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痛いエンパテ:エスパニョール戦

闘志を燃やすエスパニョールの守りを破れず。

FCバルセロナの新年初戦となったエスパニョールとのデルビーは、0-0の無得点エンパテに終わりました。街の主流派バルサに対し、マイノリティとしての主張を行ってくることが多いペリコですが、今回もまたそのパターンとなり。チームの総合力で劣るエスパニョールはコンスタンティン・ガルカ新監督の下、ぎりぎりルール内といえる激しい肉弾戦によってバルセロナのフットボルを阻止し、勝利に近い引き分けを得ることに成功しました。12月にバレンシア戦、デポルティーボ戦と続けて勝点を落としているバルサにとっては、このデルビーでも勝ちを逃したことは大きな痛手。アトレティコが勝利したことで、暫定ながらも首位の座を手放しています。

激しいペリコの当たり、好機も少なく

FCバルセロナにとっては、エスパニョールが闘志をむき出しにしてくるデルビーはなかなかに厄介な試合となります。コルネジャ・エルプラットが完成した2009年から、同スタジアムでの敗北はまだないバルサではありますが、この一年で最大級の決戦へと気合を燃やすペリコたちには度々苦戦。今回もまたエスパニョールはハードなタックルを繰り返すことでバルサのプレーを分断し、審判がそういった当たりを許すこともペリコを助けていました(特に前半)。デルビー・バルセロネスにおける、よくある展開です。

ちなみにゴンサレス・ゴンサレス主審はほんの少し前のマドリー対レアル・ソシエダで物議を醸すジャッジをし(ソシエダのPKは取らず、マドリーには2つ提供)、白組さんの勝利を手伝った審判。ゆえに彼のタックルに甘い判定には、クレとして不快感も割り増しです。だからといって勝てなかった言い訳にはならないんですけれど。

激しいプレッシングとタックルによってプレーのぶつ切りを狙うのがペリコの作戦なら、バルサは持ち前の決定力によってそのプランを破壊しなければなりませんでした。が、今回はゴール前での精度が少し足りず、運も味方することはなく。エスパニョールが12回ものファールを犯した前半は特にシュートにも辿り着けず、手にした数少ないビッグチャンスでもレオ・メッシルイス・スアレスのシュートが2度ゴール枠に弾かれました。こういった試合では好機を活かせなければ厳しい状況となる、そんな見本の試合。それにしてもここ2試合のバルサはやたらとゴール枠ばかり叩いています(計5回)。

ルイス・エンリケ 「妥当な結果」

コンスタンティン・ガルカ監督率いるエスパニョールがバルサに挑んできた、“ボクシング・スタイル”の戦い。これがボクシングであれば、2度ポストを揺らしたバルセロナの判定勝ちになるところですが、フットボルではネットを揺らさなければスコアは動かず勝負にも勝てません。よって試合終了後のルイス・エンリケはこの0-0引き分けを、「概ね妥当な結果」だと評価しています。

「私たちが予想していたとおりに、エスパニョールのプレーは激しく、プレッシャーは激しかった。限界まで激しく来る相手との対戦はいつも難しいものになる。序盤は彼らのリズムが上回っていたし、より激しかったね。エスパニョールは守備面において非常にレベルが高かった。デルビーでは毎回、エスパニョールはアグレッシブだ… しかしそれに異論はないよ。壊すことよりも作り出すことのほうが難しいけれどね」

「ゲーム序盤は相手のフィジカルなフットボルに苦しんだけれど、後半の立ち上がりは私たちが良いプレーをし、チャンスを作り出していた。けれども私たちにはこういった試合で求められる正確さに欠けていたね。全体として、この結果は両チームにとって妥当なものだと思う

ゴンサレス・ゴンサレス主審がハードなタックルに対して甘かったことが、エスパニョールの激しさを助長したのではないかとの問いに対しては、「私がジャッジに関してコメントしないのはキミたち(報道陣)も知ってのとおりだ」と言及を避けたバルサ監督。彼はそして、「選手たちに対しては、フットボルは接触が認められたスポーツであり、こういうことも起こり得ると言ってあるよ」と語っています。

バルサは今回コルネジャにて2ポイントを失ったのか、それとも1ポイントを勝ち取ったのか。ルイス・エンリケの見解はこうです。「勝点を加えたと考えるか、失ったと考えるかは人それぞれだ。シーズンの最後には全ての勝点の合計が出るから、今の段階では私はそれについては考えないよ」

選手交代枠を一つしか使わなかった件(ラキティッチからセルジ・ロベルト)については、「一人の場合もあるし、二人、三人と代える場合もあるさ。試合展開をみて、チームに最善だと考える決断している。今回は一人だけ代えるのが適切だと思ったんだ」とのことです。

 

ということでルーチョチームの2016年は、苦い後味を残しての幕開けとなりました。前節のベティス戦には4-0で快勝したバルサでしたが、第14節のバレンシア戦(1-1)から続くデポルティーボ戦(2-2)、そしてこのエスパニョール戦(0-0)とリーガでは4試合で3つに引き分けているのが気になるところ。アトレティコやマドリーもまた勝点を幾つか落としていることで助かってはいますが、ライバルたちを活気付けているのは勿体ないことです。いよいよ出場解禁となるアルダ・トゥランとアレイシ・ビダルの加入によって、このモヤッとした流れを好転できるか。対戦相手の厳しい1月は、我慢の月となりますでしょうか。

 

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