リーガについては過信は禁物、と念を押すドン・アンドレス。
クリスマス休暇真っ最中の27日、FCバルセロナのクラック、アンドレス・イニエスタがアルバセテ・バロンピエの練習場を訪れました。この度その練習施設が彼の名前を冠することとなり、その記念式典へと出席するのがその目的であります。そしてイニエスタはこのイベントにおいて、幾つかのコメントを残しました。そのうちの1つが、出場機会の減少によって移籍のウワサが囁かれるダビド・ビジャに関するもの。これに対しドンは、「ビジャはチームにとって非常に重要な選手」と述べています。
ビジャはとっても重要な選手
グアッヘがこの冬のマーケットで移籍する可能性があるのか、というストレートな質問へのイニエスタの回答はこちらになります。「その可能性があるのかどうか、僕は知らない。僕としてはないと思うけれど、個人的にはそういう話は好きじゃないよ。 だってビジャはすごく重要な選手だからね」
アンドレス・イニエスタは12歳でバルサのカンテラへと入るまで、アルバセテの下部組織でプレーしていました。郷土愛に溢れるドンは今でもアルバセテ・バロンピエをこよなく愛しており、同クラブの最大株主であるとともに、彼のボデガ(ワイナリー)はチームのスポンサーでもある。そういったサポートを誇りとするアルバセテが、彼らのシウダー・デポルティーバを今回”アンドレス・イニエスタ”と命名したわけです。
アルバセテは現在セグンダBに所属していて、経済的にとっても厳しい状況にあります。資金繰りのために320万ユーロを調達しようとして行った増資も、現時点では6万ユーロ分しか買い手がない・・・(たぶん)。よって練習施設に自らの名前が冠せられたことを「名誉」とするイニエスタは同時に、集まったメディアに対して、「このクラブを相応しい場所へと戻すため、皆さんの援助をお願いしたい」と語り、ファンに向けても「結果にかかわらず応援をよろしく」としています。
ティト、アビダル、エストレーモ、バルサで引退、バロンデオロ
この27日のイニエスタによるメディア露出はそれだけではありませんでした。ドンはその後、ラジオ局RAC1の番組 Primer toc へと出演。プレーをすることの目的やリーガ優勝争い、ティトの病、バロンデオロ、その他幾つかのテーマについて誠実に語っています。例えばピッチにて全力を出す動機についての説明はこんな感じです。「僕は自分が幸せになって、家族や周りの人たち、ファンが僕を誇りに感じ、年を経ることにさらに良い選手となるためにプレーをしてる。自分の人生が意味を持つようにね。タイトルを得ることは目標であり仕事ではあるけれど、僕の個人的な感覚としては、幸せな気分で家に帰るためにプレーをしてるんだ」
後世になって、記録として残されるのはタイトルです。しかし「人々の心の中にタイトル以上のなにかが残ってほしい」というドンの言葉は、彼の人柄ゆえに響くものがあります。以下、各テーマに関するイニエスタのコメントです。
■クリスマス休暇について 「今年のクリスマスは奥さんの家族と過ごしたよ。上手く配分していきたいね。通常であれば29日あたりからトレーニングが始まるんだけれど、今年は少し例外的になってる。僕らを毎日見ている監督やトレーナーが、より多くの自由時間を与えてくれた。ありがたいことだよ。機械は一度止めると、再稼動するのに苦労するんだけれど。ここ(フエンテアルビージャ)では家族や祖母たちと、バルセロナではできないことをして楽しんでるよ」
「サインや写真のためだけに遠くまで来てくれるファンには感謝するけれど、全員の希望には応えられないことは分かってほしい。彼らは僕の自宅前で、僕が出てくるのを待ってるんだ」
■リーガについて 「もし優勝は逃しようがないと思ってしまうと、そうなるだろう。1月からシーズンが終わるまでは、それぞれの試合にはファイナルのつもりで臨む必要があるんだ。僕らはこの段階としては、考えられないような状況にある。絶対獲り逃すことはできないんだけれど、先はまだ長いし、過信は禁物だよ。苦労をしない試合はないし、敗北は一つの警告となる。シーズンの最後まで、全タイトルの可能性を残しておかなければならない」
「レアル・マドリーからリーガのタイトルを奪還することと、チャンピオンズ優勝は大きなモチベーション。このチームのサイクルは、僕の感じるところでは、まだ何年も続いていくだろう」
■ティト・ビラノバについて 「ティトは僕らの監督であり、リーダー。僕ら選手はただ彼に応えるだけだよ。僕らは彼にどこまでもついて行くさ」、「(病については)彼や家族の心境は知りようがないこと。分かるのは彼が退院をして、家族と一緒にいることだけだよ。僕らはただ彼が元気であり、病気が治ったら戻ってきてくれることを願うだけさ」
「病気の再発はショックなニュースだった。僕たち全員のサポートがあることを彼は知ってる。そしてこの一件は僕らに、難しい時間を過ごしている人のために戦おうという強さを与えてくれるんだ」
■アビダルについて 「彼は僕らや、同じ病に苦しむ人たちへの手本だね。彼の力、意志の強さは羨ましいよ。彼が僕たちの元へと戻ってきたことを嬉しく思う。どのレベルにまで戻れるかは、今は二次的なことなんだ。一番重要なのは彼が僕らと共にあって、選手であることを実感し、幸せだと感じることさ」
■プレーゾーンについて 「選べるのであれば、サイドよりも中央でプレーをする方が楽しいよ。行動を起こすための場所がより広いし、選択肢の幅も多いからね。でもその半面で、エリア付近のサイドでのプレーには鮮やかなものがある。結果を出せると思うから、監督はそのポジションで起用をするんだ」
■将来について 「契約延長に関しては、特に気にしてはないよ。僕の希望はバルサで引退をすること。ここは自分がキャリアをスタートさせ、すべてを学んだ場所だからね。これからどれだけバルサでの時間が続くかは、僕自身の貢献度次第。それが長い時間になることを期待してるよ」
■バロンデオロについて 「ファイナリストに残ったということは、だれもに受賞する可能性があるということ。すごくハイレベルなのにその場所へいけない選手はたくさんいるわけで、ファイナリストになること自体がすごく特別なことなんだ。ただ自分がそこにいることに関して、僕が謝る必要はない。それは誇りだよ」
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