エイバル戦で自信を深め、大一番へと臨む。
多くの人たちが数週間前からカレンダーに赤丸を入れていたであろうビッグな一週間、あちらの表現を拝借すればセマナ・グランデがいよいよ始まります。水曜日にマンチェスター・シティとチャンピオンズ1/4ファイナルへの切符を、日曜にはレアル・マドリーとリーガ首位の座を賭けて競い合う非常に重要な一週間。カンプノウを訪れる両チームはどちらも状況が明るいとはいえず、勢いでは圧倒的にバルサが優勢なのですが、何が起こるか分からない世界だけに気を緩めることはできない、そんな緊張感もステキ。確かなのはチーム内のムードが上々であり、トリプレッテ達成という挑戦に活気に満ちている点です。
全力プレーでチームを引っ張ったレオ
バルセロニズモにオレたちはやれる!という自信をもたらしているのは、間違いなくレオ・メッシです。年始のアノエタでの敗戦と、それに続くルイス・エンリケとの確執騒動後、バルサの大エースはエンジン全開。騒動で調子を落とすのではなく、逆に上げてしまうところに真クラックの恐ろしさを見るわけですが、味方としてこれ以上に心強い選手はなく、このセマナ・グランデもきっと“メッシのもの”になるんだろうなと想像する次第です。
メッシに関しては、16日のSPORT紙にこんな記事がありました。それはエイバル戦での彼の活躍にはチームメイトもテクニコもみんなが口をあんぐり開けていて、チャンピオンズの大一番でハットトリックを決めた時のように評価している、というもの。決してキレていたわけではないあのイプルアの試合でどこがそれだけ称えられているかといえば、バルサに勝利をもたらす2ゴールを決めただけでなく、翌週にビッグマッチが控えている状況でありがちな散漫さなど微塵もみせずにあらゆるプレーに関与し続けていた点だそうです。
そこで主審が試合終了を告げる笛を吹いた後、チームメイトたちはレオのところへと向かい、ゴールを祝うとともに大クラックがチームのために行った努力、バックアップに対し口々に感謝を述べていった、と。ルーチョバルサがトリプレッテを実現するためにはフルパワーのメッシが必要ですから、エイバル戦でも彼がそれだけ試合に入り込んでいたことは同僚たちを奮い立てもしたでしょうし、あとはオレたちがしっかりやれば!との思いを強くしたんじゃないでしょうか。
メッシがマンチェスター・シティ戦にエイバル戦以上の気合で臨むのは間違いないです。エティハドでのあの不条理ともいえる結末へのリベンジを果たすため、レオは相当に燃えているはず。さらに各メディア情報によれば、メッシはチャンピオンズ1/8では6年連続でネットを揺らしているらしいので、水曜日の試合でもいただき!ということになります^^ 周囲が騒々しいCRさんに並ばれているチャンピオンズ通算得点記録(75)でもう一度リードする、という目標も刺激になりそうです。
恐怖を与えるギガクラックの好調さ
16日はMUNDO DEPORTIVO紙もレオ・メッシをメインとして取り上げています。題して、“メッシが呼び起こす恐怖”。MD紙が注目しているのはエイバル戦で見るものをアッといわせた15秒間のプレーでした。それはたしか21分頃のことです。グラウンドの右サイド中央あたりでセルジ・ロベルトからボールを受けると、メッシはおもむろに個人突破を開始。緩急やフェイントを織り交ぜながらハビ・ララ、ディダク・ビラ、ボルハ、そしてラウール・ナバスらをするりするり、ひらり、股抜き、と置き去りにし、語り草ゴールまであと一歩に迫りました。あの“40m・15タッチドリブル”が示すのは、メッシのコンディションの良さ。それがシティとマドリーに恐怖を与えている、と同紙は言います。
そんな恐怖のレオですから、相手チームはどうにか彼を封じようとするのは確実ですが、今のバルサはルイス・スアレスもまた調子を上げていますし、ネイマールだってイプルアでの途中交代による苦い後味をこのセマナ・グランデで喜びに変えたいと意欲をたぎらせていることでしょう。ここは一発、トリデンテのオラオララッシュを期待しちゃいます。レオ抜きのバルサは考えられないものの、2年前のようなメッシ頼みの悲壮感がないのが好いです。
そして再びSPORT紙によりますと、チーム全体としましてもイプルアでのエイバル戦勝利には非常に好感触を得ているらしく。外野のファンとしては、きっちり勝って良かった、くらいなものですが、現場の選手たちは外野が思う以上にこの試合が厄介なものになりえると考えていて、確実に勝点3を持ち帰れたことに手応えを感じ自信を深めたのでしょう。一件地味ながらも、チームを強くする勝利、ってヤツです。
足首を踏んづけられたセルヒオ・ブスケツ、右頬をガツンとやられたマルティン・モントーヤ以外にはチームに怪我人もなく(ベルマーレン除く)、フィジカルコンディションの調整も上手くいっています。春に疲れていた過去2シーズンとは異なり、今春のバルサはライバルに走り負けない状態にある。心身ともに充実した状態で迎えるこのセマナ・グランデ、期待できます。
コメント
似たような状況で迎えたマラガ戦はあの体たらくでしたからね。
少なくともメッシはあの失敗から学んだということでしょうか。
シティ戦とクラシコでも前回の課題を解消して欲しいですね。
90分通しての継続性とか、プレッシングと中盤のフィルターとか。
最初のシティ戦がちらついたマラガ戦はダメダメでしたが、今回のエイバル戦はきっちり結果を残しましたね。中盤でどのように相手を封じられるか、楽しみです。