ここ2試合出場がないセントロカンピスタ。
年内にはあと1試合、エルクレスをカンプノウに迎えての国王杯1/16ブエルタが残されているFCバルセロナではありますが、デルビーに快勝し、MSNトリデンテとピケは3日早く冬休みに入りと、どことなく“良いお年を”と言ってしまいそうな雰囲気です。イニエスタの復帰に伴いフットボルの内容が良くなり、落胆のクラシコ以降は公式戦3連勝。2017年の逆襲に向けて風向き良好!なんですが、一人気になるのは、マドリー戦での途中交代以来、まったく公式戦に出ていないイバン・ラキティッチの状況です。そういう時には、良くない話題も湧いてきますし。
過去2シーズンの不動の先発メンバー
イバン・ラキティッチといえば、2014年夏のバルサ入団以降、ルイス・エンリケの不動のレギュラーとして起用され続け、デコと並ぶ大成功補強と評されてきたセントロカンピスタです。右インテリオールにはほぼ必ずラキティッチの姿がある、それがルーチョチームの日常。イバンがいないのは負傷中に限られる、そんな感じでした。
しかしここ最近、ラキティッチは試合出場から遠ざかっています。カード累積で出場停止だったボルシア・モンチェングラッドバック戦は別としても、リーガでのオサスナ戦とエスパニョール戦に連続して出番なし。2試合くらいで慌てるなと言いたいところですが、これまでがあまりに鉄板起用されていただけに、心配性のメディアがどうした?と注目するのは当然の流れでしょう。
ちなみにSPORTウェブによりますと、昨シーズンとの比較してラキティッチの出場時間は明らかに減少しています。2015/16シーズンは開幕から年末までの29試合のうち26試合に出場(先発23)していたのに比べて、今季は公式戦25試合のうち出場は19試合(先発16)。ルイス・エンリケはデルビー後、2試合続けてクロアチア人を使わなかった理由を「監督判断」と述べています。
勤続疲労によるガス欠説
その出場数減少に関して、理由は大きく分けて2つ考えられます。1つはセントロカンピスタの人員が増えた(デニス・スアレス、アンドレ・ゴメスを獲得。ラフィーニャが怪我から復帰)こと。そしてもう1つが、ラキティッチ自身のコンディションが優れていないことです。
過去2年間、イバン・ラキティッチは金髪の黒子としてルーチョチームを支えてきました。レオ・メッシが自由に位置を変えられるのはイバンのカバーリングがあるからこそで、セルヒオ・ブスケツもまた、ラキティッチの運動量に助けられてきました。途中交代で負担を調整していたとはいえ、勤続疲労がそろそろ出たとしても不思議はない。疲労の色が出ているイバンをルイス・エンリケが敢えて休ませている説は、信憑性があると思います。
MD紙はエスパニョール戦での監督判断にラキティッチが落胆している、明日のエルクレス戦も起用されないなら心配が大きくなる、と書いていますが、大事にしたいからこそ温存するとも考えられる。ミスターの口から直接説明があり、選手が納得していれば問題ないでしょう。
ハードな夏とポジション競争
今季のラキティッチが見るからに痩せているのも、関連がありそうです。2016年の夏はユーロがあり、ただでさえタフだったのに、アンドレ・ゴメスらの加入に意欲を燃やしたラキティッチは競争力を増すために身体を絞ってきたと伝えられていました。それが想像以上にツケとなって回り、ガス欠になっている可能性があります。
加えて、イニエスタが負傷離脱したことや、序盤はブスケツの調子が優れなかったことも、イバンのフィジカルをすり減らしたかもしれません。10月の代表戦では、クロアチア代表監督によってアキレス腱のダメージを明かされる、なんてこともありましたし、その秋以降は、ラキティッチの動きに元気がないと言われてきました。
そしてルイス・エンリケが期待するアンドレ・ゴメスが伸びてきたことや、デニス・スアレスを育てたいことも、ラキティッチの絶対性が薄れた要因ではあるでしょう。いずれにせよシーズンは長いわけで、ヒエラルキーを判断するのは春先からの起用法を見るしかない。結局はラキティッチの座は揺るがず、ってことになっているかもしれませんし、健全なポジション競争から新たな選手が頭角を現すのも、それはそれで良い話です(“ラキティッチ・ケース”は希望しませんが)。
コメント
予想されてはいましたが、中盤のポジション争いは悩ましいですね。
そもそも、今のバルサは中盤の攻撃参加が少ないですし、恵まれたスカッドを活かしきれているかというと疑問です。
一時の不振からこそ抜け出せましたが、依然として課題は残っていますし、
その割にシーズン序盤に試していた343も全くやらなくなり、
エンリケは現状に満足してしまっていないか不安になります。
今回の国王杯では課題が見えやすいという意味でも注意深く見守りたいと思います。