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ラフィーニャ、シーズンに別れ

右ヒザ前十字靭帯を断裂し、手術へ。

ラフィーニャ・アルカンタラ、右ヒザの前十字靭帯を断裂…。せめて靭帯を少し捻った程度の怪我であってほしい、自力で飛行機から降りられたんだから大丈夫だろう、検査を終えて病院から帰る時はサポーターも巻いていなかったしきっと重傷ではないに違いない、、とのクレの願いは、クラブからの公式発表によって儚くも消え去りました。ASローマ戦でナインゴランによって負わされた傷は期待していた以上に酷く、ラフィーニャは9月にしてシーズンにサヨウナラ。数日中に手術を受けるということで、回復には少なくとも6ヶ月を要し、トレーニング再開は春先となりそうです。

断裂はないと言われていたが、、、

水曜日のASローマ戦にてイバン・ラキティッチと交代でピッチに立ってから、わずか57秒。ラフィーニャ・アルカンタラナインゴランの悪質カニバサミタックルによって右ヒザを負傷し、担架カートに運ばれていきました。苦悶の表情を浮かべるラファの元へと集まったチームメイト、ローマ選手たちの表情はどれも重苦しく、それだけで彼の怪我が重いものなのは感じ取れましたが、中でも最悪の部類だったという現実を突きつけられると、呆然としてしばし動作停止フリーズしてしまいます。

試合終了直後にメディアに錯綜した情報では、ラフィーニャの怪我は重いものの、十字靭帯断裂はないだろうと言われていました。その根拠となったのは選手が杖に頼りながらも歩いてスタジアムを後にしたこと、午前2時半にバルセロナに帰着した飛行機のタラップをラファは一人で降りていること(手すりだけ掴み、杖も使っていない)、直行したCreu Blanca病院に入院することなく、各種検査を終えて帰宅する際の彼のヒザにはサポーターも巻かれていなかったこと、などが挙げられます。

しかし夜が明け、クラブによって発表された医療部報告によると、ラフィーニャの怪我は右ヒザ前十字靭帯の断裂。ラフィーニャ本人と家族、ルーチョチーム、バルセロニズモの全てにとって非常に痛い検査結果となりました。変に淡い期待をしていただけに、ダメージも倍増でした。バルサでも代表でも追い風に乗って自信を掴み、高いポリバレント性と献身プレーで貢献していた、メディアが言うところの“チーム12番目の選手”を、ルイス・エンリケは失う。これは大打撃です。

ラモン・クガット医師が執刀

SPORT紙、MD紙によりますと、ラフィーニャの右ヒザ手術はあのラモン・クガット医師が執刀するそうです。バルセロナでヒザの怪我といえばこのドクターで、数々のバルサ選手もお世話になってきたスペシャリスト。兄のチアゴ・アルカンタラも過去に二度、クガット医師によってヒザの手術を受けています。いわばアルカンタラ家の馴染みのドクター。実は最初、クラブは別のドクター(ジョアン・カルラス・モンリャウ氏)の執刀を考えていたらしいのですが、ラファは兄や家族のアドバイスによってクガット医師を選んだ、という経緯があるみたいです。

右ヒザの靭帯再生手術は、来週行われる予定となっています。数日間を挿むのは、ラフィーニャのヒザは現時点ではまだ炎症を起こして腫れており、メスを入れても肝心の靭帯がしっかりと見えないから。あとは、執刀を依頼したラモン・クガット医師が今はバルセロナを離れていて、来週になるまで戻らないとの都合もあるようです(SPORT紙)。

ラファのヒザの状態については、手術終了後にクガット医師からおそらく説明があると思います(以前はそうだった)。間違いがないのは、ラフィーニャがグラウンドに戻るのはこれから少なくとも半年後になるということ。そこから徐々にトレーニングの強度を高めていき、プロ選手として戦える状態へと鍛えていくわけですから、実際に試合に出られるのは医療部の完治宣言が出てから数週間後のことになりましょう。今季中の復帰があるとすれば、昨シーズンのベルマーレンのような消化試合に少し、という感じでしょう。母国でのオリンピックやコパ・アメリカは、、どうなりますか。

セルジ・ロベルトの出番

この大怪我によって、ラフィーニャのキャリアは双六で言うなら“10回休み”、あるいは“20マス戻る”的なダメージを受けます。今季はいよいよ飛躍の年になりそうだっただけに、その彼の無念を思うと胸が痛む。タックルを強行(凶行)したナインゴランは木曜、ツイッター経由でラファに謝罪をしていますが、あんな事は最初からしてくれるなと小一時間彼の耳元で愚痴りたいくらいですし、ラファが治るまでアンタも試合を休んでろと思います。試合後の心地良い充実感なんて味わってくれるなと。

