◇アフェライは残留希望
来シーズンの去就がほんのり注目されていたFCバルセロナの2選手、イブラヒム・アフェライとセイドゥ・ケイタが揃って残留の意思を表明しています。まずはユーロで思わぬ3連敗を喫し、早々にバケーションを開始することになったオランダのアフェライからです。代表チームの解散前、Goal.comの取材に対しイビはこう宣言しています。「僕はバルサに残りたいんだ。次のコンペティション開幕が待ち遠しくてならない。ピッチに立ちたくて仕方がないんだ。もちろんバルサで、自分がプレーする価値があることを証明したい」
ティト・ビラノバは監督就任会見において、アフェライをインテリオールとして戦力とみなしている、と語っています。期待してまっせ。でもイビに対してはインテルが強い関心を示しているといわれ、断ることができないほどのオファーがやって来れば、どうなるかは分からない感じです。
ケイタも
そしてもうひとり、同じく会見でティトに”本人が残りたいのなら、残留”と言われていたセイドゥ・ケイタですが、バルセロナへと向かう途中だというバマコ(マリ)の空港でこうコメントしたようです。「自分の将来について、バルサとの話し合いを待っているところだよ。残留が僕の願いなんだ。出来ることならバルサで引退をしたいし、それは可能だと僕は信じている」
ケイタの契約には公式戦の50%に出場しなければフリーになるという条項が含まれており、これによって彼はバルサとの拘束から解除されています。そしてその契約も6月30日で満了となる。あと10日あまりで新契約を結び直す必要があるわけです。ケイタは言います。「バルサからのオファーを見ていくことになるね。僕の家族はバルセロナで幸せだよ」
ということでケイタの残留は決定ではないですが、バルサから納得のいく提案があれば、来季もティトチームの一員としてグループを支えてくれることでしょう。話し合いの行方に注目です。
◇スタッフ人事
ティト・ビラノバ新監督をバックアップするテクニコの陣容も、次第にハッキリしてきています。右腕となるアシスタントに選ばれたのは、ウワサに上っていたセウタ監督のセルヒオ・ロベラではなく、ペップチームでライバル分析を担当していたジョルディ・ロウラ。ティトと同じくジローナ県出身で、彼もまたかつてはバルサに所属した選手でした。
去就が注目された、スカウティングチームの責任者であるカルラス・プランチャールとドメネク・トレントのご両人は、RAC1の情報によれば、どうやらクラブとの契約を2年間延長した模様です。ということで、バルサが誇る優秀なるライバル分析チームの主要メンバーは全員残留ということになります。分析チームにおけるロウラの抜けた穴は、元フベニールA監督のアレックス・ガルシアになるそうです。
ファン・カルロス・ウンスエが抜けたポルテーロコーチの後任は、現エルクレスのジローナ人コーチ、ホセ・ラモン・デラ・フエンテが最有力だとのこと。実際にデラ・フエンテは昨日、交渉のためにバルセロナを訪れています。バレンシア所属でラ・ロハのコーチも兼任するホセ・マヌエル・オチョトレナもバルデスとの仲が良いということで、候補に浮上してきています。
◇バルトラ 「プジョルのようになりたい」
さて2012-13シーズンのチーム編成において気になるのは、バルサBから昇格してくるカンテラーノたちの落ち着き先です。ティトチームに残るのか、それともどこかへ修行に出るのか。トップチーム濃厚なのはダニ・アルベスの控えとなり、ダニ自身もたいそう可愛がっているマルティン・モントーヤと、セントラルの期待の星マルク・バルトラ。現在マルクはワイン畑に囲まれたのどかな村、生まれ故郷のSant Jaume dels Domenysでバケーション中でして、彼の元を訪れたSPORT紙のインタビューにて将来への希望を語っています。
11歳でバルサのフットボル・バッセに入団したバルトラは、「その瞬間」のために全力で準備をしてきたそうです。トップチーム契約を得る来季は、間違いなくその瞬間となります。「そうなると確信してるよ。僕がトップチームでやれると信頼してくれた人たちみんなに、お返しをする時がきたんだ。自分の持てる力を出し尽くしていこうと思う。(中略)カンテラでは辛いこともあったけれど、良いことの方がずっと多かったよ。良い監督たちにも恵まれたし、たくさんのことを教えてもらった。これからは出来るだけ長くバルサに居られるよう、全力を出していきたい」
