ラジオ局のインタビューで数多くのテーマについて語ったバルサの10番
クラブを離れる考えはなく、その後もバルセロナで暮らしたいと語る
レオ・メッシがバルセロナのラジオ局RAC1の番組 El Món a RAC1 に出演。バルサや自らに関する様々なテーマについて、誠実にコメントをしています。
なかでも一番大きく取り上げられているのは、バルセロナの街でずっと暮らしたいという言葉。史上最高のフットボール選手が自分が暮らしている街で生活を続けていきたいと言ってくれるんですから、そりゃ歓喜します。
「もしみんなが僕のことを欲してくれるなら、僕は喜んでここにいるよ。同じように続けていくのが僕の考えだ」
「今のところ、ここで(キャリアを)終わるのが僕と家族の考えなんだ。まず僕がそう感じているし、家族もこの街で幸せに暮らしているからね。子どもたちの友だちが変わってほしくもないんだ。自分がそうしないといけなかったから、それがどういうものかを僕は知っている」
「小さな頃から(故郷)ニューウェルズやアルゼンチンでプレーすることを夢見てきたけど、良くも悪くもあそこは取り囲むものが他とは違っているからね。でも人は時々、自分の希望よりも家族のことを考えないといけない。一番大事なのは家族だから」
そしてフットボールを引退した後もバルセロナで暮らし続けていきたいとメッシは明言しています。
「僕らはそう考えているよ。先のことは分からないけれど、バルセロナに残るのが僕らの考えなんだ」
2021年でバルサとの契約が終わるメッシ。1年~2年の延長は期待できると見ていいでしょうか。
しんどかった脱税問題
そんなレオ・メッシにも一度、バルセロナでの生活がしんどくなった時期がありました。脱税問題で大騒ぎになった2012~2014年です。あの時はマドリー方面がキャンペーンを展開して、本当にヒドかった。しんどすぎてスペインを去ることも頭をよぎった、とメッシは言います。
「疲れ果てた時期があったね。2012、2013、2014年はかなり悪かった。そう、税務署の件でね。人々は本当に起こっていることを知らず、聞き覚えて意見を言っていたから、僕にとっても家族にとってもすごく難しかったんだ。一部のメディアがそうなるよう手伝っていた。全部ウソだったのは、後で明らかになったね」
「(税務署によって調査を受けたのは)自分が最初だったと思うし、だから全てがハードだった。彼らは僕に全力で来ることで、他の選手にも同じように行くぞと示していたんだ。とても辛かったけれど、子どもたちが小さくて理解していなかったのはよかった」
「その時期は、出て行くことも考えていたよ。バルサじゃなく、スペインを出たかったんだ。自分が不当に扱われていると感じて、ここで続けたくなかった。門も開いていた。でも公式なオファーはなかったよ。僕がバルサに残りたいと誰もが知っていたからだけど、状況は僕のクラブへの感情を超えていた」
グリーズマンはバルサに適応する
2019年夏の目玉補強 アントワン・グリースマンについてもレオ・メッシは語っています。
オペレーションが進んでいる途中、一年前にドキュメント番組を通じてバルサを袖にしたフランス人の獲得をレオが望んでいないとのニュースも流れましたが、これは事実ではないとクラックは否定しました。
「僕がグリーズマンが来るのを嫌がったというのはウソだよ。一年前の自分の発言を僕は覚えているんだけれど、僕はその時、彼がベストの一人だと言った。勝者のプロジェクトのために、ベストの選手が来るのはいつだって歓迎するさ。誰かが来て不都合だったことは一度もないし、その逆だよ」
「ネイマールに戻ってほしかったのも同じ理由だった。彼はベストの一人だから、彼がいることでタイトルを勝ち取る可能性を広げてくれる。出て行き方がアレだったから、別の見方があるのは理解してる」
現在グリジが苦労しているバルサスタイルへの適応については。
「バルサにプレーをしにくるのは簡単じゃないんだ。フットボールのアイディアが違うからね。外部からは簡単に見えても、小さな頃からバルサ哲学でトレーニングをしたことがなくて、メソッドを知らない選手には難しい。すごく資質が高い選手でも、それはまた別なんだ。彼は僕らがここでしているのとは違った方法でプレーをするのに慣れているしね」
「でも僕は彼が適応すると確信しているよ。彼は高い資質を持った選手で、とてもインテリジェントだからね、最後には適応するだろう」
自分ならピケのようには言わなかった
バルサ界隈で少し前によく登場していたテーマ、それが“ロッカールームのパワー”です。バルサ内部では選手たちの発言力・影響力が増していて、何かにつけて彼らの意向が重視されると語られている件。
ヘタフェ戦終了後にはジェラール・ピケが、クラブ理事会の中にメディアに選手たちを害する記事を書かせている人物がいると批判、ピケはバルトメウ会長と個人面談することになりました。
