交代選手たちがチームを活性化
アスレティックの戦術に苦しむも、ラキティッチ弾で辛勝。
2人のカンテラーノ、リキとアンスがバルサの希望。
途中交代の選手たちがチームを救った。サン・ジュアンの夜が残念なことになりそうだった後半、ピッチに立ったリキ・プッチとアンス・ファティがチームを活性化。バルサはやはりカンテラーノが生命線だ。値千金の決勝弾を決めたラキティッチもまたベンチスタートの選手。後列からの飛び出しが効いた。
試合のポイント
●前半はアスレティック優勢:前半はアスレティックのペースで進んでいった。鬼のハイプレスではなかったものの、組織だった守り 4-4-1-1でバルサの攻めを滞らせると、速攻とセットプレーからチャンスを創出。3分にしてテル・ステーゲンが脅かされる場面もあった。対するバルサは4分に反撃。こぼれ球を叩いたセルヒオの決定的なミドル、これは決まったと思ったが、ゴールライン前でイェライに弾き返され得点には至らなかった。バルサの前半の決定機は、これで終了(涙)。
●苦しいバルサ:アスレティックはウィリアムスの速さと、彼の後方に位置取ったサンセのブスケツ監視が効いていた。攻めるにも守るにも邪魔なバスクの若手。セルヒオは32分にカードをもらい、次節を出場停止となる。バルサの攻めは中央に集中し、基本的にメッシ頼みだった。もっと効果的にサイドを使えないと厳しい。バルサのボール支配率は7割、しかしボールは落ち着かず、五分五分の印象だ。前半の戦術勝負はガリターノのプランに軍配が上がった。
●若者たちがチームを活気付かせる:後半最初のチャンスはバルサだった。53分、メッシのパスを受けたグリーズマンが、逆に驚くくらいにフリーで。しかしGKウナイ・シモンの動きがすばらしく、グリジのシュートは阻まれた。試合の流れが変化したのは、55分の選手交代だ。登場したのはリキ・プッチ。64分に出番となったラキティッチとアンスも合わせ、彼らがこの試合の救い主となる。カンテラーノの若い2人が、チームに輝きをもたらした。
●ついに得点、決めたのはラキティッチ:プレーにリズムが出てきたバルセロナ。しかし相手ゴールを割らねば、良い夜とはならない。その仕事をやってのけたのがラキティッチだ。メッシのパスに合わせてライン裏へと飛び出したビダル、彼がシュートを打たずにボールをレオに戻したときは思わずのけぞったが、混戦の中で後列から飛び出してきたラキさんの一撃がネットへ!やはり彼は頼れるな。バルサ、実に192分ぶりのゴール。
●追加点はならず:一番苦労する先制点を手にしたことで、アスレティックは前に出ざるを得なくなり、バルサは楽になった。メッシも楽になった。あとは相手の決定機には注意しつつ、とどめの一発を決めれば良い。それがメッシのプロ通算700ゴールであれば雰囲気もまた上がるだろう。レオは2度ほどその好機を手にしたが、惜しくもシュートはわずかに枠を捉えなかった。94分にはビダルとアンスの連続チャンス。アンスはポストに嫌われている。
トピックス
●英雄ラキティッチ:チームを勝利に導く値千金ゴールを決めたのは、“伏兵”イバン・ラキティッチだった。後半20分にブスケツと交代でピッチに立ち、その7分後に決勝弾。ピボーテとしてプレーしながら、ここぞのタイミングでホットスポットに入る、見事な飛び出しだった。彼にとっては、2019年3月9日のマドリー戦以来となる得点。
●ラキティッチ「シーズン初ゴールが第31節だなんて、自分自身に腹が立つよ。でもこの得点を支えてくれた妻と娘たちに捧げたい」「簡単じゃないけど、大事なのは改善していくこと。自分たちが優勝できるとの自信を持って、最後まで戦っていくよ」
●リキの鮮烈アピール:試合の流れを変えた、リキ・プッチの登場。彼が入ったチームは酸素を供給されたように元気になり、アスレティック守備陣を揺さぶっていった。得点機を1つ作った以外にも、きれいなタックルでボールを奪取したり、読みを効かせてパスカットをしたりと守備でも貢献。一度先発でチャンスを与えてやってほしい。
●アンスもまた:リキの8分後にピッチへと送り出されたアンス・ファティもまた、バルサのプレーを刷新する大きな役割を果たした。プレーした25分間では持ち味のスピードで存在感を出し、メッシの決定機もアシスト。ジョルディ・アルバとの関係も良好だった。終了前には、惜しいポスト直撃弾も。
パス成功11、パス失敗0、チャンスメイク1、シュート2、被ファール1、ボールタッチ22、ドリブル挑戦4(成功1)
●試合後のキケ・セティエン「リキとアンスが入ったことでダイナミズムが生まれたね」「彼らはプレーし、先発選手たちを脅かすためにチームにいる。そうやって先発の座を勝ち取っていくんだ」
●ブスケツ次節出場停止:アスレティック戦の32分、彼をマークしていたオイアン・サンセへのファールでイエローカードを受けたセルヒオ・ブスケツ。これにてカード累積5枚目となり、次節セルタ・デ・ビーゴ戦@バライドスは出場停止となる。ラキティッチの先発となるか。
●サン・ジュアンの花火:このアスレティック戦のあった6月23日は、夏の訪れを祝うサン・ジュアン祭りの前夜祭。試合放送で聞こえていたど~んど~~んという爆発音はスタジアム近くで打ち上げられていた花火の音だった模様。
●ANIMS UNZUE:ピッチ入場時、かつての第2監督ファン・カルロス・ウンスエを励ますTシャツ(ANIMS UNZUE)を着用したバルサ選手たち。ウンスエは先日カンプノウのアウディトリ1899にて、ALS発症を発表する記者会見を開いていた。