チームにとっても、ラフィーニャイニエスタやラキティッチのサブとして本格的なオプションとなってきていただけでなく、デランテロとしても南米トリデンテを休ませたい時に起用できるというありがたい選手でした。そのバルサ全体がとても楽しみにし、頼りにしていた選手が暴力プレーでいきなり今季絶望。堪ったもんじゃありません。

ラフィーニャが戦列を離れたことで、“12番目の選手”としての重要な役割を担うのがセルジ・ロベルトです。ここまではダニ・アルベスの代役として右ラテラルを守ってきたロベルトですが、アルベスの復帰後(水曜のセルタ戦?)は今度は本職のインテリオールでイニエスタ、ラキティッチを支える任務を負うことに。チャビ・エルナンデスが去り、ラファも離脱した今、アルダ・トゥランが加わる1月までのインテリオールのオプションはかなり限定されています。ロベルトとしては、本来のポジションでも存在感を示す好機。ここで良い仕事をすれば、バルサにおける彼の重要性は夏には考えられなかったレベルになりましょう。大変でしょうが、ファイトです。

1月の補強はある?

リーガ・エスパニョーラには特別ルールとして、選手が長期離脱をした時にはマーケット期間外でもスペイン国内のクラブからは補強が許されるという仕組みがあります。バルサで言えば、選手新規登録を禁じられていた2つのマーケットはすでに終了してますし、ラフィーニャの代役をリーガのクラブから獲得することができるはず。少なくともアルダを新規登録しても問題はないように思えます。

そこでバルサがRFEFに対し、その特例を実行可能かと問い合わせたところ、どうやら良い返事をもらったらしく。しかし同じく問い合わせたFIFAは頑として首を縦に振らず、1月まで新規登録禁止との主張を繰り返してきました(SPORT紙)。柔軟剤のギフトでも送ってやりたい。では、レンタル中のデニス・スアレスの呼び戻しはどうかと再確認を取っているようですが、まあ期待はできません。スペイン国内のルールがあるんじゃ、と強行すれば、新たな罰まで食らわされるに違いなく。この屈辱的な感じにはウンザリです。

というわけで、ルイス・エンリケは1月になり、アルダ・トゥランアレイシ・ビダルの出場登録が実現するまでセルジ・ロベルト、セルヒオ・ブスケツ、それにバルサB選手たちでインテリオール不足を乗り切らねばなりません。そして冬の移籍マーケットでラフィーニャの代役を獲得するかどうかについては、SPORT紙は「あるだろう」、MD紙は「クラブは分析中」との見解です。監督は補強を求めるだろうという点ではどちらも同じ。

各メディアには早速、1月の補強候補として複数の選手たちの名前が上がっています。SPORTならノリート(セルタ)、フェグリ(バレンシア)、デニス・スアレス(ビジャレアル)、ギュンドガン(ドルトムント)。ペドロ・ロドリゲスが退団したことでノリートは夏から有力候補でしたから、可能性はそれなりにありそうです。デニス・スアレスは来夏あたりに満を持して戻すか、バルサでは出番が減るのも承知で前倒しするか。その他のセントロカンピスタは、、もしポグバを本気で狙っているなら、いきなり余りそうです。これから1月までの3ヶ月少々、賑やかになりましょう。

UEFA規約による制限

また、MD紙によりますと、FCバルセロナが1月のマーケットにて新たに選手を獲得した場合、リーガでは何人であろうと新規に登録可能できますが、チャンピオンズではあと1人しか追加登録できないのだそうです。理由はUEFAの規約では、リストAとやらに登録できるのは最高で25名だから。

バルサは現在Bチームのグンバウ、カマラを含めて24選手をリストAに登録していますから、彼ら2人を外すとしても、残りは3枠となります。そのうちの2つはすでにアルダ・トゥランアレイシ・ビダルで確定しているので、残りは1名のみ。なのでもしデランテロとセントロカンピスタを2人獲得した場合でも、チャンピオンズにはどちらかしか登録できないそうです。ラフィーニャの登録を解除、とかは無理なんでしょうか。

さらにSPORT紙によると、UEFAのファイナンシャル・フェアプレー(FFP)も補強に影響してきます。このFFPのルールの中には、選手の給与合計がクラブ収入の70%以下になるように定めた条項があるらしく、すでに66.8%に達しているらしいバルサは慎重に行動しなければならないそうです。でっかいスポンサー契約を手に入れれば、必然的にサラリーの割合は低下します。

 

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