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大事なのは勝ったこと:マラガ戦

前半は今季ワースト級の内容。後半は持ち直した。

2013/14シーズンが0-1辛勝、昨シーズンが0-0のエンパテと、ここ2年間はFCバルセロナが苦手としているラ・ロサレダへと乗り込んでのマラガ戦は、今回もまた苦しい展開となりました。90分間を通して低調だったルーチョチームでしたが、自陣エリア周辺でボールを何度も失った前半の出来栄えは特に酷く、引き分けはおろか黒星を考えたバルセロニスタも少なくはなかったはずです。シーズンに何度かある、得た結果こそが最も重要な試合。カンペオンとなるためにはこういう試合で勝つことが重要ですし、バレンシア、エスパニョールと続いていた敵地でのエンパテの流れを終わらせたことは、今後の優勝争いに大きなプラスとなることでしょう。エースの仕事をしたメッシ、守護神としてマラガのゴールを1つに止めたブラボには改めてありがとう。

バランスの悪かった先発イレブン

今回ラ・ロサレダでバルセロナが苦戦した要因のひとつとしましては、サン・マメスでの熱戦からわずか中2日でのアンダルシア遠征だったことが挙げられます。しかもキックオフが16時だったことにより、前日の現地入りを余儀なくされたルーチョチーム。バルサは2月にもまた、水曜日に敵地(ヒホン)で試合をして、金曜日に遠い遠いカナリア諸島へと遠征し、土曜日の16時からラス・パルマス戦なるカレンダーが控えていますから、次回は相手チームが降格圏付近の下位とはいえ、イヤな感じです(さらにこの直後にはアーセナル戦でのロンドン遠征もあるという、地味に厳しいカレンダー)。

そしてジェラール・ピケがカード累積で出場停止、ネイマールがハムストリングスの違和感で、ジョルディ・アルバが太ももの怪我で欠場したこともチームにとっては痛手でした。最終ラインをコントロールするだけでなく、良いパスも出せるピケがいないことは攻守に影響を及ぼし、彼の存在の大きさを再確認。右ラテラルにアルベスではなくアレイシ、左セントラルにベルマーレン、左ラテラルもアドリアーノ最終ラインのレギュラーがマスチェラーノだけだったことも、不安定さに拍車をかけました。ちょっと選手を入れ替えすぎた感。ただ、少なくともラテラルが本職のアドリアーノには、セルジ・ロベルト以上のパフォーマンスをしてほしかったところではあります(メッシ決勝弾のアシストはしましたが。。)

加えてこの日はセルヒオ・ブスケツがいつものセルヒオではなく、マラガのプレッシャーに負けてボールを度々失っていたことで、バルサの守備は酷いことに。マラガの得点の場面で最後にクリアボールを奪われたのはマスチェラーノでしたが、その前に不正確なバックパスをしたのはブスケツでした。バルサのパスの出し手から選択肢を奪うマラガのプレッシングは効いていました。

中盤では、イニエスタアルダ・トゥランを組み合わせ、守備でバランスを取るイバン・ラキティッチセルジ・ロベルトをベンチに置いたことも影響しているでしょう。ネイマールアルバが欠場したことで左サイドが効かなくなり、右もアレイシアルダでは厳しい上に中盤のバランスも攻撃的に寄ってしまうことから、右ラテラルはアルベスメッシも右寄り、インテリオールにはラキティッチロベルトの方が良かった。後半にムニールに代えてラキティッチを入れた修正は上手く機能しましたし、このあたりのバランスは今後の参考になるでしょう。

起用されないバルトラ

さてそういうジェラール・ピケを起用できない試合においては、本来ディフェンスリーダーとなっていくべきはマルク・バルトラでしょう。マスチェラーノは偉大な選手ですが、最終ラインの統率者としてはあまり向いていないようですし、ルイス・エンリケが期待をかけたベルマーレンさんは求められるレベルを発揮できずにハーフタイム明けでムッシュ・マテューと交代となりました。ここから伝わってくるのは、ルーチョの中の序列ではバルトラが最後列にいることです。

さらにアドリアーノが足を吊って交代する際も、マテューをラテラルに移動させ、バルトラをセントラルに置くのではなく、セルジ・ロベルトをサン・マメスと同じように左ラテラルに入れることを選択したルイス・エンリケ。ロッカールーム内のことを外野から知る由はないですが、監督がバルトラに何か決定的な不足を感じているのは確かでしょうし、クレとしましてはマルクにもっと試合に出てほしいだけにもどかしいです。

ルイス・エンリケも「かなり緩かった」と認める

バルサがここ2年間苦しめられているラ・ロサレダで、開始早々の1分にムニールが先制点を決めた時、まず頭を巡ったのは快勝の予感でした。よしこれで今回はさほど苦労することなく勝点3を持ち帰れるだろう、ムニールのゴール日照り終了万歳!、冬にノリートを無理して獲らなくてもなんとかなるんじゃないか、などと楽観的な考えが次々。その後に、今季ワーストと言える前半が待っていようなどとは、これっぽっちも想像しなかったわけです。

前半の出来が酷すぎたことは、試合終了後の会見でルイス・エンリケも認めています。「前半のパフォーマンスは非常に不正確で緩かった。開始1分30秒で先制しながら、これほど苦しむことになったのは信じがたいよ。私たちが以前これほどダメな前半をしたのがいつだったか、思い出すのも難しいほどだ。苦しんだ理由はマラガがよかったのが半分、私たちがダメだったのが半分だと思う」

「選手たちは機械ではないわけで、今日はグループ全体としての出来が悪く、特定の誰かが酷かったわけではない。後半に入るとより競えるようになっていたけれど、前半の私たちはかなり不正確だった」、「私たちはマラガを相手に完璧な試合をすることができなかった」

ハーフタイム後、散々だったバルサは復調し、決勝ゴールをものにします。「私たちは幾つかの変更を行った。トーマス(ベルマーレン)を交代させたのは、彼がカードを受けていたからだ。私たちが目指したのはもっと試合に集中し、エラーを犯さないことだった。私たちはゴールを決め、自信も手にしたけれど、全体としてかなり苦労したよ」

「前半に低レベルなパフォーマンスをしたなら、あとは良くなるだけだ。後半にゲームに入った選手たちはとても良いプレーをしたし、私たちはより確実で野心的だった」、「選手たちに言ったこと?覚えてないよ。内輪の会話を私が公けにすることもない。自分たちが何をしなければならないか、選手たちはしっかりと自覚しているさ」

そしてルイス・エンリケはバルサを追い込んだマラガと彼らの監督に称賛のコメントを送っています。「ハビ・グラシアはいつも私たちに問題を生じさせてくるね。去年はここで引き分け、危険を作り出すのにとても苦労した。そして今年私たちはカンプノウで彼らに勝ったけれど、私たちは苦しめられた。マラガは非常に厄介なライバルであり、私たちはこの結果にとても満足している

ルイス・エンリケの言うように、内容はともかく結果には満足、そんな試合でした。ルーチョは言います。「内容が良くはなく、困難なスタジアムで勝てたことは私たちを強くするだろう」

あとはチームが必要としている時に決勝ゴールを決め、勝点3をもたらした大エースのレオ・メッシと、マラガの際どかったシュートを何度も防ぎ、チームが1点差を守るうえで重要な役割を果たしたクラウディオ・ブラボに改めてありがとう。クラブ・ムンディアルの“呪い”にやられることなく、こうして着実に勝点を積み重ねていることが今は非常に重要であります。

 

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