフスキの代役競争で最有力ポジションを固めたわけです。
レバンドフスキは昨年11月、ラ・リーガ中断前の最終戦(対オサスナ)にてカード2枚を受け退場となり、3試合の出場停止を言い渡されている。エスパニョール戦は処分保留で出場できたが、バルサの控訴は実らず、アトレティコ戦から発効。ヘタフェ戦、ジローナ戦と続く。
バルサが今季ここまで記録してきた公式戦52ゴールのうち、約1/3にあたる18ゴールを決めているレバさんが欠場する穴をいかに埋めるか。この難問を解決すべく、チャビ監督は国王杯インテルシティ戦でデランテロ陣のキャスティングを行いました。
フェラン・トーレス、メンフィス、そしてアンスを順番にレバンドフスキの位置で試したのです。結果、どたばたの末にカンテラーノが評価を勝ち取ったわけですが・・・。
(フェランが偽9番となり、アンスが左エストレーモに入る可能性も十分ある)
自信をもたらすゴール
元々、インテルシティ戦でアンス・ファティを先発から外したのはアトレティコ戦のために温存したような印象を与えていました。試合前から、レバンドフスキの代役はアンスとの声が大きかった。つまりはインテルシティ戦はフェランやメンフィスへの機会だったろうなと。
ラフィーニャのセンタリングに合わせた値千金の決勝弾以外にも、アンスは資質を示すプレーをいくつも見せています。
ピッチに立つやいなや、彼は存在感を出しました。ラフィーニャの2-3弾をアシストするジョルディ・アルバへのパス。85分のラフィーニャへの決定機アシスト。延長前半の惜しいシュート2発。インテルシティのスタミナが減っていた点を考慮しても上々の働きです。
特に得点は、デランテロに大きな自信をもたらしてくれます。しかもチームを勝利に導く決定的なゴールとなれば尚のこと。たとえば3-0からオマケの得点を決めるのとは意味合いが違います。
アンスにとってこれは今季4つ目となるゴールです。10月20日のビジャレアル戦以来、久々の得点。レバンドフスキの代役問題だけでなく、シーズン後半戦の活躍が期待されている中で結果を出せたことは彼にとってもチームにとっても価値がある。目標とするタイトル獲得にはアンスの力が必要ですから。
「ハードワークを続けることで良い方向に向かう」
そんなアンス・ファティは5日、Movistar Plus+ の番組 Vamos の取材に対して次のようにコメントをしています。
「調子はいいよ。たくさんのことが話されているけれど、僕はハードワークを続けている。そうすることで全てが良い方へ向かうと知っているんだ」「だから僕は落ち着いている。このクラブや僕を支えてくれるファンのために全力を出していくよ」
「得点を決めて、チームが勝ち進んだのですごく幸せだね。得点はデランテロに自信をくれるから」
プリメーラRFEF(以前のセグンダB)のチームに対する活躍ではあっても、アンスが感覚や得点嗅覚を取り戻すためには大いに役に立つでしょう。難関メトロポリターノでも主役となってくれることを祈ります。
このインテルシティ戦が、アンス復活への転機となってほしい。皆がそう願うからこその各紙の表紙です。
というか、3度もリードをしたのに3度とも追いつかれている守備が不安。バルサフベニールに2年所属したソルデビラが古巣相手にハットトリックを決め、名前を売ったってのはちょっぴり嬉しいとはいえ、3失点はあきません。
アラウホが守備ラインの要として復帰を果たしたのは朗報なので(先発して60分にエリクと交代)、中盤が安定することを願いつつアトレティコ戦を楽しみにしましょうか。
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