この数ヶ月間の病との闘いについて語ったアビさん。
12月27日、TV3にてエリック・アビダルが出演した特別番組が放送されました。照明の落とされたスタジオにアビさんが座り、スクリーンに映し出される映像を受けて思いを語るというこの番組。この1年余で二度にわたる手術を経験した彼が、その病との闘いや人生観について語った言葉は、改めてその人間性のすごさを確認させてくれるものでありました。
「僕はなにも、見本になろうとして行動をしているわけじゃないんだ。ただ自分のしなければいけないことをしているだけ。それが僕のメンタリティだからね。選手として多くのことを代表する必要があるのは幸運なことでもある。僕らはそれを忘れてはいけないんだ」
アビさんはまた、こうも述べています。「今の体調はいいよ。戦うこと、復帰することへの強い意欲を僕は持っている。朝目覚めた時、辛いことも何度かあったんだ。でも僕は復帰をするために少しずつトレーニングを重ね、そのことで僕は助けられた。プレーを止めようなんて一度も考えなかったよ。家族を別にすれば、フットボルは僕の人生だからね」
転機となったアラン渓谷でのステージ
病院と自宅を往復する日々が何ヶ月も続いたアビダルにとっては、トレーナーのエミリ・リカルトと共に行った、バル・ダラン(アラン渓谷)でのミニステージが大きな活力となったそうです。「ハードだったけれど、良い一週間だった。あそこで僕は、精神を回復させたんだよ。体調が良くなるにつれ、僕は自分がどこまで耐えられるのかを知るために、よりハードな仕事をしたくなっていた。ボールのないフットボル選手は選手ではないんだ。だからボールを蹴り始めた日、ゴールまでの道が短くなったのが分かった」
そして。「いつだって、やってみなければいけないんだ。そうでなければ、自分に出来るのかどうかが分からない。だから僕はトレーニングがしたかった。自分にやれるのかどうかが知りたかった」
世界が止まった瞬間
番組は進み、スタジオのスクリーンにはウェンブリーで大耳を掲げるアビダルの姿が映し出されました。「すごく多くのことを象徴している、重要な一日だった。家族は全員自宅にいて、テレビで見ていた。あの時プジョルが僕にこう言ったんだ。”トロフィーを掲げる瞬間、世界が止まったように感じるぞ”ってね。それは本当だったよ」
アビさんはその数週間前、マドリーとの準決勝でピッチへと戻ってきました。あの時のカンプノウの歓声はものすごいものでした。「プレーするとは期待していなかった。だからかなり驚いたんだ。僕を信頼してくれたグアルディオラに感謝をしたい。僕からは、必要であるなら準備は出来ていると言ってあったよ」。彼はまた、ゲームの22分にスタンドが”アビダル、アビダル”とコールするのを聞くたび、「鳥肌が立つんだ」とも明かしています。
彼の強さを表すエピソードとしてよく語られているのが、手術を終えて初めてロッカールームを訪れた際、彼がチームメイトたちを元気付けたという話です。「誰かを励まそうと思えば、自分が良い表情をしていなければならない。難しいことではあるけれど、強さを示す必要があるんだ。僕の笑顔は作り物じゃないよ。僕はいつだって笑顔を忘れないようにしてる」
ティトとの共感
2012/13シーズンのガンペル杯、キックオフ前のプレゼンテーションにてティト・ビラノバはアビダルに対し、キミが必要とするだけ私たちはいつまでも待っている、とのメッセージを送りました。「ミスターが僕のことを話すのは分かってたから、僕は隠れたんだ。必要なだけ僕を待つというのは、クラブのみんなが僕を愛してくれているということ。ティトと僕は同じような経験をしたし、なにを言わずとも、僕らはお互いの考えることが分かるんだよ。僕は自分のため、そして彼のために努力をしているんだ」
そしてアビさんは、チームメイトへと向けこう賛辞を送りました。「ここでは誰もがスターなんだ。レオは誰よりも謙虚だし、ピントの笑顔やバルデスのしゃれ、プジョルの元気、チャビの冗談、アンドレスの振る舞い・・・ 誰もがみんな、チームメイトへと教えられるものを持ってる。僕は成長するために、それぞれからなにかを得ようとしているんだ」
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