ゴレアーダで一年前の敗北にたっぷりお返し。
FCバルセロナのクラシコ史にまたひとつ、輝かしい一ページが刻まれました。マドリディスタにとっての黒歴史となるこのベルナベウ対決は、攻守あらゆる面でマドリーを上回ったバルセロナが、0-4の完勝。勢いに乗るルーチョチームが中途半端だったベニテスチームを終始圧倒し、リーガ戦線に大きなインパクトを与えて見せました。一年前の勝負では中盤を支配されて敗れたバルサが、今回はたっぷりとそのお返し。白チームのあまりの不甲斐なさにベルナベウでは失望の指笛が鳴らされ、「ペレス辞めろ!」の合唱も起こっています。バルセロニスタにとりましては実に清々しい、心弾む光景であります。良い週末なり。
完全勝利!
笑顔のバルサ選手たちが大一番での勝利を祝う姿を見る、それはバルセロニスタにとっての幸福なひと時ですが、その舞台がサンティアゴ・ベルナベウであり、かつスタンドに白ハンカチが待っているとなれば、こんなに素晴らしい光景はありません。今回はさらに、そのパニョラーダ(白ハンカチ乱舞)で用いられたのがハンカチではなく、クラブがモザイクのために用意した白い紙ってのが実にステキ。キックオフ直後はジェラール・ピケが対象だった指笛も、アラ・マドリーが空しく会場に響く頃には、会長やチームが標的となっていました。これは相当に溜飲が下がります。
パンチ力、プレッシング、勝利への意思、スタイルへの信念、野心、プレー姿勢etc、試合はあらゆる面でバルサが勝っていました。各国代表戦でリーガが中断される前の勢いをそのままに、ルーチョチームはサンティアゴ・ベルナベウを制圧。ひらりひらりと相手の寄せをかわしては、これでどうだとパスを回し、ケイロル・ナバスの守るゴールを次々と陥落させると、数少ないピンチもクラウディオ・ブラボのパラドンで阻止しました。1-3くらいで勝つだろうとは予想していましたが、0-4はそれを上回る快挙。さらにマニータにならなかったのが惜しいくらいの完勝でした。
グラウンド中央を支配
勝負はまず、キックオフの時点でほぼ付いていました。ルイス・エンリケの試合準備が、ラファ・ベニテスのそれを上回っており、何度やっても結果は変わらなかっただろうと思えるほどにバルサの優勢は明らかでした。試合のカギとなったのは中盤の構成で、一年前にこのポジションでやられたルイス・エンリケは、ブスケツ、イニエスタ、ラキティッチ、セルジ・ロベルトの4人のセントロカンピスタをスタメンに選出。怪我明けのレオ・メッシはベンチに温存し、好調のスタイルを続けました。
一方でベニテスは地味なカセミロを外してハメスを選び、ベンゼマ被告を前線に置く“攻撃的布陣”を採用。クロースとモドリッチに中盤を任せたことで前線と最終ラインが分断され、プレッシングも中途半端になったことで、バルサ選手たちは余裕を持ってボールを支配することができました。スアレスの0-1は38本のパスをつないだ末の得点だそうで(MD紙)、白い守備網がいかに無力だったかを示しています。肩の怪我を押して強行出場したラモスはラインコントロールを出来ず、生まれたギャップをスアレス、ネイマールらが次々に利用していました。中盤に余るほどのタレントを擁しながら、無駄にしたベニテス。彼がこの教訓をカンプノウで活かす機会は訪れるのでしょうか。
偽エストレーモとして起用され、マルセロの上がりを抑えていたセルジ・ロベルトは、豊富な運動量で常にライン間のスペースに顔を出してポゼッションに貢献。先制点を生んだ右から中央へのドリブル&アシストは完璧でした。セルヒオ・ブスケツはプレッシャーのかからない中で悠々とパスを展開し、アンドレス・イニエスタは卓越した技術と視野で白い守備陣を翻弄。怪我明けのイバン・ラキティッチは黒子となってせっせとカバーに励んでいました。時に忍耐強くパスをつなぎ、好機と見るや一気に急所を突く。ポジショニングと試合状況を読む目。シーズン序盤は全然だった中盤がこれだけ戻ってきたことが、バルセロニスタの幸福感をまた一つ上乗せしています。
