負けないと思えば負ける、と警句を発するデフェンサ。
敵地でのマラガ戦に快勝した翌日の練習終了後、会見当番としてプレスルームに登場したのはジェラール・ピケでありました。シーズン序盤戦こそ怪我で苦しんだものの、11月あたまに復帰した後はハイレベルなパフォーマンスを取り戻し、連続してゲームに先発するなどしっかりと役目を果たしているワカ旦那。彼は現在のチームや自身の状態についての満足感を表しつつも、ミスターと同様に油断は大敵であるとの警告を忘れることはありませんでした。そしてモウを巡る批判についても、ピリッと物申しています。
「無敵だという感覚を抱いてはいけない」
この会見においてピケがまず語ったのは、バルサがリーガ戦線において圧倒的に優位な状況を築いていることによって発生している幸福感への戒めでした。「自分たちが無敵だという感覚を抱いてはいけない。そう思った瞬間、負ける可能性はより大きくなるからね。自分たちが優位だと思って試合に臨めば、激しくプレーできないし勝つ意欲もなくなってしまう。これまで勝利をもたらしてくれたのと同じプランニングと自信を持ちつづける必要があるんだ」
彼はまた、「僕たちにとって、昨シーズンが警告だった。今年はそれが活かされている」と言います。「先頭を行くのと、後を追いかけるのは違うんだ。昨シーズンは序盤でポイントを落とし、負う立場となって苦しんだ。前を行くことが、僕たちに多くをもたらしている」
2010/11シーズンにペップバルサが打ち立てたリーガ前半戦の獲得ポイント記録を塗り替え、その点においては歴代最高となったティトバルサ。ではこのチームはペップが指揮を執っていたころよりも優れているのか?との問いに関しては、ジェリはこんなふうにコメントをしています。「それは捉えどころのないことだよ。人にそれぞれ意見はあるだろうし。ただ僕たちは今すごいプレーをしていて、ここ数試合はかなり快適にプレーをしてるね。でも重要なのはタイトルであって、5月に3冠の可能性が残されていることだよ。ペップ時代の僕たちはそれをやれたし、ティトともそうなれるよう頑張っていくさ」
リーガ19試合を18勝1分で終えるという、驚異的な数字を残したバルセロナ。しかし「限界に達することは決してない」というのがセントラルの持論でありまして、チームが向上していくことはまだまだ可能だと彼は考えています。「トリプレッテのシーズン、史上最高のバルサだと言われていたけれど、その2年後、同じバルサがより改善され、ユナイテッド戦(ウェンブリー決勝)では最高の試合をしたと言われているんだ」。そして「僕たちは今また、良いレベルでプレーするようになっている」というピケです。
しかしリーガタイトルに関しては、マドリーに18ポイント差をつけただけでは決まらないとバルサの3番は言います。「いつも言っているように、数字的にアウトとなるまでは、彼らにタイトルの可能性がなくなったとは言えないよ。その偉大さと歴史からして、僕はマドリーがタイトルのライバルだと考える。不可能に思えるところから逆転をするような、そんなナニかを彼らは持ってるんだ」
褒め殺しという言葉もあるように、称賛の中にいると人はついつい力を緩めてしまいがちです。しかしペップ・グアルディオラが口を酸っぱくなるほど繰り返していたこともあり、現チームには称賛に対する抵抗力が備わっているようです。「僕たちは褒められることに慣れているし、どのようにしてそれに対処していくべきかを知っているんだ。称賛を受けることはプラスより、マイナスになることの方が多い。でも僕たちは前進していかなければならない」
マドリ系メディアに問題あり
そしてこの会見でピケは、とっても残念なゲーム内容によってパンプローナで引き分け、批判にさらされているモウリーニョに関しても意見を求められました。そこで彼がダメ出しをしたのは、批判をしているメディアでした。「僕が笑っちゃうのはメディアだよ。マドリーが勝っている時、メディアはモウリーニョの全てを許してきた。彼がカンプノウへ来てティトの目に指を入れた時、彼は何試合ベンチ入り禁止になっただろう?ゼロだ。でも今はカシージャスを外したり、記者仲間をひとり部屋に閉じ込めたことでメディアは彼を批判してる。僕はそれが正しいとは思わないよ。モウは前からずっとこうだった。問題は、メディアが勝っている時には彼の全てを許し、今はそうでないこと。メディアはそうあるべきではないと僕は思う。バルセロナのメディアもそうだよ」
ごもっとも。セントラルはまたこうも付け加えています。「僕たちが負けることなんてないように思われているけれど、負ける時は必ず訪れる。ジャーナリストが公平さを失った時、悪いことが起こっていくんだ」
最後にジェラール・ピケは、セルヒオ・ブスケツを称賛しました。「彼はセントラルをものすごく助けてくれるんだ。戦術的に、ブシは10点満点。彼は試合を読むのがとても巧みだし、僕たちを毎試合楽しませてくれる。昨日のルーレットのようにね」。各メディアにおいて、ジダン級と称えられているブスケツのルーレットであります。
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