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2ポイント逃すも、優勝へ少し前進:ビジャレアル戦

出来栄えはいまいちながら、引き分けは悪くもなく。

エル・マドリガルでのビジャレアル戦はバルサにとって、“可”と“否”の入り混じったゲームとなりました。“否”はチーム全体としての動きにはいつものキレがなく、セットプレー以外にイエローサブマリンの守備網を破ったのは数えるほどだったこと。前半を0-2で終えられたのは微妙な判定のペナルティキックによるところが大きかったですし、その2点のリードも後半序盤の守備の乱れによって吐き出してしまいました。今季アトレティコ、白組、セビージャとリーガの上位チームがことごとく敗れてきたエル・マドリガルだけに簡単にはいかないのですが、それでも冴えない試合でした。

一方で“可”は前日にアトレティコがヒホンにて敗れたため、2位との勝点差は9へと1つ拡大したこと。これにてバルサはまた少し優勝へと接近しています。

バカンブとデニス・スアレス

前日のエル・モリノンにてアトレティコ・マドリースポルティングに敗れていたため、このビジャレアル戦はバルサにとってリーガに“とどめ”を刺す絶好の機会(勝てば2位シメオネチームとの勝点差が11に)でした。しかしエル・マドリガルでのビジャレアルは、激しいプレッシングとカウンターを中心にバルセロナを脅かしていきます。

なかでもキックオフ直後にいきなり得点機を演出し、1点も決めたセドリック・バカンブと2列目から見せ場を作ったデニス・スアレスの存在感は抜群。夏の出戻りが確実視されるデニスだけでなく、“第4のデランテロ”候補としてバルサが注目しているとされるバカンブもまた、クレに資質をアピールするに十分なパフォーマンスでありました。

バカンブは4月で25歳になるコンゴ人選手で、フランス生まれのためEUパスポート保有。トルコのブルサスポールを経て今季からビジャレアルに入団しています(移籍金750万ユーロ)。リーガではここまで11ゴールです。

光ったラキティッチ、残念だったマティエウ

バルサに話を戻しますと、この日のプレーにはあまり精彩が感じられませんでした。パス総数は835本と通常並みだったものの、90分を通じて作り出した得点機は5つほどとバルセロナにしては少なく。流れの中からはゴールは奪えず、得点はいずれもセットプレーを活用したものでした。

■ラキティッチ:バルサで最も輝いていたのは先制点を冷静に決めただけでなく、積極的な飛び出しであと1つ2つゴールをしていたかもしれないイバン・ラキティッチです。もちろん守備での貢献は言うまでもなく、その走力と知性によって彼はルーチョバルサに欠かせない選手となっています。ガッツ監督は試合後、このラキティッチを「欠点のない選手。飛び出しがあり、フィジカルも強い。シュートも素晴らしいものがある」と称賛しています。

■マティエウとアルベス:前半に効率よく2点をリードしたバルセロナでしたが、後半に入ると守備の乱れからそのリードを手放してしまいました。バルサがドタバタしたのは、カードを受けていたジェラール・ピケアルダ・トゥランをベンチに下げ、ジェレミー・マティエウダニ・アルベスを送り込んだ53分から63分にかけての約10分間。マティエウは良い試合をする時もありますが危なっかしいことも多く、このエル・マドリガルでは2失点に絡む残念な出来+運の無さでした。アルベスも簡単なパスを失敗するなど不十分なパフォーマンス。救いだったのはハビエル・マスチェラーノの出来が良く、ダニを良く補っていたことです。このマティエウなら、バルトラを使ってほしい…。

■ルイス・スアレス:その他、バルサで目立ったのはルイス・スアレスの大人しさです。このビジャレアル戦でカードを受ければ次節マドリー戦を出場停止となるため、ルイス・エンリケが彼を起用するのかどうかに注目が集まりましたが、リスク承知で送り出したルイシートはカードを気にしてか元気が無く。本当に目立たなかったので、ムニールに賭けても好かったかもしれません。

そんなこんなで2点差を追い付かれて2-2に終わったビジャレアル戦。一度は勝利濃厚なスコアを手にしてのエンパテだけに、後味は“勝点2を失った試合”なのですが、一方でエル・マドリガルでの勝点1確保は悪くないとも言え、もやもやするところです。試合がまた一つ減ったうえ、2位との勝点差が開いたので、ルイス・エンリケが言うようにポジティブなんですけれど。

ルイス・エンリケ「目標へと1ポイント接近」

このビジャレアル戦は人によって解釈の異なる試合でした。水が半分入ったグラスを見て、半分もあると見るか、半分しかないと見るか。いつもポジティブなるFCバルセロナ監督ルイス・エンリケの解釈は、結果的にリーガ優勝へとまた近付いたのだから前向きだ、というものでありました。試合終了後、ミスターはそっけない様子ながら、エル・マドリガルでの勝点1獲得をこう評しています。

「ビジャレアルにも私たちにも得点のチャンスはあった。私たちは勝点3に近付きもしたけれど、負けていたかもしれない試合だったよ。だから私は勝点1を上積みしたと捉えている」、「一番近いライバル(アトレティコ)が昨日敗れ、私たちが1ポイントを上積みしたのだから、結果としてはファンタスティックだ。チームはまた1ポイント分、目標へと接近している

前日のアトレティコの黒星に加え、0-2としたことでチームに気の緩みが出たのでは、との推測をルーチョは否定しました。「試合が始まってすぐビジャレアルに得点機を作られたことで、選手たちはこれは簡単にはいかないぞ、と理解したんだ。やられたのは私たちが上の空だったからではなく、相手チームのクオリティが非常に高いからだよ。このスタジアムで、ファーストタッチでプレーする彼らの良さを打ち消すのは難しい。私はチームの出来が悪かったとは思わない。もし私たちの状態が悪かったら、ビジャレアルに負けていただろう」

後半の選手交代はカードを考慮してのものだった、とルイス・エンリケは認めています。「試合は前半から我慢の展開だった。カードがたくさん出ていたし、私たちは前半で一人が退場になっていたかもしれなかったからね。何人かを引っ込めることが一番だった」

クラシコを控えた代表戦ウィーク前のエンパテについては、「勝ちも引き分けも、来る時に来るさ。クリスマスのチュロン(お菓子)のようにね」と受け流した監督。悪い主役となったサンチェス・マルティネス主審の判定に対しては、いつものように「審判について私が話す事はない」とコメントを避けています。

 

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