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4-0: 惨敗!

セクステーテの夢は絶望的に。

失望、落胆、そういった単語がこれほどしっくりとくるケースもそう多くはない、そんな試合でした。サン・マメスで行われたスーペルコパ・デ・エスパーニャのイダにて、FCバルセロナがアスレティック・クラブに4-0で敗北。カンプノウでのブエルタが残されているとはいえ、ビルバオを相手に無失点でのマニータは容易なことではなく、最近の守備からはまず期待できないそうにない。セクステーテ(六冠)達成が非常に非常に厳しくなったのは悲しいことですが、そちらはもう仕方ないとして、23日に再び訪れることになるサン・マメスでのリーガ開幕戦への不安が大きくなる惨敗です。

繰り返された守備でのエラー

セビージャとの欧州スーペルコパで4失点(5-4)、このアスレティック戦でも4失点。昨季は(幸運に恵まれた面もあるとはいえ)少ない失点数を誇ったルーチョチームの、この夏の守備のグダグダさは一体どうしたことでしょうか。トビリシでのゲームは4-1と安心のリードを手にしてからの3失点で同点と、ホッとしたこと+疲労によるドタバタ劇かな、と笑え(失笑)もしましたが、この4-0は次は頼みますよ、では済ましがたい。全体的な緩さはなんなのだろうと不安になります。心身が疲れている?

立ち上がりのパフォーマンスは上々でした。アスレティックの仕掛けるプレッシングを良いポジショニングとパスでひらりひらりとかわし、ほぼ圧倒的にボールを支配。攻めに奥行きはありませんでしたが(シュートを打てず)、良いリズムでプレーをしていました。しかし時間経過とともにそれも幻だったかのごとく霧消し、、、終わってみれば4-0の大敗でした。

その理由は幾つか考えられます。

アスレティック・クラブのプレーが良かった。まさか4-0で勝てるとは計画していなかったでしょうが、エルネスト・バルベルデ監督の施したレシピがすばらしかったのは間違いないです。テル・ステーゲンのうっかりエラーを見逃さない集中力、試合を通じて見せた激しさと意気込み、攻撃時の効率性の高さ。どの点においても、バスクチームがカタランチームを上回っていました。

バルサの度重なるエラー。1-0はテル・ステーゲンが、2-0はセルジ・ロベルトアルベスが、3-0はアドリアーノが、4-0はアルベス(厳しいPK判定ではあった)がうっかりやら軽いプレーやらをやらかしての4失点。そこに行き着く前の中盤での攻防がきっと大事なのですが、1つめのラインを突破され、2つめも悠々と崩されては自ずとピンチは多くなります。セビージャ戦からサイドを狙われ、崩されているのが気になるところ。2試合での8失点のうち、後半の失点が6なのは疲労の影響でしょうか。

ローテーションメンバー機能せず。昨季は疑問視されながらもローテーションを行い、結果を出したルイス・エンリケでしたが、この試合での先発メンバーはかなり実験的(賭け的)でした。中盤をセルジ・ロベルト、ラフィーニャ、マスチェラーノの3人にし、セントラルがバルトラベルマーレンのタンデム。ルーチョとしては先のセビージャ戦とカンプノウでのブエルタをより重視したわけですが、結果的には散々なものとなりました。トリビシから帰って翌々日にはビルバオへ出発ですから、入れ替えやむなしなのは分かるのですが。

こじれているペドロ問題がチームに好ましくない影響を及ぼしている、と推測するのは考えすぎでしょうか。

テル・ステーゲン

この合計8失点を喫した2試合で、ネガティブな主役となっているのがマルクアンドレ・テル・ステーゲンです。彼がすばらしい資質を備えていて、自らに強い自信をもっていることはメディアでのコメントやピッチでのプレーから伝わってくるのですが、今はそのキャラクターがマイナス方向に出ているような。得意の足技を信じすぎ、やらかしているのが目立つのです。

金曜日のアスレティック戦でドイツ人守護神は序盤に2つの失敗をしています。1つめは11分、ラフィーニャアドリアーノテル・ステーゲンと戻されたボールを、浮き球でアドリアーノに戻そうとして相手に奪われ、至近距離でシュートを打たれるピンチとなった場面。そしてもう1つが先制点となった14分の、エリア外でのヘディングでのクリアです。サン・ホセのシュートは確かにゴラッソでしたが、テル・ステーゲンの過信が感じられます。

