ラポルタ、フォン、フレイシャが2時間弱、自分たちの考えを説明
一致したのはクラブを株式会社にしないこと
FCバルセロナの会長選挙・運命の投票日まであと1週間となる昨日(2月28日)、カンプノウに併設されるアウディトリ1899にて第41回ペーニャ世界会議が催され、会長候補者3人(ラポルタ、フォン、フレイシャ)が議論を交わしました。3人の意見が一致したのは、クラブを株式会社にはしないこと。一方で花火が散ったのは危機感を煽るような手法や過去の実績に関する見解の違いなどです。
例によって長いですが(苦笑)よければ参考にどうぞ。
クラブ運営する理事会を選ぶ選挙
会長選挙と銘打ってはいますが、FCバルセロナの場合、正確にはクラブ運営を受け持つ理事会を選ぶ選挙です。候補者がそれぞれにグループを率いていて、その代表者となって選挙キャンペーンを戦っている。下に挙げているスピーチで、候補者たちが「私たち」と言っているのはそのためです。
実質的には会長を選ぶ選挙ですが、そいつを選ぶとどういうメンバーが付いてくるのかも重要になってくる。優秀な仲間が周りにいるかどうか。
その点では2003年当時のジョアン・ラポルタは若くて優れた面々に囲まれていました。NIKEの重役だったサンドロ・ルセイ、現マンチェスタイー・シティCEOのフェラン・ソリアーノなど・・・ 今回の各チームはどうでしょうか。
誰がクラブの現状克服に相応しいかを投票権を持つソシオ/ソシア諸氏がしっかりと見極め、見事正解することを切に願います。
おっと話が逸れました。会長候補者たちの討論会です。COVID-19の影響で、初のオンライン開催となった今回のペーニャ(公式ファンクラブ)世界会議。会場となったアウディトリ1899に集った3候補それぞれの訴えを過去の発言からまとめますと、次のような感じです。
- ラポルタ:自分には経験がある。人脈もある。クライフ哲学の再興。
- フォン:新鮮な空気が必要で過去の経験に基づいていてはだめだ。チャビが旗印となる。
- フレイシャ:政治的、メディア的中立が重要。スポーツの復活なくして経済再建は不可能。
言葉は分からなくても、この討論会の模様を一度見てみることをお奨めします(バルサTV カタルーニャ語)。 実際に動いて話す候補者たちを見て、このリーダーが好いなとか感じてみてください。意外とフォンって身長あるんやなとか(笑)
革新か、経験による立て直しか
フォンの主張
討論会でまず最初に語ったのはビクトル・フォンです。
「私たちはクラブを21世紀へと持っていきたいのです。フットボールたち最高の世代はこのように終わるだろうと私たちは以前から診断していました。なので私たちには解決策がある。それは過去の経験に基づかないものです。過去の経験はもう役に立たない。必要なのは新鮮な空気なのです。旧来の会長主導のスポーツモデルは終わらせねばなりません。私たちが望むのはチャビをリーダーとしたスポーツ部門です。経済部門では、時代遅れなモデルを継続することはできない。伝統的な収入源はもうこれ以上の成長はありません。社会面では、私たちはクラブオーナーとして扱われてこなかった。トランスバーサルな、参照となるクラブにする必要があります。新しいアイディアによる未来のバルサを私たちは作りたいと思っています」
ラポルタの主張
過去の経験に頼っていてはダメだ、というフォンに対し、ラポルタはこう述べました。
「バルサは難しい経済状況にありますが、私たちには大きな資産があります。パニックを呼ぶようなメッセージを送るべきではない(このままでは株式会社化してしまう、と言うフォンを差す)。私たちは経験から、どうするのかを知っています。経験は大きな価値です。バルサは再び勝てるようになる必要があり、私たちの監督や選手たちが成功の歴史を取り戻すために、私たちは動機づけていくでしょう。私たちには強力なリーダーシップがあります。債権発行はクラブの負債の一部をリファイナンスするためです。私たちはまだデ・ヨングやコウチーニョ、アルトゥールらの支払いをしなければならない。クラブを熟知していることは、有利な点です。私はFIFAやUEFA、RFEF、ラ・リーガの会長たちと話をしました。これらの組織における委員会で影響力を取り戻したいと考えています」
フレイシャの主張
そして3人目のフレイシャもまた、フォンに対して疑問を投げかけています。