セントロカンピスタで新たな逸話を作ったのは、第1カピタンとして臨んだ初めてのクラシコで躍動したマエストロ・イニエスタです。ドン・アンドレスはずば抜けた技術でバルサの中心となっただけでなく、マドリーが反撃をしようと前に出ていた後半冒頭には新イニエスタッソをゴール右角へと叩き込み(0-3)、勝負を決着させました。そして77分にムニールと交代でベンチに退く際には、ベルナベウの観客たちからのスタンディング・オベーション。10年前のロナウジーニョを思い出させる光景は、イニエスタ伝説として末長く語り継がれていくことでしょう。
スアレス、ネイマール、ブラボ
中盤での戦いを制したことで、ルーチョバルサは勝利に大きく前進しました。そしてゴールによってそこに貢献したのが好調ネイマール&スアレスの二又トリデンテです。レオ・メッシが不在の2ヶ月間、ネットを揺らすことでチームを支えてきた二人のデランテロたちは、このベルナベウでも強烈なパンチ力を発揮。白い守備陣をずたずたに引き裂きました。
この世界トップの決定力を持った二人が、得点機の際には同時にゴールへと迫り、相手デフェンサの注意を分散させていることが非常に効いています。1点目でロベルトからのパスをスアレスが受ける時にはネイマールが左から走り込み、2点目でイニエスタのパスをネイマールが受けた時にはスアレスが中央に走っている。ダニーロとカルバハルはネイマールを止めようがない様子でしたし、相手ポルテーロと1対1になれば、ほぼ仕留めてしまう決定力はもう手が付けられません。セルヒオ・ラモスさん、ケイロル・ナバスさんたちはご愁傷様でした。堅固な守備陣ってどこのチームのお話?
このクラシコが復帰戦となったレオ・メッシは、ドリブルやパスを少しずつ試している感じでした。本気のプレーはこれから先のお楽しみといったところ。ベルナベウをリハビリの場所にするわけですから、さすがはキングメッシです。今回はまだ7割程度のプレーでしょうが、それでも3人に囲まれながらスアレスの0-4の起点となる縦パスをジョルディ・アルバ(前線中央にいた)へと送りこんでしまうからすごいです。
イニエスタと交代で出場機会をもらったムニールは、マニータを完成させるビッグチャンスは決めてほしかった。横に走り込んでいたジェラール・ピケの悔しがり方は、ワカ旦那の飽くなき野心が表れていて愉快でした。ピケがマニータを完了させ、パーの手をベルナベウに高々とかざすことで指笛への強烈なお返しとする。ムニールには悪いですが、あそこではそんな場面を見たかったなぁ。
ヒーローだらけのこのクラシコでしたが、クラウディオ・ブラボも素晴らしかったです。前半のハメスのミドルシュート、後半のCR7との1対1とヘッド弾、ベンゼマのシュートをことごとくパラドンして見せたチリ代表守護神。惚れてしまうやないですか・・・^^
ルイス・エンリケ 「祝福された栄光」
クレ大満足のこのクラシコを、試合終了後のルイス・エンリケは、“神に祝福された栄光だ”と表現しています。なんともすごい表現ですが、それだけ完璧なパフォーマンスがベルナベウで展開されたのは間違いありません。敵地でマドリーをここまで一方的に屈服させられる機会はそうはない。そのあまりの一方的な内容によってベルナベウには「フロレンティノ、辞めろ!」の叫び声が響き、モザイク用に配られた白い紙によってパニョラーダが起こりました。この先どこへどう転ぶか予想できないクライシスにマドリーは陥る、そんな予感がします。白ハンカチの舞うチームがその危機を脱出するのは、容易ではありません。バルセロニスタとしましては、盛大に炎上していただきたいところです。
