第4のデランテロは、来ない可能性にも言及した監督。
血気盛んで乱暴なインコを5-0マニータで下し、リーガ連覇へと大きく近付いた5月8日のリーガ第37節エスパニョール戦から3ヶ月。カンプノウにフットボルが帰ってきます。この10日(水)に行われますのは夏恒例のフィエスタ、今年で第51回となりますジョアン・ガンペル杯。バルサが初めて欧州王者に輝いてから25年目のシーズンであることから、1992年ウェンブリー決勝で対戦したサンプドリアを迎えての試合です。最初の公式戦、セビージャとのスーペルコパが4日後に控えていますので、新加入選手のお披露目としてだけでなく、良い内容で勝って弾みを付けることも求められるフィエスタとなります。
ハイレベルな状態できた新加入選手たち
カンプノウに新しいシーズンの始まりを告げるガンペル杯。新チームのファンへのプレゼンテーションを第一の目的としたこの日は、午前11時からスタジアム周辺で様々な催し物が行なわれます。それはミュージシャンによるライブ演奏であったり、シュートによる的当てゲームやフェイスペインティング、水の流れるすべり台であったり。試合観戦だけではなく、家族連れで早めにカンプノウを訪れ、めいっぱい楽しんでいってねというクラブの申し出に応え、すでに前売り券7万5千枚が売れているのだそうです。ソシオの多くは夏のバケーション中ということもあり、ガンペル杯のカンプノウはいつもとは異なる雰囲気に包まれます(伝聞ですけど)。
このガンペル杯に関し、試合前日会見に現れたルイス・エンリケ監督は次のようにコメントをしています。「シーズン最初の試合はいつだって特別なものだよ。カンプノウでプレーすることに慣れるための出場時間を得る新加入選手だけでなくね。良い思い出のある対戦チームに対し、良い試合をするよう頑張っていくよ」
アンドレ・ゴメス、デニス・スアレス、ルーカス・ディニャ、サムエル・ウンティティたちにとっては、これがバルサ選手として初のカンプノウ体験です。
「新加入の選手たちは皆、フィジカルのレベルが非常に高い状態でやってきている。ほぼ出来上がっているくらいで、宿題をしっかりとやってきたことが窺えるよ。彼らの状態は私の期待した以上だ。彼らは若いけれども有り余る資質を備えている。ポジションを得るために戦っていく気構えが彼らにはある」
新入りさんたちだけでなく、古株選手たちもまた勝利への飢えを失くしていないことを、バルサ監督は称えます。「フットボルにおいては、過去はなんの役にも立たない。信頼は毎日更新しなければならない。私からクレに伝えられることは、選手たちが全員、希望を胸にトレーニングしていることだよ。彼らはまだ何一つ手にしたことがないチームのように見えるんだ。それは監督にとって最高の状況といえるね。グループはこの夏、すばらしく補強されている。さらなる栄光を手に出来るかどうかは私たち次第となるだろう」
良い選手を獲れるチャンスがあるなら活用する
夏の補強は第4のデランテロを残すのみとされるルーチョチーム。新たな9番獲得に関する質問に対しては、獲得できない場合もそれはそれ、との見解を示すルイス・エンリケです。「私には近年で最も完成されたスカッドがある。もし気に入る選手を見つけ、それが今のチームをもっと良くする選手であれば、私たちは契約を試みていくだろう。しかしもしそういう選手がいないのであれば、今のチームで続けていくさ。現在の戦力も本当に豪華な面々だからね」
やはりデランテロ探しは難航しているのでしょう。ガンペル杯が終われば動きがあるだろうとされてはいますが、ルイス・スアレスの代役は見付かりませんでしたとなる可能性もありそうです。
一方、人数が足りているのにアンドレ・ゴメスを追加した中盤はゴージャスです。「セントロカンピスタの数は多いけれど、デニス、セルジ・ロベルト、ラファらは異なったポジションに適応できる。彼らのポリバレント性が、私たちに多くの選択肢をもたらしているんだ。契約に関してはマーケットの事情もあるからね。若くて良い資質を備えた選手が手頃な価格で獲得でき、チームが強化されるのであれば、その機会を活用しないのはバカだろう」
タイトルへの挑戦が惰性になることなく、新たにリフレッシュされた希望を胸に高い意欲でトレーニングに励んでいる選手たち。ハイレベルな選手たちで補強されたチーム。ルイス・エンリケはこの会見で、「少なくとも机上では、私がバルサにいるこの3年間で最高のスカッドだ」と語っています。約8,000万ユーロを投じてここまで4選手を獲得し、戦力ダウンとなる退団はダニ・アルベスだけに止めたバルサ。平均年齢も若返りましたし、たしかに過去3年で最高の面子かもしれません。またこの言葉は、デランテロを獲れない場合に批判を受けるロベルト・フェルナンデスを前もってフォローするものとも考えられます。
ちなみにSPORTウェブのアンケートでは、71%が「エンリケ時代の最高のスカッドだ」と回答しています(715票時点)。その他の主だった質問への監督のコメントは、次のようになります。
サンペール、ネイへの批判、スーペルコパのポルテーロ
■サンペールの去就:「ほかの選手と同じプランだよ。今はまだ選手が加入することもありえるし、出て行くこともありえる。可能性のある動きに注意を払っていくことになるだろう。サンペールはチームに残るかもしれないし、レンタル移籍となるかもしれない」
■五輪ネイマールへの批判:「オリンピックの試合は一つも見ていないんだ。フットボルはチームスポーツだから、批判も称賛も全員で受けるべきだ。にもかかわらず個人に向けられる傾向にあり、それは大きな間違いだよ」「ネイもラフィーニャも強いパーソナリティを持っているから、彼らが影響を受けることはないだろう。私としては彼らの幸運を願っているよ」
■UEFAの欧州最優秀選手賞にバルサ選手、特にルイス・スアレスがノミネートされなかったこと:「今となってはフットボルで私が驚くようなことはほとんどないよ。誰がノミネートされてるのかも知らないんだ」
■ポルテーロ:「ガンペル杯は3人が30分ずつプレーすることになるだろう。全選手が参加する予定だ」「スーペルコパでプレーする選手はすでに決めている」
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