要請に理解を示すグループもあるが、断固反対するグループもある
少なくとも現時点では合意形成されていない
ラ・リーガ界隈では今、プロ選手たちのサラリー一時減額が話題となっています。コロナウイルス感染拡大に伴って活動が停止し、大きな収入減となっている各クラブ。この状況を凌ぐため、政府による非常警戒体制の発動期間はサラリーを減額させてくれないかとクラブは選手側に求め、選手たちは意見が分かれている・・・という状況です。バルサの場合だと、期間限定といえ70%オフ。合意形成は簡単ではありません。
三つの意見
欧州は現在、新型コロナウイルス COVID-19 を封じ込めるためにほぼ活動停止となっています。人々は外出も制限されているので、フットボール観戦どころではない。自ずとフットボールクラブの収入源(テレビ放映権、チケット販売、グッズ販売etc)も停止し、資金繰りが非常に厳しい模様です。
そこでFCバルセロナが他クラブを率先して取り組もうとしているのが、所属プロ選手たちの給与減額。先日、ジュゼップ・マリア・バルトメウ会長からファーストチームのカピタンズに要望が伝えられ、当初は「選手たちは了承するだろう」と伝えられていた件ですが、実際はそう簡単ではありませんでした。
ロッカールームの意見は、
減給を受け入れる派
AFE(スペインフットボール選手協会)に聞いてみよう派
減給反対派
に割れているそうです(SPORT)。
なんといっても、クラブの提案は「 政府による非常警戒体制の発動期間は、基本給を70%カット」ですから、意見のすり合わせは難しそう。今のところ非常警戒体制は4月11日までと発表されているので、3月15日からの約1ヶ月間ですが、100もらえるところが30になり、再延長もありありで。。ギスギスしなけりゃいいけど(もしコンペティションが中止となれば、全額支払われる云々。いろいろ書かれていて正誤不明) 。
補強に大金を投じておいて
たとえば、コロナウイルス対策に100万ユーロを寄付したレオ・メッシは恐らくですがサラリー減額にも理解を示していると推察します。ジェラール・ピケとかセルヒオ・ブスケツもそうなんでしょう。
しかし選手たちの中には、サラリー減額提案に反対するグループもいる。
これはSPORT紙の説明なんですが、その理由が「クラブが補強に大金を投じ、それらが無意味でクラブに何ももたらしていない時、どうして会長が選手たちに減給を求められるのかを理解できない」というものなので、反対派に賛同もできてしまうんですよね。
理事会が無駄遣いをしていなければ残されていた資産もあろうに、高額報酬を得ているからといって、ナゼ自分たちが支払いをしなければならないのか―。それはそれ、で協力すべきしょうが。
一方ではラウタロ・マルティネス獲得のためには複数選手をドナドナすることが必須とか、金食い虫のネイマールを呼び戻すとか報じられていますし・・・ 隔離生活中の自宅でバルトメウたちに悪態ついてる選手がいるとしてもむしろ健全か。
フットボール部とそれ以外でも、意見は違っていそう。
出来高給も
選手たちとしては、給与の何割かが出来高契約になっている事情もあります。
45分以上プレーすると1試合出場にカウントし、全試合数の60%に達すればボーナス、みたいな契約です。出場数による契約期間の自動延長オプションや、チームがタイトルを獲得したり、チャンピオンズ出場権獲得が条件になっている場合もあります。
コンペティションの一部中断はともかく、中止となると大幅減収になる選手は多いでしょう。
そんなこんなも、基本給の一部カットに反対する理由になります。
選手たちはどのくらい減収になるのか
でもいったい、バルサがプロセクション(男女フットボール、バスケットボール、ハンドボール、ローラーホッケー、フットサル)の全メンバー(選手とコーチ陣)の基本給を1ヶ月分70%カットして、いくら捻出できるんでしょうかね。
2019/20シーズンのクラブのスポーツコスト予算が6億4,200万ユーロなので、12で割って、0.7をかけたら3,750万ユーロほどか。でもこれは出来高部分も入っているので、実際はもっと少ない。おかしな補強をしなければまかなえている、というのは分かる。
もしバルサの提案を受け入れた場合、SPORTによると、各選手は報酬の5-10%から20%ほどが減るそうです。
エスパニョールもまた、バルサと同じような非常警戒体制・発動期間中の基本給70%カットを選手たちに提案しているという。
社会全体が危機的状況につき、社会のおかげで普段ぜいたく生活を出来ているエリートスポーツ選手たちも減収を受け入れるとして・・・ 妥当な着地点としては、AFEの決定に従う形でしょうか。お金のことなんで、一致は難しいです。
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