さてルイス・エンリケに話題を戻しますと、監督はこの歴史的な大勝利の後、次のようにチームを称えています「これは祝福された栄光だよ。永遠のライバルに対し、このような勝ち方をしたんだからね。すばらしい選手たちを数多く揃えたチームを圧倒して勝つのは、非常にステキなことだ。全てのクレの記憶に刻まれる試合として、歴史に残っていくことだろう」
「マドリーに落ち度があったというより、バルサが真価を発揮した試合だったよ。私たちは全ての瞬間において、相手チームに問題が生じるよう狙っていた。マドリーが従順になったことなどなかった。私たちのレベルが相手を上回っていたと思うし、自分たちがそうしたいと望むエリアで比較的容易に優位な状況を作り出していた。ゴールチャンスを幾つも作り出し、非常に効果的だった」
「先制点のプレーには、中盤でのボールタッチ、リズムを刻む、優位となる瞬間を待つことといった、私たちの求めていた要素が詰まっていた。前半は完璧だったよ。私たちはピッチ中央で優位に立ち、有利な状況を作り出した。それによってゴールチャンスを生み出すことができた。自分たちが必要だと考えることをやれていたね」、「後半はより難しくなるであろうと知っていたけれど、私たちはゴールチャンスを作り続けた。マドリーにもまたチャンスがあったのは事実だけれどね」
レオ・メッシを先発させずに温存した件については、「比較的簡単な決断だったよ。長期間の怪我の後は、これが最善だとレオも理解していた」と説明したルーチョ。今日もジョーカーとして活躍したセルジ・ロベルトに関しては、「彼はラテラルでも中央でもプレーできる。ボールを失うことがなく、エリアへの飛び出しもあり、労力を惜しまず、それらは偉大な選手となるためのポイントだよ」と称賛しています。しかし最大級の賛辞は、ドン・アンドレスに向けてのものでした。
「彼はバルセロナだけでなく、人類の遺産だ。私たちはこの唯一の選手を楽しむことができるんだ。マドリーファンからの拍手も理解できるよ」
序盤の苦境を乗り越え、チームをここまで復調させたルイス・エンリケはお見事。火曜日にはこの勢いでチャンピオンズの首位通過も決めちゃいましょうぞ。バルセロニスタのご飯が美味い日々は続きそうです。
コメント
Barca!! Barca!! Barca!!
Felicitaciones Barcelona!!!
圧倒的な勝利でしたね。 特に、セルジ・ロベルトとイニエスタの2人は見るもの魅了するプレーでした。
先制点のロベルトのアシストの美しさには、興奮して鳥肌が立ちました
(もちろん、メレンゲチームの不甲斐なさがバルサのプレーを際立たせた感じもありましたが 笑 )
ネイマール&スアレスのアタッカーコンビは今回も恐ろしいほどの破壊力でした。成す術無しのマドリーディフェンスラインをぶち壊す様は、最高に興奮しました。
相手を0点に抑え、奪うべき得点を奪う。
強いチームの勝ち方でしたね。
(脳筋バ〇のベイル君は、100%であれですか 笑
あれでよくバルサ撃破などふざけたことが言えたものですねぇ…)
メレンゲサポーターに同情する気はさらさらありませんが、あのチームにあの監督、あのオーナーでは、イニエスタのプレーに拍手を贈りたくなる気持ちもわからなくないですね。
今回のクラシコで言えば、特にイスコのチャージには虫酸が走りました。バ〇丸出しで感情に流されたプレーに走るような奴はさっさと退場がお似合いでした。
そしてとりあえず、ベニテスにとっては最後のクラシコになるかもしれないですね 笑
1つ意外だったのは、バルトラの招集外
セントラルが全員戦線に揃ったことで、出番が無いかもしれないとは言え、本人はショックだったでしょう。これからの試合で腐ることなく、実力を発揮してもらいたいところです!
今回の勝利に気を弛めることなく、リーガ優勝に向かって頑張って欲しいですね!!!