ルーチョ、演説で鼓舞

トレーニング開始前にスピーチを行い、リアクションを求めた監督。

チームが散々な試合をした場合、選手たちへの接し方には監督の個性が表れます。記者会見で大っぴらに選手たちを批判する人もあれば、ロッカールームでのみ叱責する人もいる。試合の負け方によっても叱ったり、フォローをしたりと様々な状況があるでしょう。我らのバルサ監督ルイス・エンリケは、イメージこそ鬼軍曹ですが、実際のところは声を荒げて選手たちを非難したというような話は全く聞かない。バライドスで残念な試合をしたチームに対してもルーチョは誰かを責めることなく、誇りを刺激することでリアクションを求めたようです。

カンペオンの誇りを刺激

セルタ・デ・ビーゴに4-1と完敗した翌日のメディアは、バライドスでのバルサには激しさ(インテンシティ)が不足していたと分析し、昨シーズンのような攻守の激しさが必要だとの見解を示しました。しかしながら試合終了直後の記者会見でルイス・エンリケは、「攻撃での効率性が良くない」、「1対1で苦しめられた」とは認めながらも、「激しさへの不満はない」と選手たちの姿勢を擁護。基本的にはセルタがバルサを上回っていたことが敗因だ、としています。

そして一夜明けた木曜日のトレーニングでも、監督が選手たちをムチ打つことはありませんでした。SPORT紙によると、ルイス・エンリケはシウター・エスポルティーバ第2グラウンドでのトレーニング開始前、輪になった選手たちを前にスピーチをしたそうです。その時間はおよそ3分。チームからリアクションを引き出すためにミスターが採ったのは、“勝者の誇りを刺激する作戦”でした。

昨季も様々な困難に直面したバルサでしたが、その都度彼らは誇りと野心でそれらを乗り越えてきた。よってこの選手たちは多くを語らずとも必ずやリアクションを起こす、とルイス・エンリケは確信しています。とはいえゴレアーダを食らった翌朝なので、さすがの選手たちも意気消沈ムード。そこでミスターは“キミたちはカンペオンなんだ”と誇りを刺激しつつ、“気を取り直してさらに頑張っていこう”と前向きメッセージでチームを鼓舞した、そうです(あくまでメディア情報なので、どこまで正しいのかは分かりませんが)。

ということで土曜日のラス・パルマス戦では、バライドスでの失敗に教訓を得た選手たちが、どのようなリアクションを示すかに注目です。中2日のスケジュールはタフですが、負けた直後に挽回の機会があるのはバルサのようなチームにとっては好都合。トレーニング後にはルイス・スアレスがツイッターにて「僕らはかつてないほどに一つになっている」と言っていますし、良い試合をしてくれると期待してます。

バライドスでの改善ポイント

水曜日のバライドスで喫した大敗の特徴は、バルサが実行したいようなフットボルでこてんぱんにやられた事にあります。バルセロナの負けパターンとしてよくあるのは、引きこもった相手を崩せずにカウンター一発でやられるというもの。しかしセルタは前線からのプレッシングやら、速くて意図のあるパス展開やら、切れ味ある縦への攻めやら、デランテロたちの決定力やら、バルサがすべきプレーで上回っていた。それに加えてルーチョチームの出来が酷かったことで、あの結果となりました。

自分たちのなにがどう悪かったのかは、選手たち自身が自覚していることでしょう。一朝一夕とはいかずとも、チーム一丸となって改善に取り組んでいくことと信じています。ではセルタ戦では具体的にどのあたりが悪かったのか。SPORT紙で分析記事を担当するピチ・アロンソさんは、次のポイントを改善点として挙げています。

  • 間延びしたチーム:各ラインの距離が遠く、守備が上手くいかなかった。間隔が広がりすぎたことでセルタは余裕を持ってボールを持て、バルサは寄せに時間がかかった。セルタのようなチームに対してチェックが遅いと、ボールを追うことになって非常に苦しい。
  • 距離があることで前線も機能しない:バルサが速く正確にパスを回すためには選手間の距離が重要。適切な距離がティキタカを容易にする。以前はパス失敗の少ないポジショニングが出来ていた。
  • 個人のエラー:個々の失敗が多過ぎた。数人はリスクを冒しすぎ、高い代償を支払った。アスパスの3-0は2人で対処すべきケースなのに、アルベスしかいなかった。
  • 1対1でサポートなし:ノリートやオレジャナのような突破力のある相手には、2対1で対応すべき。アルベスとマテューにはサポートがなく、逆にセルタは2対1で守れていた。
  • 時にはファールも必要:バルサのスタイルではないが、相手のプレーを中断させることも必要。ファールが好都合な場合もあるが、バルサの前半のファールは1回のみ。セルタが中盤を制圧していた。
  • ゴール前の正確性不足:三冠の原動力となったトリデンテにいつもの正確性がなかった。作り出したチャンスを活かせていれば、試合は最後まで盛り上がっていたはず。
  • ロングボールを利用せず:相手の圧力が強く、こちらの流れが悪い時は、ロングボールなどのバリエーションを試しても良い。バルサ流ではないが、必要なら使うべき。カンプノウ・クラシコのスアレス弾など、過去の成功例もある。

なかでも重要なのはやはり、選手間の距離を改善することでしょう。バライドスでのバルサはボール支配率でセルタを上回り(54対46)、パスの総数でも勝っていたものの(677対561)、ボール奪取数は45対63、ボール喪失数は88対75でセルタに軍配。ボールの持ち方の質に問題があったとデータが示しています。良いポジショニングとポゼッションがバルセロナの生命線。それらは複合的なので改善は容易ではないかもしれませんが、なんとか良いバランスとリズムを取り戻してほしいです。

マスチェラーノに休養か

プレシーズンから続いてきたハードスケジュールと怪我人の連鎖によって、シーズン序盤のバルサは選手をやり繰りする余裕がありませんでした。シーズン全試合に出たがっているトリデンテたちはまあ良いとしても、中盤と最終ラインは特定の選手に出場時間が集中。アンドレス・イニエスタイバン・ラキティッチセルヒオ・ブスケツ、それにハビエル・マスチェラーノの脚にはだいぶ疲れが溜まってそうな感じです。

そこでルイス・エンリケはレバンテ戦でイニエスタを休ませ、セルタ戦ではラキティッチをベンチに温存。ブスケツもレバンテ戦とセルタ戦の両方で途中交代しています。そしてこの土曜日はようやく、マスチェラーノを休ませる機会となりそうです。このところのヘフェシートはどうも不安定な守りとなってますし、かなり疲れていると推測します。来週のレバークーゼン戦、セビージャ戦がありますので、マスチェにはここで充電を。

そのマスチェラーノのポジションには、レバンテ戦で気持ちの入ったプレーをしていたマルク・バルトラを起用してほしいところです。セルタ戦で激しさのなかったチームにはバルトラの秘めたる熱さが効果を発揮しそうですし、次はジョルディ・アルバも戻ってくるようなので、バライドスでの様なことにはならないと期待。ラス・パルマスが昇格組だと油断することなくギアを上げて臨み、今季のリーガではまだ1つもないという前半45分でのゴールをドバドバと決めて快勝してくれますように。そしてそろそろクラウディオ・ブラボが戻ってくるらしいので、テル・ステーゲンも完封でアピールしたいでしょう。

 

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