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テル・ステーゲン「大きな挑戦」

自分の長所でバルサに貢献したいと新守護神。

FCバルセロナの2014年夏の新加入選手第1号であるドイツ人ポルテーロ、マルクアンドレ・テル・ステーゲンの入団プレゼンテーションが22日(木)、カンプノウとその隣りのAuditori 1899にて行われました。ポルテーロは同日正午過ぎ、デュッセルドルフ発の飛行機でプラット空港へと到着。家族と恋人のダニエラさん、代理人氏と共にバルセロナを訪れたステーゲンはその足でカンプノウへと向かい、パルコ内会長エリアにて契約書へのサインをしています。後のジョルディ・メストレ副会長の説明によれば、契約期間は5年間、契約解除金は8,000万ユーロ、移籍金は1,200万ユーロとのことです。

クラブ会長がジョゼップ・マリア・バルトメウに代わって、これまで恒例だった入団行事がいくつか変更になっています。まず、クラブオフィス玄関の巨大エスクード前での記念撮影がなくなりました。これは正直、なんとなく寂しい。契約書へのサインも会長室ではなくパルコ内のサロン?になり、写真撮影はその横辺りにあるつい立の前です。入団プレゼンテーションの場所も、スタジアム内の部屋から隣に新しく出来たイベント建物Auditori 1899へ移りました。バルサTOONSもどうやら消え、手書きのイラストがプレゼンテーションでは披露されています。

スビ「2年前からテル・ステーゲン一本」

Auditori 1899での入団プレゼンテーションでは、まずはジョルディ・メストレ副会長が挨拶。続いてアンドニ・スビサレッタ(スポーツディレクター)が、マルクアンドレ・テル・ステーゲンを獲得した理由を説明しています。「彼は速くて敏捷性があり、決断し、空中戦と1対1に強く、プレッシングのためにラインを上げたデフェンサたちと上手く連係できるポルテーロだ。彼には大きな伸び代があるし、足を使ってのプレーも非常に上手い。パーソナリティがあり、芯もあり、若く、けれども経験豊富だ」

「彼の忠誠にも感謝をしたい。私たちが合意に達してから、FIFAの件のようにいろんな事柄が発生した。それでも彼は常に私たちの側にいてくれたよ」

ビクトル・バルデスの後任としては様々なことが言われてきたこの数ヶ月でしたが、バルサはテル・ステーゲン一筋だったとスビは言います。「彼を最初に見たのは2010/11シーズンだった。ポルテーロを担当していたリカルド・セガーラがブンデスリーガを見ていて、若いテル・ステーゲンを発見した。そしてウンスエへとビデオを送ったんだ。彼を見たい私たちに、ボルシアはチケットをくれなかったよ。それから何度も、私たちは彼をチェックした」

私たちが選んだポルテーロの名前はテル・ステーゲン。クルトワではない。それは今も、2年前もそうだよ。2人を比較したことはなかった。クルトワは最高にすばらしいポルテーロだけれど、私たちはテル・ステーゲンを望んだ。そして彼は今こうしてここにいるんだ」

そしてテル・ステーゲンには最初に「彼には自分らしく自分のプレーをするように言った」というディレクターは、彼の若さ(22歳)に対する不安に対しこう述べています。「ポルテーロが成熟する要素は幾つもある。彼は毅然とした人間で、若いけれども一人前の男だよ。バルサのゴールを守るために必要なものを全て備えている

バルサ以外に考えなかった

さてこの日の主役であるマルクアンドレ・テル・ステーゲンですが、彼はまず最初の挨拶を、習っていると伝えられていたスペイン語にて行っています。「ボクはスペイン語もカタルーニャ語も上手く話せないケド、スペイン語を話すコトはボクにとって大事なコトナノデ、コレカラ頑張ってイクヨ。温かい歓迎アリガトウ。コノ場にいれてスゴク嬉しいし、バルサでの成功ヲ期待シテマス。ビスカ・バルサ」(実際はそんなにたどたどしくはなかった^^;)

テル・ステーゲンだけを見ていた、と語ったスビと同じく、ポルテーロもまたバルサだけを思っていたと断言しました。「バルサは最初から僕を信頼してくれたし、バルサのようなファンタスティックなクラブからの信頼をとても嬉しく思う。僕の中で、バルサ以外の選択肢はなかったんだ。他からのオファーも届いてはいたけれど、バルサには偉大な伝統があるし環境も驚くほどだ。だから僕はバルサのことだけを考えていたよ」

