今年の大きな目標となりそうな、2人のセントラル。
先週末、移籍マーケット上にて大きな動きが一つありました。チェルシーのブラジル代表セントラル、ダビド・ルイスが、えげつない金額(5,000万ユーロ)でパリ・サンジェルマンへと移籍。これによってバルサへの玉突き移籍となるか、と注目されるマルキーニョス(20)が日曜、LE PARISIEN紙にてバルサからの関心は「嬉しい」と述べたものですから、カンプノウ方面のメディアが“手応えあり!”として大きく取り上げたことも、ごく自然な流れといえます。ただし問題はいつものように、高額になりそうな移籍金。1年前に高額で取引された若手有望選手をお手頃価格で得るのは、まず無理めな話です。
バルサの関心は「嬉しい」
スペインの各メディアが報じるところによりますと、マルキーニョスは地元LE PARISIEN紙の記事の中で、バルサから関心を持たれていることについてこう語っています。「バルサに興味をもたれるのはそりゃ満足だし、嬉しいことだよ。だって彼らは世界のあらゆるタイトルを勝ち取ったクラブだからね。ただ、バルサに関して僕が言えるのはそれだけさ」
まあ無難なところです。そして自身の今後については、「僕にはPSGとの2018年までの契約がある。これからどうなるか僕には分からないよ。いずれにせよ、来年は僕にとってとても重要なシーズンになるから、代理人がクラブと自分の将来について話し合っていくよ」というブラジリアンは、ダビド・ルイス先輩の入団に関してはこう言います。
「まず第一に、ダビドは僕の友人だと言いたい。彼は人としても選手としてもグレートだよ。それに彼がPSGと契約したのは正しい決断だったと思う。ダビド・ルイスのような選手がやってくれば、出番を得るのはさらに難しくなると考えるもの。それは分かってるけど、僕は幸せだし、これからさらに働いていくよ」
全体としては、ほんの少しバルサへの扉を開いて隙間からウインクをしつつ、またそっと閉じて様子を見ている感じでしょうか。マルキーニョスの今季の公式戦全体での出場は32試合だったそうで、バルサでいうとマルク・バルトラが30試合(先発24)でしたから、ほぼ同等。若手としては悪くない数字ですが、野心の程度によっては、ダビド・ルイスの到来は彼に新天地を求めさせるかもしれません。バルトラと違い、マルキーニョスはPSG育ちではないですし、バルサのレギュラー候補とPSGの控え候補なら、どっちが好いかといえばきっとあちらでしょうし。
ただ、PSGは去年マルキーニョス獲得に3,500万ユーロを支払っています。一説によればオペレーションには4,000万ユーロが必要とも言われ(by Globo)、若くて未来あるセントラルといえど高すぎる額。バルサが受け入れられる金額ではありません。
トップ交渉開始?
26日のMUNDO DEPORTIVO紙によると、バルサとPSGは「ハイレベルな交渉を開始している」(by PSG筋)のだそうです。つまりは両クラブの会長さんたちが直接、マルキーニョスの移籍をめぐって会話を始めているらしく。ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長は副会長時代からPSGのNasser Al-Khalifa会長と良好な関係にあり、話し合いにはスムーズに入っていけたようなのですが、交渉もまたスムーズに進むかといえば、それはまた別の話です。バルサがセントラルを欲しがっているのは誰もが知るところで、足元を見られる立場としては厳しいところがあります。
マルキーニョスの代理人ジュリアーノ・ベルトルッチ氏はダビド・ルイスの代理人も兼ねていて、今週にもパリへと飛んでくる予定とのこと。ここにバルサからの密使も合流し、話し合いを進めていく可能性も大きそうです。PSGがUEFAから食らった処分(ファイナンシャルフェアプレー違反への罰)がマルキーニョス移籍を後押しするかも、との話もありますが、どうなりますでしょうか。ダニ・アルベスもまた絡んでくる?
ローマのベナティアはビッグクラブ移籍を夢見る
実際のプレーはよく知らないのですが^^;、メディア情報によればスピードがあって空中戦に強く、テクニックにも優れていてパスが上手だというローマのメディ・ベナティア(27)もまた、ルイス・エンリケが好むセントラルだとされています。
ローマは昨年夏、PSGへとマルキーニョスを売った資金の一部を使い、1,500万ユーロでベナティアをウディネーゼから獲得。契約はこちらも2018年までたっぷり残っており、ローマが要求する額は2,500万ユーロは下らないだろうと見られます。マルキーニョスと彼の違いは、年齢(20歳と27歳)。今が最盛期のベナティアにとってはバルサ(あるいは他のグランデ)行きの切符はそうは巡ってきませんし、機と見れば積極的に内から働きかけてくれそうです(実際、ビッグクラブからのオファーは考慮するとKoora.comで発言)。仏L’EQUIPE紙によると、ダビド・ルイスの後釜としてチェルシーがベナティアに関心を持っているとかどうとかです。
最も“完成された”セントラルはドルトムントの2人
ちなみに、26日付のSPORT紙に面白い記事がありました。それはLucas Resendeさん(@lucasammr)のツイートを頂戴したものらしいのですが、バルサのウワサになっているセントラルたちをずらりと7人挙げ(ラポルテ、ベナティア、マルキーニョス、マチュー、スボティッチ、フンメルス、ダビド・シルバ)、彼らの各特性をポイント化。それによってバルサに最も相応しいセントラルを導き出してみよう、というものです。
具体的には、■パス成功率 ■空中戦勝利数 ■タックル数 ■インターセプト数 ■ファール数 ■ボール奪取数 ■ドリブル数 ■シュートブロック数 ■ボールロスト数 ■パスアベレージ ■ロングパス数といったところを比較し、各要素のトップ選手に10ポイントを授与、2位からは1ポイントずつ減っていきます。そして合計得点でバルサへの適応力を比較した結果、ボルシア・ドルトムントのスボティッチが1位(80pts)、同じくドルトムントのフンメルスが2位(76pts)となった次第です。スボティッチが評価されたのはインターセプト能力と、ボールロスト回数の少なさ、そしてロングパス。フンメルスはドリブルとシュートブロックが最低点だった一方、空中戦の強さが最高点、1試合のパス成功率で高得点でした。
以下、3位ベナティア(73pts)、4位マチュー(72pts)、5位マルキーニョス(70pts)、6位ラポルテ(62pts)、7位ダビド・ルイス(50pts)の順。ダビド・ルイスはぶっちぎりの最下位ですね^^; ちなみにバルサの現セントラルたちもここに加わっていて、ピケが堂々の80ptsを獲得、マスチェラーノが77pts、バルトラが71ptsです。あくまで、Lucas Resendeさんの分析ではありますが!
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