自分たちのプレーができれば、扉は開くと第4カピタン。
FCバルセロナがサン・マメスでのスーペルコパ・イダを4-0で落としたことで、いつもとは別の意味で気楽にブエルタを観戦できるクレですが、現場のオレたちはまだ勝負を諦めてはいないぞ、とのメッセージが監督・選手たちから届いています。それらに共通するのは、レモンターダ(逆転)は難しいけれど、決して不可能ではない、少なくとも自分たちは可能だと信じているというもの。その言葉をファンが信じられるかどうかの多くは、試合開始の笛が鳴ってからのチームのパフォーマンス次第とはいえ、このバルサならひょっとしてと夢みたい気持ちもあるので、奇跡的・歴史的レモンターダを期待したいと思います。
5点差以上の勝利が必要
サン・マメスの試合で痛かったのは、逆転への希望の足がかりとなるアウェーゴールを奪えなかったことです。バルセロナがスーペルコパ2015の勝者になろうと思えば、4-0でプレーを終えてのペナルティキック合戦か、5点差以上の勝利しかない。1点奪われた時点でほぼゲームオーバーとなるうえ、ルーチョチームはここ2試合で8失点してますから、やっぱりダメでした、の確率の方が圧倒的に多いです。いけると感じるのは3-0になって以降。もし、もしも85分あたりまで3-0か4-0に到達していたとしたなら、“奇跡”への期待とアウェーゴールへのドキドキで変になっちゃいそうです^^
90分で5-0は至難の業ですが、まずは延長戦へともつれ込ませることを前提にプランニングするなら、80分あたりまでに3-0となっていれば希望を抱けるわけです。それならば十分、実現可能な感じはします。結果、あと1点届きませんでした、となってもイメージは悪くない。週末のリーガ開幕に向け明るい材料となりましょう。と考えると、なんかイケそうな気がしてくるから単純なものです。
まずは逆転可能だと信じること
実際に現場の選手たちがどう考え、試合展開をどうイメージしているのかは分かりませんが、レモンターダが可能だと心底信じているんだ、と前日会見で強調したのは新・第4カピタンのハビエル・マスチェラーノです。こういう厳しい試合前にメディアの前に現れ、ファンとチームを鼓舞するメッセージを発するのがカピタンですから、その役を任されたヘフェシートへの信頼度が伝わってきます。バルサの14番は言います。
「逆転は可能であると、自分たちが信じないといけない。ひっくり返すには簡単なスコアではないけれど、これは僕らにとっては大きなチャレンジだよ。スーペルコパ・デ・エスパーニャではどこのチームもやってのけたことがない事だからね」
「もし僕らが良いレベルにあれば可能性は出てくるだろうし、そうなることを願ってるよ。ファンもまたここ数年のビッグマッチと同じ役割を担わないといけない。僕らが良いレベルにあり、最初の1分から可能性を示せることを確信していると証明すれば、ファンはおそらく僕らをバックアップしてくれることだろう」
「僕はイダの試合を見直したけれど、あの結果は相応しかったスコアに対して大きくなりすぎだよ。相手チームは6-7回のゴールチャンスで4点を決めている一方で、僕らは5-6回のチャンスを1つも活かせなかった。僕らが相手にたくさんの得点機を許すのは普通ではなく、普通は僕らが相手より多くの得点機を作り出している。単発のエラーによって僕らはあまりにも罰を受けた」
守備の改善が求められるが、、、
大逆転劇を演じるためには、バルサは信念に忠実でなければならない、とマスチェラーノは考えます。「イダの試合からは改善しなければならない。けれども全てを変えようとする必要はないんだ。むやみやたらにいく必要もない。そこでもし発明を始めようとしたら、物事はより厄介な方向へと行くからね。自分たちが信頼に足ることを、このチームはすでに示しているし、逆転のために僕らがあらゆるオプションを使い尽くしていくことは間違いない。僕らはこれがまたとない挑戦だと分かっているし、それは僕らの胸をときめかせている」
「僕らが4失点を食らったのは現実だし、改善は必要だよ。でも相手の効率性がすごかったのも事実で、普通はああはいかない。過ちを犯すたびにゴールでそれを支払うってのは普通じゃないよ。ただし、エラーは最小限に減らし、避けないといけない。おそらくすぐ近いうちに、失点は減っていくだろう。現時点で最重要なのは明日の試合で、明らかなのは相手に点を与えないことが不可欠ってことさ」
団結のためのカピタンミーティングなんてのはなかった、とマスチェは語りました。「これはカピタンの問題ではなく、戦術の問題だ。プレーの中のエラーによって僕らは過度に罰を受けたけれど、フットボルはエラーをするゲームだしね。それを修正するために監督がいるんだ」
逆転を本当に信じている
チームの選手たちはサン・マメスでの試合が終わった時点で頭を切り替え、今は逆転が可能だと確信していると番長は言います。「僕らには信じるに足るだけの“道具”がある。このチームには試合に大差をつけて勝つ可能性があったんだ。ハードなライバルとの対戦が待っているから、メッセージが傲慢に聞こえるのはイヤだけれど、僕らは自分たちの可能性を信じてるよ」
「サン・マメスでは疲れが影響したかもしれない。けれどもこういった試合で一番重要なのはメンタルなんだ。フィジカル面できつく、回復もあまり出来ずに移動距離も長かったけれど、基本はメンタルだ。その意味においてチームは準備万端だよ。どっちみち僕らは次の90分間で、良くはなかったスコアをひっくり返すために全てを出し尽くさないといけないんだ。新たなタイトルへの期待が大きいことで、疲れは忘れるよ」
そして。「レモンターダはグループ全体としての感情だよ。僕らは心底その可能性があると信じているんだ。相手は2日前に手にした点差をもってプレーする準備を整えてくるけれど、このチームが5つ6つもチャンスを作れなかった試合はかなり少ない。求められるのは効率性(決定力)だ」
「チームにメッシがいることは希望と自信を生み出す。彼がいる、それは何か良いことが起こりえるというサインだよ。彼もまた逆転は可能だと確信しているし、彼は僕らのフットボル的リーダーだ。彼とイニエスタ、ルイス・スアレスは僕らにとって逆転を信じるための理由をくれる選手。もしメッシが当たりの日なら、僕らは逆転へとより近づくね」
最後にマスチェラーノはカピタンズの一員に選ばれたことについて、「チームメイトたちからの愛情の証明だから、嬉しいよ。でも僕自身の役割はいつもと同じだ。ベストのトレーニングをして、チームに貢献しようと試みること、それくらいさ。以前よりも大きな役割を担おうとはしていないよ」と述べています。
バルセロナのレモンターダ伝説といえば、2012/13シーズンのチャンピオンズ1/8、ACミランとのイダを2-0で敗れた後のカンプノウでの4-0大逆転勝利があげられます。この試合では後半開始すぐに3-0まで持っていき、92分のアルバ弾で4-0。疲れてきた終盤の守備時は、一発やられやしないかとヒヤヒヤとしたものです。その同じ年に今度はバイエルンに第一戦で4-0を食らい、そのまま意地を見せることなく悪夢の敗退(計7-0)なんてのもあったわけですが、さて今回はどちらとなるか。まずは3-0、このあたりを目指しましょう。そうなればカンプノウの魔力がナントカしてくれる!有言実行バモス!
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