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ローテーションで快勝

システムも4-2-1-3を試みた。

リーガ開幕からサン・マメス、カルデロンと厳しいスタジアムでの試合が続いたこと、プレシーズンのしんどいUSAツアーやFIFAウイークがボディブローのように効いていること、この3週間で7試合をこなすハードな日程となっていること、怪我人の連続などで、このところのバルセロナは少々疲れが見えていました。そこでトレーニングの不可を少し軽くするなどの工夫を始めているらしいルーチョチームですが、カンプノウにレバンテを迎えるこの試合は出場時間を分配する良い機会。ルイス・エンリケは大胆なローテーションを実施し、前半はレバンテの守りに手を焼きながらも、最後は4-1の快勝としています。

思い切った選手入れ替え

成功すれば称えられるけれど、もし失敗したならば叩かれること必至のローテーション。ルイス・エンリケは水曜日のローマ戦から先発メンバーを6人入れ替え(怪我明けのアルベスが復帰、バルトラ、アドリアーノ、ムニール、サンドロに出場機会)、最終ラインは全員が代わっています。開幕時から連続して起用されていたイニエスタルイス・スアレス、セルジ・ロベルトが温存され、前線は3トップの後ろにレオ・メッシを配置する4-2-1-3という試験的フォーメーション。これには怪我人が多いチーム事情が影響しているようです。

ラフィーニャの負傷によってバルサの中盤はやりくりがとても難しくなっています。どうすればイニエスタを、セルジ・ロベルトを休ませられるか。その一つの方策がシステムの変更で、中盤の人数を減らしてしまうことでした。シンプルな解決法とはいえ、リスクを覚悟した大胆な決断です。

この不慣れなシステムでエリア周辺を固めるレバンテの守りを崩すのは、なかなかに苦労しました。前半45分は惜しいところまでは行くものの、最後の詰めが足りずに0-0でロッカールームへ。後半の早い段階(50分)にマルク・バルトラのデフェンサらしからぬゴールが決まったことでバルサは流れを掴み、一気呵成の3ゴールで勝負を付けています。もっと終盤まで粘られていたら、事態は複雑化していたでしょう。バルトラの先制点が持つ意味は大きかったです。

そして出番の少なかった選手たちに出場時間を与えられたのも良かった。ルイス・エンリケはこれからもサンドロムニールたちに機会を与えていくと明言していますし、バルトラもこのパフォーマンスが続けられれば選択肢の上位に食い込んでいけましょう。薄くなっている(と感じる)選手層を厚くするには、若手の伸びが不可欠。またチームの全員(あるいは一人でも多く)が自分を重要だと感じることも成功のカギとなります。難しいバライドスでのセルタ戦はまた鉄板メンバーで行き、翌週のラス・パルマス戦で再びローテーションという流れでしょうか。

なにはともあれ、きっちりと勝点3を積み上げたことが一番重要です。これにてバルサはリーガ開幕4連勝で、単独首位をキープ。次からはようやくジェラール・ピケも戻ってきますし、この調子で歩みを進めていきましょう。なんとかかんとか、1月まで乗り切ろう。

今日もリーダーはメッシ

このレバンテ戦でチームを引っ張ったのは、メディアプンタとして若者たち(ネイマール、ムニール、サンドロ)を活用する任務を託されたレオ・メッシでした。バルサの10番は前線の3人(主にネイ)と連係をしながら、時折2列目からの突入でレバンテ守備陣をかく乱。バルトラの先制点をアシストしたほか、ペナルティを1つ決め、1つ外し、最後にはケーキへのイチゴ乗せゴールも決めています。イニエスタが不在の中でタクトを取り、攻撃の核となって2ゴール、1アシスト、パス45本、シュート10本(SPORT)。いつものようにするべきことを全部する。さすが主役の働きぶりでした。アルゼンチンのメッシに近い感じですかね。

このメッシのパフォーマンスについては、ルイス・エンリケは試合終了後、「ペナルティを1つ失敗したことで、彼が一般人に近づいたりすることはないさ。それでもレオは2ゴール、1アシストを決めているんだからね」とコメント。ペナルティを外そうとも別次元の選手だと強調しています。

ちなみに、アンドレス・イニエスタがベンチだったことでカピタンを務めたレオ・メッシですが、彼が公式戦にてカンプノウでカピタンマークを巻くのは今回が初めてだそうで、意外。SPORTによると、過去にメッシは2012/13シーズンのリーガ29節セルタ戦(バライドス)や昨季のビジャレアル戦、アルメリア船など5回カピタンになっているのですが、全て相手スタジアムでした。

その他、アトレティコ・マドリー戦の主な出来事については、次のようなものが挙げられます。

 

■テル・ステーゲン、再び失点
水曜日のローマ戦で決められた超ロングシュートは、エラーというよりはフロレンツィのシュートが技ありだったとはいえ、より安定感のある守りを期待する外野からは、このレバンテ戦のプレーが注視されていたマルクアンドレ・テル・ステーゲン。まだ危ないところのあるサイドからのボールには、概ね注意して処理できていたのですが、そのうちの1つが失点になってしまったことで、テル・ステーゲンを巡っての議論はまだしばらく続きそうです。

それはバルサが3-0で勝負をほぼ決め、あとはコントロールしていけばOKという66分のことでした。ショートコーナーからのセンタリングに対してドイツ人守護神はパンチングに失敗。ボールを手にしたカサデススにきっちりゴールへ沈められたことで、テル・ステーゲンの公式戦完封はまたもお預けとなってしまいました。ここまでは出場した5試合の全てでゴールを割られている、チャンピオンズ優勝ポルテーロです(11失点)。

しかし何事もなかったかのようにプレーを続け、同様のクロス2つを飛び出して処理した強心臓はさすが。試合後は「上手く守備組織ができていなかったし、少し混乱が生じていた。僕はもっと決断しておく必要があった。失点の責任は取るよ」と反省をしつつも、「どうして自分のプレー方法を変える必要があるの?僕はこれからも同じようにプレーし続けていく。自分のメソッドに僕は満足しているんだ」と断言している、強力パーソナリティのテル・ステーゲンです。

■輝いたマルク・バルトラ
スーペルコパのイダにてアスレティック・ビルバオに4-0で惨敗して以降、初となる先発出場となったこの試合で、MOM級の活躍をしたマルク・バルトラ。集中してプレーし、レバンテのパスをことごとくカットしただけでなく、ゲームの流れをバルサに大きく引き寄せる先制ゴールでも貢献しました。同じく出場機会に恵まれていないムニール、サンドロがゴールという結果を残せなかったのとは対照的に、攻守両面で大いにアピールに成功。得点後、少し前に生まれた娘ガラちゃんにゴールを捧げた後にベンチへ向かい、ラフィーニャのシャツを掲げたのも良いシーンでした。

バルトラは試合後、こうコメントしています。「僕が好きなのはボールを奪い返すなど、守備に関すること全部だけど、得点するのも気持ちがいいね。でも一番重要なのはチームを手助けすることだよ」、「あのゴールはほぼ、ボールを僕の胸へと置いたレオのおかげさ。ああいうパスを受けると、簡単なんだ。チームが必要としている時に決められたのが何よりだよ」

しっかりと仕事をしていれば、ルイス・エンリケはチャンスをくれるんだ。周りで言われている事は気にしない。ただトレーニングをして向上し、チームに全てを捧げることだけを考えている」

 

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