スポンサーリンク

ソング「誰も僕らを止められない」

 

バルサは世界最高のクラブだ、とカメルーン人メディオ。

入団決定当日のガンペル杯プレゼンテーション参加から一夜明けた21日、普段とは逆の順番でアレクサンドレ・ソングの入団記者会見が行われました。NIKEのTシャツというくだけだ恰好で、カンプノウ内のパリの間にバルトメウ副会長とスビサレッタを伴って現れたカメルーン代表セントロカンピスタ。メディアの各種質問に答えた彼の印象は、意外とマジメで謙虚(失礼!)な選手だな、というものでありました。

 

一生に一度のチャンス

スペイン語はこれから習得となるソングは、この会見では母国の公用語であるフランス語にてコメントをしています。まず最初の挨拶としたのは、バルサに入団した喜びでした。「バルセロナに来れて、バルサの選手になれて、ものすごく嬉しいよ。今日は僕や家族にとって、最高の一日だ。バルサが自分に興味を持っていると知ったとき、僕はアーセナルと契約交渉中だった。でも迷うことはなかった。即座にイエスと答えたよ。世界最高のクラブでプレーするチャンスは、一生に一度しかやってこないからね。バルサはカンペオンのクラブだから、これからたくさんのタイトルを獲れることを期待してる」

バルサへ実際に来た第一印象として、「すごく家族的なクラブだから、問題なく溶け込んでいけるだろう」というソング。そのスペシャルな手助けになるであろうセスク・ファブレガス(アーセナル時代の同僚)については、彼はこう言いました。「セスクは良い友人で、バルサのことをあれこれと教えてもらったんだ。でもそれは特に必要でもなかった。何故なら僕はバルサの選手たちをテレビで見て知ってるからね。周りには僕がここに適応するのは簡単だって言われてるし、これからそれを確かめていくよ。バルサとアーセナルのプレースタイルは似てるところも多いから、適応はそう難しくないと思う。新しい場所では、必ず適応が求められる。セスクがそれを助けてくれることだろう」

ここまででもソングがバルサというクラブを称えているのが判りますが、彼はさらにこう語っています。「スター選手揃いのチームに自分が来たことは分かってるんだ。僕にとってはこれは大きな挑戦だし、たくさん学ぶ必要があることも知っている。バルサは世界最高のチームさ」

謙虚でありつつも、野心も失うことはないアレックス・ソング。バルサでの目標を訊ねられ、セントロカンピスタは宣言しました。「バルサはこれまで全てを勝ち取ってきたチームだけれど、僕はこれからもそうあり続けていけると思うんだ。僕のやる気は溢れているし、チームが勝ち続けるよう貢献していきたい。継続性があれば、誰も僕らを止められないよ」

そして。「僕はブスケツからポジションを奪いにここへ来たわけじゃない。ピボーテでは彼がベスト。バルサの他の選手たちのようにね。アーセナルではセントラルとメディオセントロでプレーしていたから、監督が求めるポジションに適応していけるだろう」

 

「息子たちはメッシの大ファン」

その他の各種テーマについても、ソングはコメントしています。例えば、アーセナルのベンゲル師匠について。「ベンゲルとはなんの問題もないよ。実際、いまも僕は彼に感謝をしているんだ。でも僕はここへ来たかったし、その決断に満足している。ひとりの息子が家を出て行くときのように、話し合いの中では多少の食い違いはあるものさ」

木曜日にスーペルコパのライバルとなるマドリーについて。「彼らは偉大なチームだし、すごくリスペクトしているけれど、最高のフットボルをやっているのはバルサだ」

クラック・メッシについて。「ふたりの息子がメッシの大ファンなんだ。庭で遊ぶときは、ふたりでメッシになりきってる。僕がバルサに入団することになって、息子たちはかなり興奮しているところさ。メッシは世界一の選手。とてつもない才能を持っているし、一緒にプレーできるのはすごく嬉しいよ」

