エゴのなさと勇気ある偉大なチームが勝利の秘密と。
全世界のバルセロニスタが脳内でエンドルフィンを分泌しまくったベルナベウクラシコ(0-4)の興奮冷めやらぬ火曜日、FCバルセロナはチャンピオンズ第5節のASローマ戦をプレーします。これで残念な試合をしてしまったら、週末の良い仕事に土が付いてしまいますゆえ、一旦幸福感を脇へと置き、グループEの首位通過を決めなければならない試合。歴戦のバルサ選手たちもそれは分かっていますから、ここで気を緩めることはないでしょう。UEFAの前日会見に登場したダニ・アルベスは言います。
「僕らはとても要求度が高く、改善は常に可能だと考えてるんだ。勝つことによって人は弱くなると僕は思う。それによって勘違いをするからね。マドリーに勝てたのはすごく良いことだけれど、僕らの最終目標はもっと先にある。クラシコに勝っても、タイトルを勝ち取れなければ、アホ面をさらすことになるだろう」、「僕らの秘密は、エゴのなさにある。真摯さとバランスを保つことがタイトル獲得のための秘訣なんだ」
2-6よりも今回の0-4の出来が上
このアルベス会見は火曜日のASローマ戦に向けて行われたものですが、土曜日のマドリー戦のインパクトが強かったため、少なくともメディア各紙の記事には、クラシコ関連のコメントばかりが紹介されています。
2008/09シーズンにバルセロナに入団したダニ・アルベスは、同じベルナベウでペップチームが達成した歴史的勝利(2009年の2-6)の経験者でもあります。どちらもマドリーを4点上回っての勝利でしたが、出来としては今回の0-4の方が上回っている、とラテラルは考えます。
「相手がダメだったよりも、僕らが良かったね。今回僕らは完璧に試合を読んでいたし、どのラインも信じられないほどの出来だった。全員が最高の活躍をしていたよ。僕らはマドリーに選択肢を与えなかったし、その点で2-6の時よりも出来が良かったと思っているんだ。あの日はもっと行き来が激しい打ち合いで、僕らのコントロールが利いていなかったけれど、今回は僕らが支配をしていたからね」
ダニ・アルベスといえば、マドリーを好物にしている選手の一人で、これまでのキャリア(セビージャとバルサ)でなんと白組に23回も勝利している凄まじさです。これは現チームで最多となります。「こういった試合に勝つための秘密、それは偉大なチームがあること、勇気のある(直訳では“タマ”のある)チームがあることだよ」
0-4で勝っていたにもかかわらず、それで満足することなく5点目を目指していったルーチョチーム。ベルナベウでマニータのポーズを取りたかった、ってのがあるでしょうが、ペップ仕込みの理念が自分たちをそうさせているんだとアルベスは説明しました。「グアルディオラに教えられたことだよ。相手チームへのリスペクトから、僕らは1点でも多く決めることを狙っている。もし可能なら、0-4で勝つよりも0-100の方が良いんだ」
バルサはフットボル史を変えた
グアルディオラといえば、バルサはペップの到来によって「フットボルの歴史を変えた」、とダニは言います。「チームがこのサイクルを延長している、という感覚が僕にはあるし、これがずっと長く続いていくことを願ってるよ。グアルディオラの時から僕らはフットボルファンを楽しませ続けている。大きなことを成し遂げる偉大なチームがファンを熱中させることに、僕らは成功したんだ。あれから監督は代わったけれど、チームのコンセプトは変わってはいない。バルサはフットボルの歴史を変えたと僕は思うよ」
このベルナベウクラシコを前に、流行語としてよく登場したのが“興奮する(むらむらする)”という単語でした。最初にそれを用いたのはジェラール・ピケで、「ベルナベウは僕を興奮させる」といった具合。それにアンドレス・イニエスタも続き、「僕をオートバイのように興奮させる」と表現しました。では、ダニ・アルベスはどうだったでしょうか。ラテラルは言います。「僕が興奮するのはカノジョだね。マゾじゃあないから、ボコられる試合では興奮しない。イニエスタのように、注目を集めるこういう試合ではオートバイのように興奮するよ」
アルベスさんはまた、ここのところ冴えないクリスティアノ・ロナウドの役割についても質問を受けています。「彼は今でも高い資質を備えた選手だけれど、問題はおそらく彼が重要人物すぎる、つまりは主役すぎることだよ。あまりに主役すぎる人間がいると、2つのことが起こりえる。もし試合に勝っているならその選手のことがいつも語られる反面、負けている時は苦しいことになるんだ。まあ彼が何をしようとどうでもいいけれどね」
対照的にチーム内で良い役割を果たしている後輩ネイマールに関しては、「入団の際は微力ながらお手伝いした」としつつ、賛辞を送るダニです。「偉大なブラジル人選手はみんな、バルサで時代を作ってきた。このダニ・アルベスを除いてね。全員が黄金の文字でその名をバルサ史に刻んできたし、ネイもまたハードワークを土台としてそれを成しているところだよ」
ちなみにラテラルはこの会見でマドリー系スポーツ紙MARCAとASの記者による質問への回答を拒んでいます。「僕はキミたちのボスとだけ話をするよ」、「僕をここから追い出そうというキャンペーンがあったようだけど、僕は強いんでね。僕と競おうとする人は、普通は負けることになる。僕に対してキャンペーンを行う子羊(バカ)より、僕はずっと仕事に専念してるんだ。僕がどういう人間なのかを知りたいなら、グーグルに僕の名前を訊ねてみればいいよ」
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