改めてバルサでの引退希望を表すが、重要なのはクラブに勝者のプロジェクトがあること
ネイマール獲得には意見を出しただけで要求はしていないと明かす
FCバルセロナのシーズン序盤がパッとしていません。ラ・リーガは3試合を終えて1勝1分1敗の8位。大エースのレオ・メッシが復帰しないことには、なかなか本格始動しないバルサです。
そんなメッシがSPORTのインタビューに答え、契約延長についてやチーム状態、ネイマール獲得やプライベートについてあれこれと語っています。全部は無理なので、契約遠投とネイマールの件を見てみましょか。
重要なのは勝つこと、バルサで勝つこと
まずは各メディアで大きく取り上げられた、契約を一方的に解除できる条項があることで 2020年の夏に無料でバルサを退団できる件について。レオ・メッシは「守秘義務があるからなにも言えない」としながらも、言える範囲として次のように語っています。
「バルサは僕のカサ(家)だから、ここでキャリアの全てを過ごしたい。ただ長期契約や、契約があるからここにいるようなことは望んでいないんだ。望むのはフィジカルが良く、プレーをして、重要な選手であること。クラブで勝利を続け、大きな事を達成し続けたいと思う。だから僕にとって契約解除金やお金は何の意味も持たない。僕が動くのは別の理由によってだよ。僕にとって一番重要なのは、勝者のプロジェクトがあることなんだ」
つまりは自分の身体がよく動き、ピッチで結果を出せて、チームがタイトルを狙える状態であればメッシはバルセロナでプレーを続けていくわけです。大事なのは、勝つこと。クラブはこのメッシの勝利への飽くなき欲求を、勝者のプロジェクトによって叶え続けねばなりません。
「僕は勝ちたい。このクラブで勝ちたい。どこかに移籍する考えは持ってないけれど、競い、勝ち続けていきたい」
ネイマールには来てほしかった
そんなメッシの希望を叶えるべく、FCバルセロナが獲得に執着したのがネイマールでした。
家出王子の呼び戻しはロッカールームの要望だったとも言われていますが、メッシによるとその答えはNOです。
「いろんなことが話されてるよね。獲得を求めたのはNOだよ。ネイが来るかもしれないと聞けばコメントはするし、それが良いか良くないかの意見は言ったけれどね。契約をしなければならないとは決して言わなかった。僕らはなにも強いてはいないんだ。グリーズマンの時も同じように意見は出したし、他の選手もそう。来た選手もいるし、来なかった選手もいるよ」
バルトメウ会長がロッカールームへ行き、補強について選手たちの意見を訊ねているのは確かなようです。良いのか、悪いのか。
このインタビューではわりとぶっちゃけて語っているメッシさん、ネイマールに戻ってきてほしかったかどうかについては、「ほしかった」とハッキリ認めています。
「僕はネイマールに来てほしかったよ。反対意見の人たちがいたのは理解しているし、彼の退団の仕方などからすれば普通のことさ。多くの人たちが彼の復帰を望まないのは普通で論理的なことだ。でもスポーツ面で考えると、僕はネイマールは世界最高の一人だと思うし、僕らが欲する結果を得る可能性は増えていた。スポーツ面で僕は彼に戻ってきてほしかった」
クラブがやれることを全てしたかは分からない
ちなみにメッシたちはクラブから交渉の進行具合を教えて貰っていたわけではなく、一般のファンと同じ・・・ではないにせよ一喜一憂しながらニュースを「追いかけてた」そうです。
ただし一般人と違い、メッシにはネイマール本人からの情報が手に入ります。
「理事会の内部で起こったことは知らないけれど、自分がネイと話したことは知っている。彼は事がどのように行っているか教えてくれて、すごく来たがっていたよ。クラブが本当に彼を欲しがっていたかは、知らない」と言うクラックです。
「クラブができることを全部やったかどうかは知らない。僕はそんなに多くの情報を持っていなかったから」という件については・・・
ネイマールは自分の意思でバルサを出ていき、PSGというクラブを選んで自ら契約したのですから、その契約を解除したいのであれば、自分の経済力でどうにかすればいいじゃん・・・と思ってしまう。そこまでいかずとも、ネイ丸こそ本当に出来ることを全部やってないだろう、とも。
メッシはネイの存在によってクラブはスポンサーや肖像権の収入が見込めると言うてますけれど。
いずれにせよ、メッシはPSGとの交渉が成立しなかったことに「落胆はしていない」と言い、「ネイマールがいなくても全てのタイトルを狙えるスペクタクルなスカッドがある。単純に僕が彼と一緒にもう一度プレーをしたかっただけだよ」と述べています。
理想的な強化担当はプジョル
そして最後に、クラブの補強政策についてですが。
FCバルセロナは2014/15シーズン以降、21人の選手を獲得し、うち残っているのが6人だけという残念さです。これに関してメッシは、バルセロナでプレーするのがすごく難しいんだと一定の理解を示しています。
「カンプノウで自分を出すのは簡単じゃないんだ。上手くやっていける選手もいるけれど、みんなが同じというわけでもない。誰もが同じ方法で引き受けていけるわけじゃないから。バルセロナでプレーするのは簡単じゃない、だからバルセロナなんだ」
近年のバルサは強化技術部長がひんぱんに入れ替わっていますが、そのことが「チームに与える影響はない」とカピタンは言います。とはいえ「クラブのためには安定していて変化がありすぎないほうが良い」。
メッシは強化技術部長(セクレタリオ・テクニコ)は「クラブとアイデンティティを共にする、強く決断力のある人物がいるべき重要な仕事」だと考えています。
で、それに理想的だと考えるのが、カルラス・プジョルなんですね。
「プジョルとは話をしていないから、彼の気持ちは分からないけれど、彼はその仕事に理想的だろうね。イメージもそうだし、選手時代のありようや、このクラブのために意味することなど、すごく良い選出になるだろう」
SPORTのフォルク編集長はこのインタビューを振り返り、「レオ・メッシが話せば、バルセロニズモは耳を傾ける」と述べてますが、たしかにそうです。それはメッシが常にフットボールに全力を尽くし、自らに高い要求を課し、世界最高選手としての期待に応え続けてくれているからに他なりません。
野心と自分への要求度の高さゆえ、レベルに達していないと判断した時はもう退団間近。だから最近はいつも最後のまとめ(?)は同じです。これまで以上に、レオ・メッシのフットボールを楽しんでいこう。
バルサのユニを着てプレーするメッシは5月25日のコパ決勝で見たきりですから、また早くその輝くD10Sの姿を拝みたいです。
コメント
グッときた。バルサのDNAだと思います。