マルティーノ監督が希望する9番に最適。
10月最終日、カタルーニャのSPORT、MUNDO DEPORTIVO(MD)両紙が“要チェック!”として大きく取り上げたのが、ボルシア・ドルトムントのポーランド人デランテロ、ロベルト・レバンドウスキ(25)です。来年の6月で現チームとの契約が満了し、自由移籍が可能となる彼。この夏にはバイエルン入りがウワサされましたが、マンジュキッチが成果を残していることからオペは凍結、ペップ・グアルディオラももうレバ獲得への興味を失っているみたいです。よって欧州のグランデたちは彼の動向に熱視線。スビサレッタもその一人のようです。
ペップはレバ獲得に興味なし?
契約が後一年しか残されていないのに、チャンピオンズ・マドリー戦で一躍スターとなり市場価値をぐんと上げたレバンドウスキへのオファーをドルトムントが一切聞こうとしなかったのは、夏のミステリーの一つでありました。彼らにはなんらかの企みがあったのでしょうが、レバンドウスキは契約延長を望んではおらず、このままならドルトムントは大きなユーロを得る機会を失うことになります。
SPORT紙によりますと、レバンドウスキがバイエルンと仮契約を結んでいる、というのはドイツでは公然の秘密のようです。しかしこれはUEFA(FIFA?)によって認められていない違法行為ゆえ、どちらかが不履行にしても訴えは起こせない。バイエルンが先行したというレバ獲得にペップは興味がないとなれば、同選手の周囲はいっきに賑やかになります。バルセロナほか、レバンドウスキに関心のあるクラブは幾つもありましょうから、代理人の電話は鳴り止みますまい。
タタが望むイグアインタイプの9番
プランBのための9番獲得はすでにウワサの定番となっているバルサですから、重要なのはヘラルド・マルティーノ監督の考えです。各メディア情報では、エル・タタが現チームに求めているのはエリアの中央で仕事のできるデランテロ。バルセロナにはメッシ、ネイマール、アレクシス、ペドロ、テージョと優秀なアタッカンテがいますが、“エリア内のキラー”というようなタイプはいません。監督はポゼッション以外にも幾つかの攻撃バリエーションを考えており(それはセルタ戦などでも証明されている)、行き来の激しい試合で活きてくるデランテロを欲しがっている(らしい)。あるいはアルゼンチン代表のようなメッシをメディアプンタに据えた新システムを考案中かも、という読み(SPORT)もあります。
SPORT紙はセルタ戦の前日会見でのマルティーノ監督のコメントを紹介し、9番獲得の現実味を強調します。その日のタタさん曰く、「私はレオに、右サイドでプレーするオプションについて訊ねたよ。彼が異なったポジションでプレーするのは良い案に思えた。マドリー相手には外からの方が守備を崩せるだろうと考えたんだ。えれども私たちにはデランテロ・セントロも必要だろう。アルゼンチンでのイグアインのようなね」
ペップが発明したメッシの偽9番も今では研究がし尽くされ、多くのチームが彼を消すための策を施してバルサ戦へと臨みます。ならばこちらはそれに対抗する策を練り、選択肢を持っていなければならない。これはこの数年の重要なテーマです。クラシコでレオを右サイドに配置したのもその一つですし、さらには前述のメディアプンタ案なども大いにあり得そう。スピード、パワー、技術を兼ね備えたレバンドウスキはバルサにハマるはずとの見かたは強く、MD紙のウェブアンケートでは8割以上が「欲しい!」「フィットする!」と回答しています。
選手、バイエルン、ドルトムントの思惑
ということで9番候補としてリストの先頭に名前が記されているというレバンドウスキ獲得ですが、まだ具体的な動きが起こっているわけではなく、スビサレッタが選手側の意志やバイエルン(ペップ)の考えなど必要な情報をせっせと集めているところだとか。もしウワサと違って両者が相思相愛関係にあるなら、こちらがどう頑張ろうと努力の浪費で終わってしまいますゆえ。
一方でドルトムントですが、MD紙の伝えるところでは、移籍金を得られるラストチャンスである冬のマーケットでの放出を希望しているらしく。しかし、レバンドウスキとしては自由移籍になった方が移籍金にかかるはずだった費用を給料に上乗せしてくれと要求できますので、冬の移籍を望むとは考えにくい。1月の入団だと今季はもうチャンピオンズで出場できませんし、選手にも獲るクラブにもメリットは少ないです。いずれにせよ、これが実現するのが相当難しいオペレーションなのは間違いない。さてどうなりますでしょうか・・・。
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