同朋の先輩サムエル・エトーについて。「サムエルはバルサですごくデッカイことをやってのけたし、自分も同じような役割を果たせればと思う。ナゼなら僕は、夢だったクラブにいるんだ」

カタルーニャ語の習得について。「新しい場所に到着したのなら、そういった努力はしなければならないと思う」。そして会見の最後はお約束として、「ビスカ・バルサ、ビスカ・カタルーニャ!」で締めたソングでした。

 

スビ「望んでいたチームができた」

一方、アレックス・ソングの入団会見に同席したアンドニ・スビサレッタはカメルーン人選手の入団について、こう評価をしています。「セイドゥ・ケイタの退団によって、私たちはセントラルでもプレー出来るセントロカンピスタを獲得しなければならなかった。その候補者リストの、先頭に名前があったのがアレクサンドレ・ソングなんだ。私たちが欲しかったのは、空中戦に強くて強力なフィジカルがあり、テクニックのある選手だった。監督の望む選手を獲れて、とても満足している。アーセナルとの交渉は効果的でスムーズだった。彼らには感謝をしているよ」

移籍マーケットはあと少し開いていますが、これ以上の新加入選手はないだろうとスポーツディレクターは言います。「望んでいた選手たちは獲得することが出来た。マーケットが閉まるまではなにが起こるかは分からないけれど、それは補足として言っているようなもの。放出に関しては、何人かの選手の動向を見なければならないだろう。選手が成長を続けていけるように、複数の代理人と話をしているところだ。もし動きがあれば、それはこちらから伝えるよ。補強については、希望としていたチームは作れている」

開幕戦で良いプレーを見せたテージョに関しては、スビはポジティブにこう語りました。「テージョの件については楽観的なんだ。ビラノバは彼を戦力だと考えているし、契約延長は近々終わらせられると期待している。ムニエサについても話をさせてもらうと、彼は現在負傷中でトップ契約にならないとはいえ、トップチーム選手としての扱いを受けていくだろう。それは彼が勝ち取ったものなんだ」

 

バッサ族の人たち

バルサ入団会見にてソングは家族の重要性を強調しているのですが、アフリカ人コミュニティの団結を象徴していたのが、今回パリの間を訪れていた20数名のカメルーン人たちでした。会見室の最前列一角が彼らで占められていたわけですから、それはけっこうな存在感でして。同じマークの付いたTシャツを着ていた彼ら、当然ソングの身内だろうと思うのですが(彼には27人の兄弟姉妹がいる)、実際はそうではありません。彼らはバルセロナで暮らすカメルーン人コミュニティの人たちで、アレックス・ソングと同じバッサ族の人々だそうです。

SPORT紙にはその代表さん(?)のコメントが紹介されています。「ソングは私たちの誇りですし、彼に付き添い、彼や彼の家族が必要とするあらゆるサポートを行っていくつもりです。これからはバルサの話題が増えていくことでしょう。カメルーンはこれまで以上にバルサファンになりますよ」。なんであれ、これからバルセロナ暮らしを始めるソングにとって、心強いサポーターたちであります。

 

Mo Money Mo Problems

最後に。こちらはかなりのドウデモ情報となりますが、バルサ入団会見において、アレックス・ソングが流すのを選択したというミュージックビデオを紹介しましょう。それはThe Notorius B.I.G. というアメリカ人ラッパー(1997年に24歳で暗殺され、アフリカ系の人々にとっては神ともいえる存在)の、”Life after death”というアルバムに収録されている、”Mo money mo problems”という曲だそうで。調べてみますと、かなりの波乱人生を送ったミュージシャンです。

なんでもこの曲名の意味するところは、”お金があるほど問題も多い”。今をときめくソングがナゼ入団プレゼンテーションでこの曲を選んだのか、(ワタクシこっち方面での知識はさっぱりなので語れることは何もないのですが)、彼に思うところはいろいろとありそうです。いずれどこかのインタビューで、誰かが尋ねてくれるかもしれません。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました