PSGのオファーを断った理由を明かしたセントロカンピスタ
外部育ちの選手なのに、まるでカンテラーノのようなクラブへの忠誠心。イバン・ラキティッチのこのバルサ愛はいったいどこからやって来るのだろう、と不思議に思うこともありますが、大事なのは彼がFCバルセロナというクラブとバルセロナの街をこよなく好いてくれていることです。
「妻と、自分の心の聞いて決断した」というバルサ残留。
PSGのオファーを受ければ数百万ユーロ(数億円)規模で年収が増えてたわけですから、それを断ってバルセロナに残り、「このクラブでプレーを続けることを誇らしく思う」と胸を張って語るラキティッチには頭が下がります。ホントに。
バルセロナ以上を与えられるチームはない
イバン・ラキティッチがこの夏の“騒動”について振り返り、誠実な思いを述べているのは8月30日付のSPORT紙です。表紙を含めると5ページを割いた、気合の入った特集。そこでラキティッチはバルサに残る決断をするにあたって、「妻や代理人たちと話合い、あらゆることを熟考した」と説明しています。
「僕は妻と、自分の心の声を聞いた。そしてバルサのシャツを着ている自分が、いかに恵まれているのか気付いたんだ。このエスクード(エンブレム)を守る、それが一番重要なことさ。バルサ以上のことを僕に与えられるチームは、この世界のどこにもない。お金じゃあないよ」
「娘たちもバルセロナですごく喜んでいてね。上の子は学校に通って2年になるし、チビは保育園に行き始めたところだよ。僕らはここでとても上手くやっている。その意味で決断はすごく簡単だったね。バルサで続けられることを僕は誇りに思っているんだ」
完璧なコメントじゃないでしょうか。
このインタビューで彼は「数日間、僕のことがかなり話されていたし、なにも聞きたくも見たくも読みたくもない時があった」と明かしていまして、しんどい日々を過ごしたことを、軽薄なメディアに代わって謝りたいくらいです(SPORTは騒ぎを主導したことを詫びたのだろうか?)。
会長からの電話を待っているよ
記者さんが「もしクラブがオファーを受け入れていたら理解していましたか?」と訊ね、イバンは「もしそうなら、僕らは話し合っていただろう」「もしクラブがそういうふうに来ていたら、おそらく僕の姿勢(態度)も違っていたよ」と答えていることから、
クラブ理事会は少なくともラキティッチ側に対しては残留希望を伝えるにとどめ、決断を一任していたのだろうと推察できます。
ラキティッチが清々しいのは、こういった他クラブの勧誘を利用して揺さぶりをかけず、家族と誠実に決断を下したことです。消火作業も早く、騒ぎは一週間で収まりました。
好意は決して悪くないけど、自分がそれに相応しく、クラブが本当にそう信じているからであってほしい
そんなラキティッチ家の忠義に対しては、次はバルサが契約の見直しで報いるべきではないか。そう記者さんに訊ねられた彼は、冗談交じりに次のように答えています。
「そうだね、あなたがこのインタビューを会長のところへ持っていくか、会長オフィスに置いてくるか出来るといいね(笑)。一番大事なのは、僕がまるで自宅のようにここにいると会長が知ってることだよ。好意(年俸アップ)が悪いわけないしね。でも僕としては、自分がそれに相応しく、クラブが本当にそう信じているという理由からその瞬間がきてほしいんだ」
そしてその瞬間はいつが好いか。
バルトメウからの早めの電話を期待しているイバンです。
「クラブとはムンディアル(W杯)前と期間中にすでに話をしているんだ。クラブが選手のことを気遣っていることを僕は知っているし、プレジ(会長)から近々電話がかかってくると僕は信じてるよ」
おや、2017年3月に更新したばかりの契約について、彼とクラブはムンディアル前から話し合っていたとの新たな情報。
これはあれでしょうか、もしスカッドの主力選手の平均年俸が上昇した場合、ラキティッチのそれも見直すとの約束でもあったか。 なら、PSGのオファーも威力を失いますかね。
このニュースのまとめ
- ・ラキティッチがSPORTのインタビューで残留を決めた理由を説明
- ・バルサのエスクードを守るために残ったと明かした
- ・会長からの電話を期待するラキティッチ
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