●それにしてもWOWOWの実況解説陣、スペインを賑わせてるVAR問題を頑なに避けていたなぁ。
La Liga | Jornada 31 | |
23 de Junio 2020 – Martes 22:00 h Camp Nou:— |
|
FC Barcelona | Athletic Club |
1 | 0 |
Goles | |
Rakitic (71) | |
Titular | |
Ter Stegen【6】 | Unai Simón |
Semedo【6】 | De Marcos |
Piqué【6】 | Unai Núñez |
Lenglet【6】 | Yeray |
Jordi Alba【6】 | Balenziaga |
Busquets【6】 | Unai López |
Arturo Vidal【6】 | Vesga |
Arthur【5】 | Lekue |
Messi (c)【6】 | Sancet |
Griezmann【6】 | Córdoba |
Suárez【5】 | Williams |
Cambios | |
Arthur→ Riqui Puig【8】(56) |
Unai López→ Dani García (57) |
Busquets→ Rakitic【7】(64) |
Cordoba→ Muniain (58) |
Griezmann→ Ansu Fati【7】(65) |
Lekue→ Capa (69) |
Suárez→ Braithwaite【sc】(85) |
Williams→ Villalibre (69) |
Sancet→ Raul García (78) |
|
Entrenadores | |
Quique Setién【6】 | Gaizka Garitano |
Arbitro | |
Gil Manzano(extremeño) | |
Tarjetas | |
Busquets (32) | Unai Núñez (62) |
Rakitic (91) | |
名前の次の数字は評価点:平均点【5】 |
Estadisticas | ||||||
1a | 2a | Total | Total | 2a | 1a | |
0 | 1 | 1 |
Goles |
0 | 0 | 0 |
7 | 11 | 18 |
Tiros a puerta |
6 | 1 | 5 |
1 | 4 | 5 |
Ocasiones de Gol |
3 | 0 | 3 |
2 | 5 | 7 |
Corners |
2 | 1 | 1 |
2 | 0 | 2 |
Fueras de juegos |
0 | 0 | 0 |
771 |
pases |
278 | ||||
71% | 75% | 73% | Posesion del Balon | 27% | 25% | 29% |
5 | 5 | 10 |
Faltas |
16 | 7 | 9 |
1 | 1 | 2 |
Tarjetas Amarillas |
1 | 1 | 0 |
0 | 0 | 0 |
Tarjetas Rojas |
0 | 0 | 0 |
Formación | |
デンベレ、セルジ・ロベルト、デ・ヨングが負傷欠場。 アルトゥールが左インテリオールに起用された。前線はMSGトリデンテが復活。この3人が揃って先発するのは1月以来。メッシはわりと右からプレーを始めていた。 交代の1人目は56分、アルトゥールからリキ・プッチで、ここからチームが活き活きしてきた。 |
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Titular | Final |
2020年6月24日(水)、アスレティック戦翌日のバルセロナスポーツ紙。決勝点を生みだしたラキティッチとメッシが抱擁する写真が表紙となってます。
MD「黄金のゴール」
- ■黄金のゴール
- → ラキティッチのゴールがアスレティックを倒し、バルサは暫定首位となって今日のマドリーの結果を待つ
- → 途中出場のイバン、アンス・ファティ、リキ・プッチが、姿勢はあるがアイディアの欠けたバルサに野心とエネルギーをもたらした
- ■レアル・マドリーは第28節から第35節の間に、バルサよりも27時間多く身体を休める
- ■テニス/アドリアツアー
ジョコビッチがCOVID-19陽性(※なにやってんの感がものすごい)
SPORT「彼らはこのリーガを欲している」
- ■彼らはこのリーガを欲している
- → アスレティック相手に難しい勝利を手に入れ、マドリーに圧力をかけるため、バルサは大いに頑張った
- → ラキティッチが決勝点、後半出場のリキ・プッチとアンス・ファティが希望をもたらす
- ■ラ・リーガ/レアル・マドリー対マジョルカ(22時)
マドリーが首位テストに臨む - ■テニス:ジョコビッチがコロナウイルス陽性!
コメント
ラキティッチのような中盤の選手が相手の隙をついて点を取れるかが勝ち点3になるか1になるかの決定的な要因になりそうですね。
今後はグリーズマンを無理にサイドで起用するよりも、アンス・ファテイを起用したほうがチームとしてうまく機能すると思います。アンスがいるとメッシへのマークもかなり分散されますし、スピードもあるのでカウンターの起点になります。