2013/14は楽しいシーズンになるだろう、と信じるドン。
今回のコンフェデレーションズ杯で、ブラジルのサポーターからブーイングの指笛を鳴らされまくるスペイン代表の中において、アイドル的存在となっていたのがアンドレス・イニエスタです。どこへ行っても愛される我らのドンは、数々の魔法によってネイマールに次ぐ大会の準MVPを獲得。改めてその変態テクニックで世界のファンを楽しませてくれたのですが、彼もまた多くのトップアスリートと同じように、更なる向上を目標としています。もっと良い選手となって、最後はバルサでシューズを脱ぐ。それがイニエスタの希望するところです。
シーズン終了時点で、成長したと感じることが目標
コンフェデ杯が絶賛開催中だった6月25日、SPORT紙にアンドレス・イニエスタのインタビューが掲載されました。イタリアとの準決勝を前に、ラ・ロハが宿泊するホテルを記者さんが訪れて行われたインタビュー。「初訪問のブラジルで、大歓迎されたことに少し驚いた」という彼は、来シーズンの個人目標について、まずはこう語っています。
「目指すものはいつもと同じ。シーズンを終えた時に、選手として成長したな、チームを助けられたなと感じられるようにすることだよ。人は誰も向上できるし、だから僕は練習し、身体に気を配る。バルサにいる選手はみな、より良くなろうと欲するものなんだ」
2012/13シーズンのイニエスタは、1年を通して高いレベルを維持しました。「自分に良い感覚を得たという意味では、僕は大きく成長したよ。これといった災難に見舞われなかったのも、良い感覚を得るためには大事。安定感の面でもポジティブだった」と言うバルサの8番はそして、巷でウワサされる契約延長(現契約は2015年まで)に関しては次のように期待感を表しています。
「バルサで引退するという希望に、なんの変化もないよ。どうなっていくのか見る必要はあるけれど、もし双方が同じものを望んでいるのなら、問題は起こらないと思う。契約延長は速やかに行われるだろうね」
ではイニエスタさん、あなたがクラブにもたらしているものに対し、バルサは相応しい契約で報いてくれると思いますか?「そういう状況では、誰だって自分に相応しいと考えることを望むものだよ。話し合いが始まれば、クラブは彼らの考えを提示してくるさ。そして僕は前にも言ったとおり、交渉が早くまとまればと思うんだ。だって両者が望むものは同じだからね」
ネイマールはドリブルだけではない
バルサがバイエルンに大敗し、スペインはブラジルに完敗を喫した今日この頃。バルセロナやラ・ロハの目指す美しき強いフットボルは、ひとつの壁にぶち当たっています。このジェネレーションはまだこの先も成功を収めていくのか。イニエスタの考えはこうです。「大事なのは信じることだよ。僕らにはこのプレーをする上で理想的な選手たちがいるし、他のスタイルは知らないんだ。これが僕らの好むプレー方法であって、良い時も悪い時もチームはいつも同じスタイルを見せている。様々な状況用にバリエーションを試みる必要はあるけれど、アイディアやスタイルは変わらないんだ」
そのバルサにプラスをもたらすことを期待されているのが、スペイン戦でもセンセーショナルだったネイマールです。「彼はとても完成された選手だね。ドリブルだけじゃなくて連係プレーもできるし、それぞれの瞬間や位置でどう行動するのかも知っている」
そしてドンは、次シーズンは楽しい1年になるだろうと考えています。「そう期待してるよ。チームが良いプレーを続け、ファンと楽しみながら、最後までタイトルを争っていることが僕らの第一目標。来年もそうあるよう、頑張っていくよ。シーズンを重ねるごとに難しくなっているから、次も困難な1年になるだろう。でも楽しいシーズンにできるチームが自分たちにはあると、僕は確信をしてるんだ」
チームが最大限の成果を残すためには、「全員がリーダーでなければならない。それがチームスポーツ」というのが持論のイニエスタ。今では自らがフットボル界のドンとなってきている点に関しては、そうは感じていないと述べています。「自分が受けている敬意や評価は本当に嬉しいんだけれど、(フットボル界の)リーダーだと感じる必要があるとは思わないんだ。ただ認知されるのはすごく特別なことで、僕をやる気にさせるよ。自分のすることに人が満足してくれるのは、誰にとっても重要なことだからね」
団結と敬意が成功のカギ
話は変わって。インタビュアーの記者さんは訊ねます。“ティト・ビラノバの健康問題は、あなたやチームの成熟を加速させたと感じますか?”。ドンの答えはこうです。「あらゆる状況は成熟に役立つものだし、辛い状況であれば尚のことだよ。困難な状況を経験した人は、もし同じ状況にもう一度出会うことになった場合も、どう行動するのかを知っている。それは大事なことだけれど、僕らとしては経験する必要がないほうが良かったし、今年はもう少し普通であればいいと思う」
このバルサの成功の秘訣は、ロッカールームの団結だとはよく言われることです。「団結は基本だね。あとはお互いへの敬意さ。どのようにして共同生活をしていくか、たくさんの時間を一緒に過ごしていくのかを僕らは知っている。それもお互いを完璧に分かり合っているからこそさ。各人がどうリアクションするかを前もって知っているのは、有利なことだよ」
そして最後、イニエスタはこのようにインタビューを締めくくっています。「僕は12歳でラ・マシアに入った。当時はトップチームまでの階段を上っていくことが唯一の夢だったんだ。自分に対する自信は盲目的だったね。僕は困難な時期を幾つも経験し、そして我慢して努力を続けることに賭けた。それが自分のするべきことだと信じたんだ。それは上手くいき、幸運なことに僕はフットボルを満喫することができたよ」
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