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メッシ28歳!

スーペルクラックの誕生日。

この6月24日は、FCバルセロナとアルゼンチン代表のスーペルクラック、リオネル・メッシの28歳の誕生日です。ポルトとの親善試合でトップデビューを飾ったのが16歳の時でしたから、あれからもう12年近くが経過したわけですが、まさかこれほどの選手になろうとは想像もせず。一般的にはまだまだ若手の20歳の頃にはすでにバロンデオロの最終候補三人に入り、22歳から四連覇、さらに来年1月には五度目のバロンデオロ確実とされるなんて、その飽くなき向上心には感嘆せずにはいられません。いろんな壁に当たりながらも絶えずトップ、それがすごいです。

若き日のエピソード

レオ・メッシのバルサ伝説は“紙ナプキンの契約書”から始まりました。このナプキンを巡っては、レオの入団テストを見たチャーリー・レシャックが「とにかく何でも良いから早く契約書を作るんだ!」と部下に指示を出してその場で契約、という話が有名ですが、実のところは少し違うようです。どうやら2000年10月のトライアルでメッシを見たレシャックが契約を即決したのは事実。しかしチャーリーはクラブ理事会を納得させるのに時間を要し2ヶ月が経過、同年12月14日に痺れを切らした仲介人ジョゼップ・マリア・ミンゲージャ、オラシオ・ガッジオーリ代理人とPompeiaテニスクラブのレストランで会った際、「私の責任において、バルサはレオ・メッシと契約する」とレシャックが署名したのがこの紙ナプキンだそうです(24日付SPORT紙など)。

その他、2003年11月にポルトとの親善試合(ユーロ2004の会場となるド・ドラガオの落成記念)でトップデビューをしたのはフベニールへと上がった初年度で、バルサBへ呼ばれる4ヶ月前だったというものや、2005年夏のガンペル杯でメッシのパフォーマンスを見たユベントス監督のファビオ・カペッロフランク・ライカールトに対しレンタルを申し出た話なども、レオのはち切れんばかりの才能を語るエピソードとしてなかなか。語り草のゴールも数多く、オフサイドで無効となったバセリーナを繰り返して決めた初得点(@アルバセテ戦)、胸のエスクードで押し込んだ2009年クラブワールドカップ決勝点などが印象的です。初クラシコでのハットトリックとか、挙げ出すと切りはないです。

苦しみの1年半からの復活

来年1月にはおそらく五度目となるバロンデオロを獲得するであろうレオ・メッシの、その“復活”の大きな転機となったのは2014年夏のムンディアル決勝での敗北だとされます。メッシは2013年1月にバロンデオロを四連覇した後、怪我に泣かされ、2014年、2015年とCR7が黄金のボールを受け取る姿を見ることになりました。2014年はバルサで無冠に終わり、ムンディアルでもあと一歩タイトルに届かず。自分が世界最高選手に戻るには、いったい何をすべきか?その容易ならざる答えを探すレオが出会ったのが、イタリア人の栄養士ジウリアノ・ポーセル医師でした。「食習慣を直すこと」、それがドクターの答えでした。

メッシと食習慣の改善といえば、2008年夏のペップ・グアルディオラの監督就任時の、“肉とコーラを止めて魚とサラダにしました革命”が有名です。それまで怪我がちだったメッシ(2006年のチャンピオンズ決勝も怪我で出られず)は、その食習慣改革によってフィジカルトラブルとは無縁となり、数シーズンを通してフル稼働。2012年には年間91ゴール(29アシスト)なんていうクレイジーな記録を樹立しています。しかし好事魔多し、2013年に入ると筋肉系の問題が繰り返し出るようになり(1月24日、4月2日、5月12日)、タタチームになってからも8月、9月と怪我を再発すると、11月には2ヶ月間戦列を離脱。この時、メッシはOLE紙のインタビューで食事を変えたのではないか、ファンホ・ブラウとの関係変化がその背景にあるのではないか、との疑問に「真実ではない」と答えています(こちら)。

レオが苦しんだ2013年~2014年夏になにがあったのかは分かりませんが、確かなのはポーセル医師がメッシの生活を分析し、必要とされるレシピを処方したことで、ギガクラックの体重は約5kg減り、スピードとパンチ力が復活、再び怪我にも強くなり、ルーチョチームの三冠達成に大きく寄与したことです。チームエンリケのトレーナー、ラファエル・ポルが作成した厳しいトレーニングメニューもメッシ復活を後押ししたと推測できます。体調が良くなる、怪我の不安が消える、パフォーマンス向上、自信も上昇の好循環が起こったのでしょう。

また、チアゴ・メッシくんを軸に考えると、チアゴくんが生まれたのは2012年11月2日。レオが無双をしていた時期と重なります。その後、偉大なる父が怪我がちになるのは、ベビーチアゴとなんらかの関係があるのかな、、とも思ったり。そのチアゴくんも今年の秋で3歳となりますし、2月には「僕が保育園に迎えに行っても、帰りたくないと言ってくるんだ」と息子の成長を語っていたメッシですから、そういった家庭での幾つかの変化や精神面での成熟などもまた、良い方向へと影響しての復活なんでしょう。

なにはともあれ、どれだけの成功を手にしても常に向上を目指し、トップであり続けるレオ・メッシにはただ感服あるのみです。この感じであれば、三十路を迎えてもポジションなりを少しずつ変化させ、相変わらず最高の選手を続けているはず。数年後にはどんなメッシになっているのか、想像すると楽しいです。

長くなりましたが、メッシ、28回目の誕生日おめでとう!そしてコパ・アメリカでのアルゼンチン代表に良い結末が訪れますように。タタさんが良い答えを見つけ出しますように。

 

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