爽やかなり、マルク。タフなポジション争いについては、若者はこう目を輝かせています。「難しい挑戦なのは判ってる。でも僕は燃えているし、難しさの中にこそ大きなチャンスがあるんだ。(まずは)プレシーズンに全力で挑むよ。僕の最初の夢はトップチームにたどり着くことだった。それが叶ったなら、今度は可能なかぎりそこに残るのが次の目標だ。僕のアイドルはプジョルだし、彼の通った道を歩んでいければと思う。大変な道のりだとは知っているけど、少しずつ、一日ずつ練習を重ねて、訪れるチャンスを活かしていければと思うんだ」
イケメンのバルトラと、ターザン系のプジョル。マルクはむしろ、WAKA旦那のタイプのように見えます。「どちらにもすごく注目してるよ。彼らは世界最高のセントラルだし、マスチェラーノもそうだね。この2年間は彼らと一緒に練習できて、多くを学び、助言ももらえてとても嬉しかった」
ちなみに”チアゴ・シウバが来なかったのはあなたたちにとって朗報でしたね?”という問いに対し、バルトラは「誰が来ることになっても、来た人から学ぶだけ。でもアンドレウ、ムニ、それに僕と世界最高のセントラルたちがいれば、ポジションはきっちりカバーされてると思う」と自負をのぞかせています。ではトップチームでは徐々に出番を増やしていきたいのか、あるいはいきなり責任を負う立場になってもやったる気はあるのか。若者はこう答えました。「僕は何年も準備をしてきたし、バルサBでの2年はその役に立った。もし最初の試合から責任を負う必要があるなら、それを引き受けるよ。それが3試合目でも、3ヶ月でも同じさ。最初はあまり信頼はないだろうけれど、僕は自分をすごく信じているし、この時のために精神面での準備をかなりやってきたんだ」
頼もしいではないですか。バルトラは続けます。「フットボルでは良いプレーをするだけじゃなく、精神的にすごく強くなければならない。そして精神力があれば、僕には問題は発生しないと思うんだ。何故なら僕は、全てに適応できるからね。まずはハードにトレーニングを行っていくよ」
数年後にバルトラが、セントラルのレギュラーとなっていればステキ。こういう楽しみ方をさせてくれるバルサというクラブも、毎年思うことながら、どこまでもステキであります。バモス、マルク!
◇ハビ・マルチネスとフンメルス
ティト・ビラノバが就任会見で補強ポイントとして挙げたのは、左ラテラルとセントラルでした。ラテラルのほうはジョルディ・アルバで決まりとして(数日中にもオペレーション完了か、との報道)、難航しているのはセントラル獲得作戦。チアゴ・シウバのオプションが事実上消滅した今、第一目標とされているのはハビ・マルチネスですが、こちらはおそらくは違約金である4000万ユーロを支払う以外に獲得の道はなく、ウルトラCは期待できそうにありません。
そしてこのハビマルのラインも消えた場合に次なる有力候補といわれているのが、ドルトムントのドイツ代表マッツ・フンメルスだとか。これまた、厳しいところをきました。普通に考えれば、相当なムリめであります。
フンメルスはほんのつい最近、この6月の最初にドルトムントとの契約を3年延長しています。しかしバルサは(というかそのネタを報じているMUNDO DEPORTIVO紙は)、獲得が決して不可能だとは考えていないようで。フンメルスは190cmを超える長身ながらも、洗練されたテクニックとスピード、パスフィード能力、得点力を備えたドイツを代表するセントラルです。そんな好選手を獲得するための最大の障壁は、言うまでもなく高額な必要経費となります。
ドルトムント筋の情報によれば、ドイツ王者は3000万ユーロ以下ではフンメルスを売りに出す考えはないそうです。もちろん、バルサには現時点では、この額を用意する考えはありません。つまるところ、彼やハビマルといったところに奮発するか、アビダルさん(1500万ユーロで獲得)的な”掘り出し物”を見つけてくるか。半端な掘り出し物だと、バルトラに賭けた方がいいかも、という考えもあります。
ちなみに・・・MUNDO DEPORTIVO紙のウェブアンケートによりますと、”獲得したいセントラルは誰?”の問いに対し、42%が「ハビ・マルチネス」と回答。これに38%で「フンメルス」が迫っています。その他は「ダビド・ルイス」が9%、といったところです。
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