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新テクノロジーで怪我予防

GPS端末で選手たちの身体状態をチェック。

監督やフィジカルトレーナーたちが選手の身体状況を把握するうえで、情報は多ければ多いほど良い。ピッチ上での疲労度が客観的なデータから分かれば、選手の怪我を予防する大きな助けとなりましょう。かつては無理だったことがテクノロジーの進化とともに可能となっていて、トップクラブであるFCバルセロナもそういった先端の機器をもちろん導入しています。そのうちの1つが、選手たちの走行距離や心拍数などをリアルタイムで送信してくれる装置 VIPER PODです。北アイルランドのStatsSports社が開発したこの装置を選手たちは毎日のトレーニングや練習試合で着用し、テクニコたちに膨大な情報を提供しています。

高速GPS搭載のワイヤレス送信機

この夏以降バルサの写真を見ていて、なにやら風変わりな黒くて丈の短いタンクトップを着ている選手がいるな、と思われた方もいるんじゃないでしょうか。それは個人の嗜好ではなく^^、バルサ選手たちは皆日々のトレーニングの際にその黒ベストを着用してます。ベストは肩甲骨の間辺りにポケットがついていて、中には一昔前の携帯電話のような機器が入っている。これがVIPER PODさんで、高さ86mm×幅33mm、重さ50g。10Hz GPS、100Hz ジャイロスコープ、100Hz 加速計、10Hz 磁気感知器などを装備し、各種データを収集する優れものです。ベストには心拍計が付いており、そこから選手の心拍数をVIPER PODに送信するそうです(StatsSport社のウェブページ)。

ちなみに1回の充電で5時間半ほど使用可能。選手たちには各自の背番号が付いたVIPER PODが割り当てられていて、毎日のトレーニングにおける各データを蓄積することで、疲労度や運動量などの分析に役立てられます。トレーニングでの走行距離、行ったスプリント回数、スプリント時の最高速度、特定のメニュー時の平均速度、脈拍数などが分かるらしく、テクニコたちはセッション終了後、誰がどれだけ走ってその時の最大動悸の時間は幾ら、などのデータを確認できます。

(※このVIPER PODは欧州の数多くのクラブがすでに導入していて、プレミアでは上位クラブは軒並み採用。リーガではバルサのほかにアスレティック・ビルバオの名前が顧客リストにありました。また記事は9月8日のSPORT紙、9月20日のMD紙を参考にしています)

疲労度や怪我のサインが見えてくる

それらのデータは、見方次第で様々なことが浮かび上がってくるそうです。たとえばトレーニング中のスプリント回数や速度が減っているのは意識的に調整してのものなのか、それとも体力が落ちたことが理由なのかが分かる。最大心拍数の85%の時間が一定以上続けば“レッドゾーン”で、この選手はバテているぞ、、、と分かるなど、数日間のデータを比較することでフィジカル状態の上下が把握できるわけです。

そして過去の負傷歴や毎日の疲労度をチェックしながら、トレーニングのメニューを調整することが可能となる。また、センサーによって右足と左足の頻度なども分かるらしく、普段よりも片方の足の比重が増えていれば、それは無意識のうちにある動きを避けようとしているサインだとか。たしかに私たちでもジョギングなどの際、どこかを庇って別の場所が痛くなることがあります。テクニコはそういうサインを先んじて知ることで、近々起こりえる怪我を予防できる(少なくとも対策は取れる)んだそうです。

試合中の選手交代を見ていても、ルイス・エンリケは怪我のリスクを避けるために、割りと早めに痛んだ選手をベンチに下げている感じがします。怪我明けの選手の復帰にも慎重だと感じますし、シーズンを通して負傷者が減ることに期待です。フルに出場し続けているレオ・メッシは、、それだけ上々なデータが出ているんでしょう、きっと^^

罰金システム

ルイス・エンリケによるチームコントロール、というつながりでは、9月24日のMUNDO DEPORTIVO紙にこんなのもありました。それはルーチョがとにかく時間厳守のルールを徹底させているという記事です。ラテン系の人たちは時間におおらかだと言いますが、かつてのペップ・グアルディオラと同じく、エンリケもまたわずかなる遅刻も許しません。

集合時刻に遅れた選手が監督のオフィスで説教を食らったり、バケツを持って廊下に立たされるわけではありません。遅刻した者は財布を取り出し、罰金箱のおなかを膨れさせていくシステム。1回目の遅刻は200ユーロですが、2回目は400ユーロ、3回目は800ユーロと、倍々に増額されていく罰金設定となっているそうです。

さらに試合当日だと特別ルールが採用されて初回から400ユーロとなり、2回目で800ユーロ、3回目で1600ユーロとなるらしく。十数回遅刻すれば、そこそこの家が建ちますな。

ステージでの警告

しかしルーチョの到来で気を引き締めているチームには、そんな遅刻の常習者はいません。この9月末までに時間に遅れたケースはわずか1回のみ。しかも1分間の遅れだったそうです。

それは8月2日、セントジョージス・パークでの“ステージ”最終日でした。この日、バルサ一行は英国を離れて親善試合のあるニースへと向かうために、朝7時20分に集合がかかっていました。しかし、ある若いカンテラーノと某新入団選手が集合場所に付いた時、ルイス・エンリケが口元に笑みを浮かべ、「7時21分。キミらは1分遅刻で罰金やな」と通告。ざわざわざわ!このミスターはマヂで時間厳守!とのメッセージが浸透したのでした^^

実際には警告だけで済み、罰金は徴収されなかったみたいなのですが、効果はてきめん。ルイス・エンリケも1回たりとも遅れることなくきっちり通勤してくる選手たちの姿勢に大満足でにこにこ、というお話です。

 

コメント

  1. […] セロナもそういった先端の機器をもちろん導入しています。そのうちの1つが、選手…[続きを読む] スポンサードサーチ 2015-05-08 window.___gcfg = {lang: 'en-US'}; (function(w, d, s) { function […]

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