「バルサから関心を持たれていると知った時は、めちゃくちゃ嬉しかった。ボルシアはいつまでも僕のクラブだし、僕らは良い3年間を過ごしたけれど、バルサ移籍は大きな前進。このオファーは毎日届く類のものじゃないし、バルサは世界で最も偉大なクラブの1つで、大きな成功を収めてきたクラブだからね。僕にとってこれは個人的な挑戦だよ。残念ながら今年はタイトルに恵まれなかったけれど、将来は違うと思う。僕は夢を一つ叶えたんだ」

マルクアンドレの話し方を見た印象は、とても落ち着いている若者だなというもの。マイクの調子が悪いのか、声量は小さめでしたが、言葉を選びながら冷静沈着に質問に答えていました。その分、発言は大体どれも無難なものだったのですが。その他、質問への返答は次のような感じとなっています。

自分のプレースタイル

■ビクトル・バルデスについて
「それは答えるのが簡単じゃない質問だね。彼は並外れたポルテーロで、このクラブで多くのことを成してきた。でも僕は僕であって、自分の仕事が何であるかを知っている。バルサが僕を選んでくれたことは、僕をものすごく誇らしい気持ちにさせるし、僕は自分の仕事に専念していれば十分だろう。ビクトルには良い別れ方が相応しかったと思うよ」

■クルトワについて
「彼が最高のシーズンを送ったことは知っているけど、僕には僕のスタイルがあるし、自分がバルサのタイトル獲得に貢献できるだけの資質があると信じているんだ

■目標だったポルテーロ
「小さな頃のアイドルで目標だったのはオリバー・カーンだよ。若い頃に彼のようなポルテーロにインスパイアされるのは大事なことさ。ボルシアでプロデビューしてからは、自分のスタイルを伸ばしているところだよ」

■バルサの守護神になるということ
バルサのゴールを守るのは、人生に存在する最高の出来事の1つ。自分の成果が良いものとなるよう、全力を尽くしていくよ。偉大な選手たちとプレーできることをとても嬉しく思う。早くここに適応したいし、可能なかぎりたくさんのメジャータイトルを勝ち取りたいね。僕にとって好いカサになると思う」

「レギュラー争いに問題はないよ。僕はすでにプレッシャーの下でプレーをしてきた。自分がバルサに行くであろうことを知りながら、退団前に自分のクラブで良い結果を維持したかったからね。そして僕はそれを達成した」

■バルサの独自スタイル
「バルサはファンタスティックなプレー文化を発展させてきた。バルサのプレーを見るのは楽しいし、僕はここで自分の能力を役立てたい、ゴールを守ることで貢献したいって思うんだ

■背番号
「何番でも好いよし、クラブが決めるだろう。大事なのは背番号じゃなく、良い成果を残して、選手として進歩を続けていくことだからね」

■ムンディアルのメンバーに選ばれず
「それによってクラブや街に適応するための時間をより多く持てるさ。バルセロナは生活するのに良い街だと思う」

より攻撃的なポルテーロとなりたい

そしてテル・ステーゲンはその後、Esport3の番組Esport Clubにも出演。状況にも少し慣れたようで、こちらのコメントのほうが伸び伸びしている感じがします。彼がこれからしばらくはお付き合いするであろうビクトル・バルデスに関する質問に、マルクアンドレはこう言いました。「バルデスの最良を願うよ。ただ僕はここに自分の仕事をするために来たのだから、彼を気にするのではなく、自分のことに集中して、チームの信頼を勝ち取らないといけない。僕はバルデスとは大きく違うよ。自分の長所と才能でバルサに貢献したいと思う」

最終ラインが高くなるバルサシステムへの適応については。「ボルシアとはかなり違っているから、大きな挑戦になるだろうね。ボルシアではエリア内にポジションを取っていたけど、ここではそれが根本的に違う。もっと攻撃的にプレーすることになるけど、上手くやれると思うよ

ボルシアではゾーンで守っていたというテル・ステーゲン。ルイス・エンリケはどんな方法を選ぶのかも気になるところです。「現時点で戦術について話すのは難しいよ。まずはバルサと監督の哲学を知る必要がある。自分がもっと攻撃的なポルテーロになることを楽しみにしてるんだ。上手くやれると期待してる」

プレゼンテーションで初めて訪れたカンプノウの巨大さに、新守護神も驚いたようです。「ドイツのスタジアムとは寸法が違ってるね。あそこが満員になったらどんなんだろうって、ちょっとビビりながらも想像してるんだ」。あのビクトルをして消耗したと言わしめたカンプノウでのプレーですから、テル・ステーゲンも一筋縄ではいかないでしょう。クレは彼を忍耐を持って見守らなければなりません。マルクアンドレは言います。「このすごいチームでプレーできることを嬉しく思う。すぐに適応していけると信じてるよ」。これから末永くよろしく、若きポルテーロさん!

 

コメント

  1. れおん より:

    ステーゲンの活躍が楽しみです!

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