アルベスが去った右ラテラルの主となりそうな多機能選手。
バルセロニスタの大きな愉悦、それはカンテラーノたちの開花です。メッシやイニエスタのように鳴り物入りで昇格してくる選手もいれば、フィリアル時代はほぼ無名だったのに主力となったブスケツやペドロのような例もありますが、数年間は鳴かず飛ばずで放出濃厚ともされたセルジ・ロベルトの開花は本当に嬉しい。先日は彼にとって代表で初の公式戦となったリヒテンシュタイン戦で右ラテラルとして先発起用されると、キレのあるプレーで期待に応え、インテリオールとなった後半にはラ・ロハでの初得点も記録しました。バルサだけでなくスペイン代表にとっても、そのポリバレント性が欠かせぬ要素になろうとしているロベルトです。
「今季は右ラテラルが僕のポジション」
9月7日のMUNDO DEPORTIVO紙はセルジ・ロベルトのポリバレント性(ルイス・エンリケは彼をすでに8つのポジションで起用している)にスポットを当て、“11人のロベルト”なる表紙としています(さすがに不気味^^;)
しかしながらセルジ・ロベルト本人は今季は右ラテラルとして勝負をする、ダニ・アルベスが去ったこのポジションでレギュラーの座を掴むと意気込んでおり、プレシーズンからそのように明言。先日のラ・ロハでの記者会見でも次のように語っています。
「1年前は自分が(次)どこでプレーをするのか知らなかったんだ。僕にとっては新しいポジションとなるラテラルでプレーするのか、本来の中盤になるのかね。でも今年はバルセロナの中盤が補強されたことで、ほぼラテラルとしてプレーをしている。ラテラルで僕は機会を手にしていくだろう。ラテラルでハードワークを続け、全力を出そうと思っているし、もし監督が僕にラテラルでのプレーを求めるのなら、できる限りのことをやっていくよ」
「僕の自然なポジションは中盤だったけど、去年僕らは新しいポジションを見つけ出し、試合に多く出られるようになった。今年はおそらくラテラルが僕のポジションになるだろう。どんどん楽しくなってきてるよ」
フットボル的知性に優れたセルジ・ロベルトは、これから学びを重ねることでラテラルとしての完成度を増していくでしょう。英国でのプレシーズン合宿中、彼はこう言っていました。「ラテラルを僕は快適に感じているし、ミスターにはバルサのラテラルはほとんどいつも攻撃をしているから、僕にとってそう難しくはないだろうと言われるよ。事実、ポテンシャルのあるチームとの試合では守らなければならないけど、大半の試合では僕らが攻めてるだろうしね。でも守備の改善は必要だ。守ることに僕はそう慣れてはないけれど、中盤としてもカバーリングは求められる。だから僕は守備が良くならないといけないんだ」
世界最高レベルの右ラテラル、ダニ・アルベスの後任となるのですからハードルは非常に高いですが、ここまでのところセルジ・ロベルトは豊富な運動量と卓越したテクニックによって右サイドに安心感をもたらしています。レオ・メッシとの関係も上々。自ら課題とする守備も、これから良くなっていくと確信を抱かせます。ラ・ロハにおける存在感も右肩上がりとなるでしょう。
アレイシの逆襲に期待
疲労によるコンディション低下がなければ、先発レギュラーは早くもセルジ・ロベルトで決まりの雰囲気もあるバルサの右ラテラル。今季が勝負の年となるアレイシ・ビダルにとって、ポジション奪取はそう簡単な仕事ではなさそうです。入団2年目となるアルダ・トゥランが実力を証明してきているのに対し、同時加入のアレイシは監督の信頼をまだ勝ち取れていないように見える。夏の親善試合ではロベルトが中盤の穴を埋めていたことで先発起用されていたアレイシですが、公式戦ではスーペルコパのブエルタでフル出場したのみです。
9月6日のMD紙が伝えるところによりますと、ルイス・エンリケはアレイシの試合でのプレーだけでなく、トレーニング中の姿勢にも満足をしていないらしく。同紙は彼がクラブに対して自由移籍を求めた、公けに言われている事とは反対に選手は退団を望んでいたとも記しておりまして、もし事実とするならば、それでロベルトとのポジション競争に勝つのは困難に思えます。ただ、ビダル獲得をクラブに求めたのは他ならぬルイス・エンリケですから、選手が成果を上げられるように工夫するのも彼の任務でしょう。どうにか上手くやれると好いんですが。
もしアレイシ・ビダルが成功しなかった場合に備え、ロベルト・フェルナンデスはすでに行動を開始しているとされます。8月末にはアダマ・トラオレをチェックするためモナコを訪れたことが報じられていますし、若手選手を中心にセルジ・ロベルトを補完する候補選手のリストを作成中とか云々。もちろんベストなのはアレイシが疑念を晴らす活躍を見せ、セルジ・ロベルトにプレッシャーをかけていくことですから、これで終わることなく“逆襲”をしてほしいです。そして外野から適当なことを言っている我々クレをぎゃふんと言わせて。
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