激しい口調での論争が起こった様子。
26日(月)に行われたクラブの理事会において、幾つかのことが決まっています。まずひとつは夏に実施しているツアーの行き先が北米大陸になったこと。訪問する都市や日程などはまだ決まっていませんが、バルサとしては2011年以来となるメキシコ&アメリカ合衆国行きは公式ウェブサイトでも発表されています。そしてもうひとつはジョルディ・ロウラの担当がバルサBとフベニールAにまで拡大され、フットボルバッセ全体を統括するディレクターに指名されたこと。しかしながら現地メディアがより大きく報じているのは、この理事会での論争がかなり熱くなったらしいことです。
報告書を巡って紛糾、メストラ副会長が辞意
SPORT紙が伝えるところによると、会議が炎上した理由はFIFA処分に関する報告書にあります。この日の会議には、どうやらいつもは出席しないらしいフットボルディレクターのラウール・サンジェイが出席していました。FIFA問題に関して、ゼネラルディレクターだったアントニ・ロシク(少し前に解任)が作成した報告書を提出するのがその目的。この報告書の提出に至るまでにもひと悶着があったようで(出し渋っていた?)、大部分の理事の要求にしたがってサンジェイが昨日やってきたのです。
しかしサンジェイによる説明は、何人かの理事たちを納得させるには不十分でした。特に苛立っていたらしいのが、バルトメウ会長に対してはなにかと不満があると伝えられる元スポークスマンのトニ・フレイシャで、彼は散々待たせておいてこれですか、と不快感を表明。加えてバルサが2015年夏の選手補強が出来なくなった責任者が、責任を取ることを求めました。
これに対してジョゼップ・マリア・バルトメウ会長は、「責任者はすでにクラブにはいない」と応答。これはすなわち、前会長のサンドロ・ロセイであり、前GMのアントニ・ロシクであり、フットボルバッセの総責任者ギジェルモ・アモールとアルベルト・プッチを差すのですが(会長はここでアンドニ・スビサレッタの名は挙げなかったとのこと)、フレイシャがそれで納得するはずもありません。彼はその後も報告書が不十分であり責任者を追い出すべきだとの主張を繰り返し、スポーツ部門担当副会長のジョルディ・メストラが、“では私が”と名乗り出たのでした。
自分が辞任することで事が収拾するのなら、と進退を会長に預けたメストラ。彼が副会長になったのは、バルトメウがロセイ辞任に伴って会長に就任した1年前からで、FIFAが未成年選手の登録違反で調査を開始した時はカンテラの責任者だったようです。しかしバルトメウはこの辞意を受理せず、ピリピリした会議がその後も続いていった、、、という話です。分裂理事会。シーズン終盤に向け、へんな騒ぎにならないといいですが、選挙実施がすでに明言されているので大丈夫ですかね。
ユニフォームデザインを巡っても対立
この怒号が渦巻いたという理事会で、最も激しくぶつかり合っていたらしいのがバルトメウ会長とトニ・フレイシャでした。この元スポークスマン氏、来シーズンのものとあちらこちらで報じられている横縞のユニフォームに反対の立場をとっている人ということでして、この会議でも、デザインを承認する際に自分たちは全く伝えられていなかった、このテーマは常に理事による投票を経て決めていたとバルトメウを非難(実際、ごく少数の話し合いだけでデザインは承認された模様)。
さらには会長選挙の実施に関しても、事前の相談がなかった、いやあった、それはあんたの身内3-4人だけの話だ、決めるのは私だ、という具合だったようです。SPORT紙によると、ちょっと言い合いで熱くなっただけで別状ないとクラブ筋は説明してます。
ジョルディ・ロウラがカンテラ総括ディレクターに
まあそんなオジサンたちの非難合戦より、重要なのはフットボルバッセ(下部組織)の混乱です。アンドニ・スビサレッタと彼のスタッフたち(アルベルト・バレンティン、ナルシス・ジュリア)がクラブを去ったことによって、バルサBとフベニールAの強化を担当する立場の人間が不在に。今季は元々調子の上がっていなかった両チームですが、それに付随するかのようにここ数週間は黒星が連続し、成功を収めた昨シーズンがウソのような危機的状況となっています。
その状況を落ち着かせるため、昨日の理事会ではジョルディ・ロウラがベンハミンからバルサBまでの全ての下部カテゴリを統括するディレクターへ“昇格”することを決定しました。これまではトップチームからフベニールAまでをスポーツディレクターが担当し、フベニールB以下のカテゴリーをカンテラのディレクターが見るという分担でしたが、以後カンテラーノは全てロウラが担当するようになります。
エウセビオ解任近づく?
FIFAの処分によって出場機会を失っている子供たち、去就が定かではない選手たちの今後など、ジョルディ・ロウラが解決していくべき問題は山積みなのですが、そのなかでも特に重要なテーマがバルサB監督エウセビオ・サクリスタンをどうするかです。
昨年セグンダを3位で終えたバルサBは今季クライシスモードに突入していて、現時点では22チーム中18位でかつ降格圏までわずか1ポイント(19位以下は自動降格)。ただ結果が付いてこないだけではなくプレーも悲惨な状態になっているようで、エウセビオではもう立て直せないところにまで来ている感があります。
昨日の理事会においても、このエウセビオ解任の件は議題に上がったそうなのですが、とりあえず結論は持ち越し。ただし今回はずるずると先送りされることはなく、ごく近いうちにバルサB監督の解任が公式発表されるという見方が有力のようです。トップチームに昇格してくる若手をより逞しく鍛えるためには、フィリアルがセグンダに所属する事が非常に重要。チームの復調は急務です。
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