監督との話し合いで残ると決意。
2013/14シーズンの公式戦が終了したあたりから、バルサ退団が有力視されてきたチャビ・エルナンデス。その移籍先は、当初はカタール方面、続いてはアメリカ合衆国へと変化をしたものの、どちらにせよバルセロナ残留はないと考えられていたわけです。それがここへきて、一転残留へと動くのだから、フットボルは分からない。カピタンは明日、他のスペイン代表選手たちとともにルーチョの下でプレシーズンを開始し、そのままシーズン開幕へと入っていく模様です。それが半年か1年かは不明ですが、ファンはあとしばらく、バルサのチャビを見ていられることになります。
24日からプレシーズンに合流
夏のムンディアルに参加し、グループステージで敗退となった選手たち(スペイン、クロアチア、カメルーン)は24日(木)から、バルサのプレシーズンに合流します。よってメディアでは昨日22日にチャビとクラブは契約(~2016)の解除でサインをし、この週末にはカルラス・プジョルのような退団イベントが催されるだろう、と伝えていました。
しかし、その寂しいニュースを覚悟していたクレの元に届いたのは、可能性はないと言われていた残留を決断、の知らせ。“とりあえず今のところは”との前置きが付くのですが、嬉しいニュースであることに間違いはありません。チャビ・エルナンデスは明日24日にピケやブスケツらとともにシウター・エスポルティーバへと出勤し、トレーニングウェアに着替え、メディカルチェックなりを行っていきます。そしてそのまま、公式シーズンへ入っていくと思われます。
重要な意味を持ったエンリケの言葉
SPORT紙の言うところでは、チャビがまさかの翻意をするにあたって決定的な意味を持ったのはルイス・エンリケとの会話でした。ルーチョはカピタンと差し向かい、2014/15シーズンに彼にどんな役割を果たしてもらおうと考えているのか、それがチームにとって非常に重要であることを説明。その話を聞いているうちにチャビの目はキラキラと輝きだし、よし!オレはまだこのバルサでやれることが残されている!それならあと少しやったるか!任せろルーチョ!、、ということになったようです(想像込み^^)。
ルイス・エンリケがどのようにしてチャビを説得したのかは、当事者たちに聞いてみるしかないのですが、ひとつ考えられるのは“戦術バリエーションの増加”です。チャビといえばポゼッションの権化であり、いわゆるバルサスタイルの象徴。ピッチ上の指揮官である彼を通じ、ゲームは作られていきます。当初はコケであったりクロースであったり、チャビ的な選手の獲得を目指していた(と言われた)バルセロナでしたが、結局はそういったセントロカンピスタは加入せず、チャビが不在となればポゼッションスタイルの維持は難しくなる。彼がいれば、ルーチョは1つの戦術パターンを持てます。
試合状況や相手チームによって、チャビかラキティッチかを選択し、後者の場合はより縦方向を指向するフットボルを展開する。あるいはラキティッチをブスケツ(マスチェラーノ)と組ませ、ドブレピボーテへと移行することも可能。ラフィーニャやハリロビッチがいれば、彼らを偽9番のようにも使える。先週のレクレアティボ戦でセルジ・ロベルトをピボーテで試したのも、今後の起用方法の参考になりましょう。
複数案の併用となればチャビの出番は減りますし、それが“チーム内での重要性の減少”と彼が捉えても不思議ではないです。自分がいることで“新生バルサ”への移行を妨げるとチャビが考えたとも推測できます。しかしそれらを吹き飛ばしたなら、エンリケ兄貴の言葉が熱かったということ。納得して出場時間を共有し、トレーニングで良い準備をすれば、彼のフォームもここ2年程より上がるんじゃないでしょうか。
(こういうことなら、早いうちにルーチョと話し合っていれば、バケーションもすっきりしてもっと楽しめたでしょうに!)
将来については急がず考えていく
いずれにせよ、チャビの去就に関しては詳しいことはほとんど分かっておらず、残留するにしてもそれが半年なのか、1年なのかも今は不明です。入団を決めていたというニューヨーク・シティが所属するMLSは開幕が3月なので、それまでバルサでプレーするという説もあれば、フランク・ランパーやダビド・ビジャが加入するニューヨーク・シティはチャビの獲得が難しいので、ユースチームの監督業も提案しているらしいカタールのクラブが再び有力候補になっているとの見解(SPORT)もあります。でもフェラン・ソリアーノがチャビを強く誘っているなら、やはりニューヨークでしょうか。
なので、再び話に急展開がないともいえないのですが、チャビが土壇場で不実な振る舞いをするとも考えにくく、バルサに残ると決めたのであれば、そのとおりに残るはず。移籍については、じっくりと判断していけばいいのです。近いうちにチャビ本人による説明があると思うので、ひとまずはそちら待ちですな。
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