「黙示録的な、身の毛もよだつ提起は避けたい、それが私たちの考えです。破局的なメッセージは止めるべきだ。2003年や2010年のように、危機的な状況であるのは確かですが、治療法はあります。バルサモデルは収入を生み出すものではない。私たちは企業ではないのです。私たちはスポーツクラブであり、私たちのスポーツモデルを保護しつつ資産やアイデンティティを管理しなければならないというのが私たちの診断です。バイエルンは7億5,000万ユーロの予算でヨーロッパ王者になっています。ビクトル(フォン)、収入への強迫観念は必要ない。必要なのは良識をもってクラブを管理することです」
ラポルタの主張2
前回の会長任期満了時のごたごたに関して、元会長はこう述べました。
「2010年に私が残した遺産を、私はとても誇りに思っています。クラブは経済的に立ち直り、チームはトップレベルとなっていた。私たちの信用を落とそうとする試みがあることは知っています。私たちは最高の契約を結び、世界から参考とされていたのです」
フォンの主張2
「私たちは歴史的な十字路にいます。過去からは未来は建設できないでしょう。必要なのはプロジェクトです。私たちは4-5年にわたってチャビ・エルナンデスとともに働いています。2008年にドブレーテをしたからといって、2021年にそうなるとは意味しません」
そしてチャビとプロジェクトを作ってきたことに関してラポルタに怪しいもんだと言われたフォンさん、チャビに関する発言がウソだと証明されれば選挙から撤退すると宣言しています。
3候補の意見で一致したのは、FCバルセロナを株式会社にする考えはないこと。カンプノウ周辺の再構築計画“エスパイ・バルサ”を完成させることでもまた3人は同意しています。
「あの素晴しき日々をもう一度」「過去を見て投票する過ちを繰り返してはならない」
この討論会は103分にわたって行われてまして、議論されたテーマもスポーツや経済再建といったメジャーなものから、補強、選手給与、エスパイ・バルサ、年間指定席、ソシオの参加、新規ソシオ募集、ソシオの役割、ペーニャなど多岐にわたっています。
全部取り上げる力は私にはないので、候補者の思いがこもっている最終スピーチをどうぞ。
フォンの最終スピーチ
「これから私たちには、決定的な1週間が訪れます。近年のクラブ史で最も重要な選挙があるのです。私たちは数年前から働き、今、真実の時が訪れています。2015年の私たちは(あの●●バルトメウに)三冠やトリデンテの記憶で投票をした。この過ちを繰り返してはなりません。世界は大きく変化しました。クラブに貢献した人々への永遠の感謝はすばらしい。けれどもこれからは、将来を勝ち取るために勇敢でなければなりません。ビスカ・バルサ、そしてビスカ・カタルーニャ」
フレイシャの最終スピーチ
「このディベートを見ている全てのソシオ/ソシア諸氏に挨拶をしたく思います。彼らに言いたいのは、バルサは複雑な状況にあるけれども、破局的な演説は止めるべきだという点です。この状況への解決策を見つけ、そして成長し続け、世界最高のクラブであり続けるために、私たちは独立とクラブへの理解、経験を組み合わせられる唯一の候補者です。私たちに投票くださるよう、皆さんにお願いします。それがバルサのために最良であると私たちは信じているからです。ありがとう、ビスカ・バルサ、ビスカ・カタルーニャ、そしてビスカ・ペーニャたち」
ラポルタの最終スピーチ
「私が立候補したのは、私がバルサを愛し、クラブに奉仕する意志を持っているからです。私の理事会メンバーと私には、クラブの経済状況を復帰させるための経験と決断力があります。私たちにはバルサを経済的な信頼性を取り戻すためのプランがある。もしソシオ/ソシアがクラブの所有者であり続けたいなら、ロンドンやパリ、ベルリンでの喜びを戻したいなら、私たちの記憶にある試合を取り戻し、バルサがフットボール界で重みを回復させたいのなら、私たちへ投票してください。私には経験があり、私たちはバルサを愛しています。ビスカ・バルサ、ビスカ・カタルーニャ」
こちらは会長選挙について知っておくべきポイントの動画。ジョルジーナさんが毎回ステキすぎる件。
コメント
いつも拝見しています。
分かりやすくて、読んでいても飽きないです。楽しみにしているので、引き続きバルサファンとして、いろんなニュースや情報をお願いします!
クレとして、どんな時でもバルサを応援しましょう。