良いプレーによってゴールを決め、逆転を目指すと指揮官。
首都方面でのレモンターダの夢は終わりました。惜しいところまでは行ったけれども、あと一歩及ばずのチャンピオンズ敗退、そしてデシマのお預け。バルセロニスタとしましては清々しい朝なのですが、肝心なのは明日の朝もまた清々しさが継続していること、少なくとも”やりきった感”を感じていることになります。マドリーは最後の瞬間まで、ひょっとしたら!の希望を抱けた。結果が最終的にどうなるにせよ、バルサも最後まで勝ち抜けの可能性を残し、バイエルンを震えさせてもらいたいところです。そして歓喜の雄たけびを上げられれば最高。誇りを示せ、ティトバルサッ!
自分たちのスタイルで逆転を
4月30日(火)、ティト・ビラノバがバイエルン・ミュンヘン戦の前日会見へと臨んでいます。先週末のアスレチック戦に続いての、会見出席。そこでバルサ監督が示したのは、アリアンツ・アレナで傷つけてしまった自チームのイメージ回復への意気込みでした。「私たちが目の前にしている困難さは分かってるよ。けれども私たちはバルサなんだ。自分たちのスタジアムでの90分がまだ残されているのに、対決に敗れたと思うことは許されない。自分たちが本命ではないことを、選手たちはよく知っているよ。けれども、もし敗退となった時、私たちはうな垂れることなく大会を去らなければならない。私たちのファンが誇りを感じることが必要なんだ」
そのために求められるのは、バルサがバルサであることです。「私たちが本来の姿にあって、良いフットボルを行っていき、バイエルンを上回ることを期待してるよ。私たちはゴールを決めなければならないと考えるのではなく、勝つためには良いプレーが必要だと考えるべきなんだ。結果がどうであれ、ファンへの敬意のため、このチームが勝ち取ってきた敬意のため、4-0のスコアを手にしながらもまだ勝ったと思わないと語るライバルチームのために、私たちは戦わなければならない。もし敗れるとしても、最後まで諦めなかった1つのチームとして敗れなければならない」
「私たちが手にしている結果からして、失点をゼロにすることは非常に重要だ。同時に、私たちには得点も必要になるけれども、ゴールを求めることで冷静さを失ってはいけない。ロングボールやこぼれ球を狙うのは私たちのスタイルではないからね。ゴールはプレーによってモノにしなければならないんだ。早い時間帯でのゴールは必要とはいえ、ハーフタイムまでに2ゴールを決めようとの思いに取りつかれる必要もない。バイエルンも前半は1ゴールだったわけだからね」
ティトはまたミュンヘンでのイダに関しては、こんな見解を示しています。近年対戦した中で、バイエルンが最高の相手だったか?との質問への回答です。「私たちはこれまで、幾つもの素晴らしいチームと対戦してきたよ。とはいえたった1試合だけで、あるチームを評価することは出来ない。バイエルンはカサで最高のプレーをしたけれど、状況が彼らに味方した面もある。ミュンヘンでは私たちが負けていた。ただしこれほど大差が付くほどではなかったんだ。与えられるべきではないゴールも幾つか、与えられていたしね」
メッシを助けなければならない
今回の招集リストからは、マスチェラーノ、アビダル、ブスケツらが外れることになりました。会見はリスト発表前に行われているので、その時点ではまだ彼らの欠場は不明なのですが、ティトはヘフェシートとブシーについてこう語っています。まずはマスチェについて。「彼はここまで4週間戦列を離れているし、当初は5-6週間の離脱と診断された怪我なんだ。特に変化がなければ、明日彼が試合に出ることはないだろう」
そしてブスケツについてです。「彼もまた際どい状態で、(恥骨付近に)違和感を抱えている。彼が試合へと100%の状態で臨めるかどうか、次のトレーニングで評価していくよ」
もう一人、個別で名前が挙がったのはレオ・メッシでした。「私たちのチームにおける彼の重要性、とりわけゴールまででの重要性は分かっているよ。彼の状態が良いほどに、私たちが勝ち抜ける可能性は増えるだろう。けれども彼にプレッシャーを負わせるのではなく、私たちは彼を助けなければならない。お互いの力があって、両方が良くなるんだ。大一番での彼がなにか持っているのは確かだけれどね」
また、3バックを採用するかの質問に対しては、「試合の経過による」として否定も肯定もせず。失点の多さについては「怪我人が多かった」としつつも、「先日の終了間際の失点のように、そこが改善しなければならない点なのは事実」と認めている監督です。
ビラノバはそして、水曜日にカンプノウを埋めるクレたちのサポートの重要性を強調しました。「こういった対決で立ち上がるためには、彼らの力が必要なんだ。黙っているスタジアムと、圧力を掛けるスタジアムは同じではないからね。ライバルたちはそれを感じるもの。バイエルンやボルシアは(イダの試合で)最高の雰囲気を作り出していたし、私たちのファンもまたチームを助けてくれることを期待してるよ。そして私たちはファンが盛り上がりやすいように、自分たちの仕事をやっていく」
常識不要の夜
この前日会見でティト・ビラノバも認めているように、メッシの状態が良ければ良いほど、メッシ無双であるほど、バルサがバイエルンを打ち破る可能性は増えます。むしろメッシこそが希望だと言っていいでしょう。大エースがミラン戦のごとき活躍をしてくれれば、ユートピアが現実のものとなる、はずです。残念ながら彼以上に破壊力のある選手がいないんだから、レオの決定力をどうチームとして活用していくか。とはいえ、サン・マメスでの様な3人抜きをバイエルンが許してくれるはずもないので、レオの存在感を活かし、どう他の選手たちがネットを揺らしていくかが重要となります。ミュンヘンが全力でメッシを消そうとするのは間違いない。それをかわす戦術をテクニコが用意できているかどうかがカギです。
チームとしてメッシに良いプレーが出来るよう支えつつ、メッシも周囲を使う。真のティキタカが再登場するしか、バイエルンへの完封マニータが実現すると思えません。そして要塞カンプノウが彼らを飲み込んでしまうこと。「マジかよ… こいつはヤバイんじゃないの…?」とゲルマンたちを怯えさせられれば勝機も見えましょう。
選手代表として臨んだ前日会見で、ジェラール・ピケはこう言っています。「チームは100%、逆転は可能だと信じてる。僕らはそれを可能とするクオリティを備えたチームなんだ」、「逆転を信じるのが難しいスコアなのは僕だって知ってる。でもこの水曜日は、子供のように希望を持って、常識なんてなくしちゃうための日だよ。そういうメンタリティがあれば、きっと僕らはやれる」
ミラン戦の前日会見でもそうでしたが(”レモンターダを信じないソシオは、指定席を他の人に譲ってほしい”は名言)、ワカ旦那は好いメッセージを出すようになったものです。4-0だから逆転なんてアリエナイ、と常識的に諦めてしまうなんて勿体ない。夢のレベルだろうが可能性はゼロではないわけで、となればクレとして信じ応援するしかないでしょう。最終的な結果がどうなるにせよ、ファンが誇りに感じるプレーをしてくれると信じています。で、もし5-0とかになっちゃったら、もうきっとマトモな更新は不可能!^^
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