クラックたちが違いを見せれば、バルサは勝てる。
一時は雨も落ちていたというサン・ジョルディの日のスポルティング・ヒホン戦は、FCバルセロナの6点快勝ゲームとなりました。勝利の立役者となったのは2試合連続ポーケル(4得点。史上初の快挙)をやってのけたルイス・スアレスと、切れ味鋭いアシストパスで攻撃を組み立てたレオ・メッシ。トリデンテの残り一角ネイマールがスランプを抜け出せないのは気がかりですが、少なくともレオとスアレスが好調であれば、多くの試合はなんとかなります。バルセロナは納得の出来ではないもののゴールを量産し首位をキープ、リーガ優勝へまた一歩前進しました。
前半いまいち、後半改善
3日前にリアソールで快勝し(0-8)、トンネル脱出の兆しを見せたルーチョチーム。しかしながらこのスポルティング戦はまた少し前の状態に戻ってしまったかのように、低調な立ち上がりとなります。10分にして1点を追う展開にならずに済んだのは、アベラルドチームのパンチ力不足に助けられた部分が大きく。前半終了間際にもぎりぎりで同点を阻止するピンチがあり(マスチェとピケがゴールライン上で連続シュートブロック)、メッシのゴールによって1-0でハーフタイムを迎えられたのはラッキーと思える45分でした。
バルサのプレーにはスピードがなく、パス精度もいまひとつ。効果的な動きが少ないことでパスコースが限定され、ボールを奪われてはプレッシングをかいくぐられる場面が相次いでいました。タフなシーズンで失われたフィジカルとメンタルのコンディションはそう簡単には回復せず、ガリシア遠征から中2日では、前半はとにかく凌いで後半勝負とするのが精一杯なのかもしれません。試合後の会見で監督は「フィジカルは良い」と語ってますけれど。
一方で後半の45分間は、バルサが文句なくスポルティングを上回っていました。相手が気の毒になるほどに厳しいクロス・ゴメス主審のペナルティ判定がバルサの大量得点を後押ししたのは確かですが、ギアを上げ、激しくプレーをした時のバルサが強力な火力を発揮するのも確かで。3つあったペナルティによるゴールを差し引いても、全体として勝利に値したのはバルセロナでした。エネルギーの持つ時間帯に効率よくゴールを決められれば、こういうスコアにもなるというところでしょう。
ここからは試合が週末だけになるので、コンディションが回復していけば、もっと安定したパフォーマンスになると期待したいです。ルイス・スアレスは無双状態(ピチーチ競争でCR7を逆転&3点リード!)、レオ・メッシも復調しているので、あとはプレッシングが上手く機能するように戻していければ、危なげなく試合を進められます。次の試合までは一週間空きますので、幾らか良い状態になると期待したいです。
■約束果たす:さっそくネットを揺らし、約束どおりにカンデラちゃんたちPKUの人々へとゴールを捧げたスアレス。ユニフォームを脱げばイエローカード対象でしたが、ピッチサイドでメッセージを書き込んだユニフォームを示すことでカード処分を回避しました。そういう方法がありましたか^^
ルイス・エンリケ「3チームはどこも取りこぼさないと思う」
他会場ではレアル・マドリーがラージョに逆転勝ちし(2-3)、アトレティコもまたマラガに競り勝った(1-0)ことで、上位3チームが1ポイント差にひしめく緊迫した状況に今節も変化はありませんでした。リーガは残すところ3試合。この状況に関して、スポルティング戦終了後のルイス・エンリケは次のような見解を述べています。
「私たちにはカサでの試合が一つと(対エスパニョール)、フエラでの試合が二つ残されている(対ベティス、グラナダ)。敵地での試合はどちらも難しくなると思っているけれど、(試合がなく)長い一週間を利用してベティス戦への準備を進めていくよ。私たちがしくじることはないだろう、と私は思っているんだ。追っ手たちもまた失敗はしないだろうから、優勝したいのであれば残り3試合に勝たなければならない。そしてもしそれが出来れば、リーガで優勝するのは私たちだ。失敗は許されないにせよ、3チームの中で最も有利な状況にあるのは私たちだよ」
「私はいつでも物事のポジティブな面を見るタイプでね。選手たちのトレーニングでの様子や、逆境への反逆心を見ていることで、私は楽観的なんだ。以前は想像もしていなかったような悪い流れを、私たちはひっくり返してきた。完璧な選手、完璧なチームなんてものは存在しないけれど、重要なのは私たちがスランプを脱したことだよ」
どうせマドリー勢が勝つことは分かっているから、彼らの試合は見ないと言うバルサ監督は、選手たちのフィジカルコンディションは良好であると説明しています。「フィジカル面から見れば、選手たちがフィーリングを取り戻す必要はない。私たちのフィジカルは好い状態にあることは、数字が示しているからね。私は心配していないんだ。精神状態は重くなっているので、これからの試合のない一週間で良くなっていくことを期待している」「通常では出来ないことが出来る一週間なので、幾つかの部分を改善するのに役に立つことだろう」
試合内容については、「相手チームがフィジカル面でフレッシュな前半は、攻撃に苦労するものだよ。私たちにはプレースピードが不足していた。ポジショニングは良かったけれど、スピードがかなり遅かったね。このレベルの試合ではポジショニングが良いだけではダメで、可能なかぎり速くプレーしなければならない。前半は私たちにとって危険な方向へと進み、相手に決定機を二つ作られてしまった。後半は私たちの内容が改善され、3-0となったことで勝負は付いたよ。その後のことには、重要性はなかった。私たちにとっては勝つことが重要で、大量得点することで自尊心を上昇させてくれる。スポルティングがエイバル、ヘタフェに勝ち、残留することを願ってる」と語ったルイス・エンリケ。
セルジ・ロベルトとジェラール・ピケの途中交代の理由に関しては、セルジが「足首に打撃を受けたから」、ジェリが「以前から患っている腰の痛みのため」とのことです。
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