正確無比にセントロカンピスタまで届くパス技術がテル・ステーゲンの持ち味ですが、ここ2試合ではそんなピタッと決まるパスもなかったと記憶しますし、11分の場面では2人のデランテロが前にいるのに足技を過信し、挙句明後日の方向へとボールを飛ばしてしまった。クラウディオ・ブラボであれば、この2つのゴールチャンスは与えていなかったでしょう。持ち味でもある大胆さを失っちゃあアカンのですが。。。カンプノウでのブエルタにはブラボが先発すると言われていますし、ドイツ人ポルテーロにとってこの試合のチョンボは痛い代償となるかもしれません。

ちなみにFCバルセロナが2試合連続で4失点以上したのは、2001年4月のビジャレアル対バルサ(4-4)、バルサ対サラゴサ(4-4)以来だそうです。そういえば、パトリック・クルィベルが妙に目立っていた、そんな試合がありましたなぁ。この2試合でゴールを守っていたのはペペ・レイナ。暗黒時代の良き(?)思い出です^^;

レモンターダ(逆転)とローテーション

このサン・マメスでの惨敗後、ジェラール・ピケはSNSにて、「90分とカンプノウ。僕は(逆転を)信じている」との大逆転いくぞメッセージを送っていますし、他の選手たちもネバーギブアップを強調していますが、現実問題として無失点マニータ(5-0)は超困難です。かといって最初から試合を捨てるのはバルサとしてはないですから、23日(日)のリーガ開幕戦(対アスレティック、サン・マメス)へとつながる守備の改善をまずは目指してほしい。変に攻め急いで結局ひどいイメージを残し、挫けて再びサン・マメスへと乗り込むのは避けないといけません。

トビリシでの試合が延長戦になった時点で、ルイス・エンリケは大幅なローテーションを実行すると決めていたような気はします。2つのスーペルコパはトビリシとカンプノウでの2試合が必勝で、サン・マメスは最低限の結果でOKとマネージメントしていたような。おそらくはもう少し持ち堪えられる(負けても2-1か3-1)とは予想していたでしょうけれど、現状では結果よりも選手たちの筋肉の安全を優先したのでしょう。USAツアーでコンディション調整が難しかったようですし、実際ツアー終盤に怪我人が続出していますので。

まあロベルトラフィーニャバルトラベルマーレンの同時起用はやり過ぎちゃったとは思います。チャンスを与えた選手が輝くにもパートナーは重要ですし、グループとして機能しないと個人も良いところを見せられません。ベルマーレンさんは最初はピケと組ませてほしいです。心配なのはこのザル守備問題が、傷口がさらに広がらないうちに治療できるものなのかどうか。序盤は厳しい試合が続くかもしれません。

ルイス・エンリケ 「逆転できるチームがあるなら、それはバルサ」

では本日最後は、ほとんど全てのメディアが見だし文句に採用している、試合終了後のルイス・エンリケの言葉です。「レモンターダを考えることは、自惚れではない。今日は自分たちのベストを出せなかったけれど、まだ対決の後半は残っているんだ。試合に勝ち、有利な雰囲気を作り出したアスレティックを祝福するよ。もしこの結果をひっくり返せるチームがあるとするなら、それはバルサだ

月曜日は早い時間帯でのゴールを狙っていく。繰り返すけれど、もしこの状況を逆転できるとするなら、それはこのチームだよ」

「私に試合カレンダーを変えることは出来ない。試合の分析は後ほど冷静に行うとして、私の選手たちを守るために、ローテーションをすべきだったと私は考えてしている。今はプレシーズンであり、選手たちの脚にプレー時間を増やしていく時ではないからね。監督としての私の役割は、決断をすること。いつものように、この敗北の責任を引き受けるよ」

「1-0となった後、私たちはビッグチャンスを2つ手にした。そしてそのすぐ後に2-0となり、3点目、4点目をくらった。けれども個人的エラーもまたフットボルの一部だ。私は選手たちを信頼し続けているし、(今試合前に戻っても)同じメンバーを採用するだろう

 

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