適応はばっちり上手くいっている、と若きクラック。
レオ・メッシの負傷に伴い、入団から半年経たずにしてチームの中心的役割を任されようとしているネイマール・ジュニア。それは彼の左サイドでの突破力、若々しくエネルギーに満ちた感じ、時折見せるブラジル人らしいマジックと決定的な仕事の数々がバルセロニスタの心を掴み、また信頼を手にしているという証しでもあります。バルセロナへと移ってからの姿勢も常にポジティブで、浮ついた感じがしないのも良い。真摯にフットボルに取り組み、もっと優れた選手になろうという意思がそこからは伝わってきます。あとはなんといっても、常に絶やさない笑顔。かつてのロニー同様に、周囲を明るくする雰囲気をもった選手です。
現時点での目標はタイトルを得ること
そんなネイマールのインタビュー記事が10日のLA VANGUARDIA紙に掲載されました。スポーツ紙ではない一般紙のインタビューに彼が答えるのはバルサ入団以来初めてのことらしく。取材はどうやらミラン戦後のシウター・エスポルティーバにて行われたようで、お疲れですか?と訊ねる記者さんに「少しね。プレーをした日は寝付くのに苦労するし、4時間ほどしか眠れない」とネイくんは語っています。
ネイマールのバルサ選手として最初の100日間でクレが驚かされたのは、彼がごく自然にあっという間にチームに溶け込んでいったことです。しかしその裏には、外部からは見えない難しさがあったのでしょうか。
「全員からすごく良くしてもらったから、居心地は良好だよ。よくは知らない国に僕が適応できるよう、みんなすごく手伝ってくれてるんだ。クラブや生活、国が変わり、新しいことだらけだから、適応は難しい。でもチームメイトのおかげでそれが楽になっているし、僕はバルセロナで幸せさ。適応はばっちり上手くいってると思う」
「僕はもっと良くなっていかなければならない。今は新しいチームやコンペティションに適応しながら、成長しているところだよ」というネイマールは、活躍のわりには得点が少ないことについてはこう言いました。「特に心配はしてない。僕はチームを助け、たくさん貢献することだけを気にしてるんだ。もし自分がゴールできるなら良いけれど、そうでなくても勝利に貢献するのが第一。ゴールを決めるのは大好きだけれどね」
「現時点での第一目標はリーガとチャンピオンズを制覇して、獲得した事のないタイトルを祝うことだよ。それが今フットボル選手としての僕に重要なことだ」
美しきバルセロナと、好きなこと
新たな生活の場となったバルセロナの街に、ネイマールもまた魅了されたようです。「バルセロナは大好きだよ。ステキな街だし、今の気候はブラジルによく似ているから、それも適応を助けてくれてる。僕が想像をしていたよりも、ずっときれいな街だね」
プライベートな時間の使い方で、好きなのは「友達と一緒に美味しいレストランに行ったり、家で過ごしたりすること。とても快適なんだ」というネイくん。好きな料理は「パエリャと、ピッカーニャ(ステーキ)やフェジョアーダ(豆と肉を煮込んだもの)といったブラジル料理」で、音楽は「フォーク、ゴスペル、ファンク、いろんなジャンルが好き。試合前はいつも音楽を聴いて集中している」とのことです。
タタさんは叱る時には叱る人
そして話題はマルティーノ監督へと移っていきます。メディア情報や選手たちのコメントによると、エル・タタさんは対話を好むミスターですが、ネイマールはピッチ上でどんなことを求められているのでしょうか。「監督は個人よりもグループ全体とよく話す人だよ。システムをどうする必要があるのか、彼は僕らに説明してる。ヨーロッパのフットボルはブラジルよりも少し戦術的だけれど、監督は僕に自分らしくあるよう、ピッチ上での自由を与えてくれてると感じてるんだ」
「マルティーノからはたくさんのことを学んでるし、バルサ初年度から彼がチームにたくさんのタイトルをもたらしてくれると期待してる。彼は落ち着いた話し方をする監督。チームを落ち着かせる必要がある時は、平穏を与えてくれる。でも叱るべき時は叱る人だよ」
クラブムンディアルでサントスがバルサに完敗した時、ネイはフットボルを教えられたと語っていました。今のバルサと当時を比べて、彼はどう感じているのでしょうか。「今の僕らは成長段階にあると思う。チームには今も、スゴイことの出来るすばらしい選手たちがいる。あの日僕がそう言ったのは、彼らが本当に最高のプレーをしたからなんだ。僕らに全くボールを触れさせずに、パスを25本つなぐんだからね」
「僕は今このチームでたくさんのことを学んでいるよ。ここの選手たちは小さな頃からこういうプレーをしてきているから、加入する選手はそれに適応する必要があるんだ」
今巷では、カウンターアタックに関する議論が盛んです。「どのチームも良い選手を擁していて、結果を求めているからね。じっくりと攻めるのか、それともカウンターによってよりダイレクトに行くのかは試合におけるその瞬間の状況次第だよ。僕はバルサがカウンター中心になってるとは思わない。試合の大部分は僕らが支配しているんだ。でも守備を学ぶのもまた重要だし、速攻から結果を得る力も僕らにはある。その意味でもまたチームは良くなっていってると僕は思うよ」
ピッチに居ることが幸せ
そして記者さんはネイマールに問います。あなたにとって、フットボルは何を意味するのでしょう?「僕にとっては、フットボルと神が人生の全てだね。フットボルは僕に大きな喜びを与えてくれるし、ピッチに立つと僕はすごく幸せを感じるんだ。それに僕は小さな頃からかなり信仰心が強くて、いつも神のことを考えてる」(マルケジーネちゃんのこともフォローしないと・・・!)
しかしながら、現役引退後にも監督業などでフットボルに関わっていくか?との質問には、「プロとしてのキャリアが終わったなら、僕はフットボルではなく、家族や子供たちに身を捧げるだろう」と回答したネイくんでありました。
また、勝つことを別にすれば、フットボルをすることの喜びをファンに伝えることがあなたの目標ですか、と訊ねられたクラックは、「そういう考えは好きだよ。僕はピッチにいる時とても幸せだし、それによって僕らはファンを幸せに出来ると思う」とコメント。バルサ初日の印象については、「あらゆるものを勝ち取った選手なのに、ここの選手は謙虚さを失っていない。ものすごく普通だと思った」とのことです。
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