そういった件に関し、バルサのカピタンはまずピケを「裏表がなく、とても賢い」「いつも誠実」「陽気で楽しい」と褒めつつ、ヘタフェ戦後の発言については耳をちょっと引っ張ってこう述べています。
「ジェリは(これからミックスゾーンで語ることを)誰にも何も知らせていなくて、少なくとも僕はそうだったから、彼の発言には驚いたよ」
「ピケがこのクラブにいるようになって何年も経つし、ここでどのように物事が動くのかを彼は知っている。僕ならば、彼のようには言わなかったよ。僕から見ればあれは、事を余計に大きくする行為だったから。チームにとって好ましくない瞬間にね。でもジェリはそういう人で、感じたことを口に出したんだ」
「でも僕ら選手が命令を出しているようなことはないし、それは実際に起こったことが示しているよ。僕が決定を下している、僕が獲るべき選手や出す選手を会長に言っていると言われているけど、そういうのはウソだよ」
「グリーズマンやネイの件では、機能すると思うか、とかどう思うかとか相談を受けて、僕らはチームの利益のために意見を言ったけれど、決断はしていない」
「バルト会長と(サシで)最後に話をしたのは、リバポー戦の後だよ。僕らの間にはなんの問題もない。ミーティングをしていないのは、その必要がないからさ」
ネイマールの白組行きが怖かった
メッシはまた、夏の一大騒動“ネイマールケース”についてもコメントをしています。
「僕は本心から、ある瞬間、もしここへ来なかった場合はマドリーへ行くと考えたんだ。彼は(パリを)出ることに強い意欲を持っていたからね。そう明らかにしていたし、クラブを変えて、パリを去りたがっていた。それで僕はフロレンティノとマドリーが彼を連れて行くために何かすると思ったよ」
「バルサを出ていったことを、彼は後悔していると思う。彼は去ってすぐ、自分が間違いを犯した、悪い決断をしたと気付いた。彼のことを知っているから、そう思う」
でも契約更新ボーナスを支払えとのバルサへの要望は取り下げず、裁判ですからね・・・ レオが非常に高く評価する選手なのは分かるけれど、心情として許せないです。
SPORTでの発言に関しては。
「皮肉を言ったわけじゃなかった。僕は居合わせていたわけじゃなかったから、ネイマールを戻すためにクラブが出来ることを全てしたのか自分は知らない、ということなんだ。自分がネイと話したことは知っているけれど、他の人のことは知らないから」
まだまだあります、メッシコメント
メッシはその他にもたくさんのテーマについて語っているので、挙げていきましょう。
■契約更新
「まだ何もないと思う。父親のことを僕は知っているから。僕は距離を取っているけれど、いつもすごくシンプルだったよ」
■フィジカルコンディション
「まだ100%ではないね。フル出場したのはセビージャ戦が2試合目だったしね。セビージャ戦では、最初に疲れを感じて、あとで動くようになったよ。少しずつだね」
■D10S(フットボール神)という称号
「気にはしてないけれど、好きではないね。悪意なく言われていることを知っているし、敬意がこもっていてステキなんだけれど、大げさすぎると思えるんだ。特に子どもたちは、(D10Sと)聞いて全部リピートするしね・・・」
■イニエスタとチャビの後継者
「アンドレスやチャビのような選手を見付けるのは不可能だから、簡単じゃないと思ってたよ。僕らには90%ポゼッションをする中盤があって、ボールを失った時は5秒で取り戻していたんだ。どうなるかは知っていた。今のチームにはすばらしいセントロカンピスタたちがいるけれど、イニエスタとチャビは唯一無二だし、このチームのプレー方法や哲学も変わるさ。全てが彼らを経由していたからね」
■序盤のもたつき
「スタートで苦労をしたね。でも僕らには全タイトルを狙えるチームがある、それが僕やみんなの考えなんだ。ここ数年の僕らには常に勝者のプロジェクトがあったし、ローマやリバポーで起こったことはプロジェクトや監督のせいではなく、僕らの責任だよ」
■リバポーでの敗北
「あれは僕らの責任だった。特にローマでのようなことがあった後、あれは起こしてはいけなかった。でも僕らは動かなくなってしまい、ローマのことが頭に浮かんだんだ。そして僕らはヒドくなっていった。監督の問題じゃなかった」
■チャンピオンズで優勝できない
「僕らはチャンスをたくさん逃してきたと思う。あと何回か多く優勝できていたかもしれないけれど、考えることと起こることは別だしね。もう何年も優勝していないのは残念なことだ」
■バルベルデの続投
「巷で言われていたような、僕の決断ではなかったよ。バルベルデが続けると決めたのはクラブだし、それは僕にとってもチーム全体にとっても嬉しいことだった。他の監督たちを好きだったように、彼のことも僕らは好きだよ。僕らは彼をサポートしていく」
■バロンデオロ
「受賞しなくても、落胆ではないさ。子どもたちのためにも受賞すればステキだけれど、優先は個人賞じゃないしね。僕が落胆するのは、チャンピオンズで優勝しなかった時だろう」
■衰える時
「毎年考えている。自分が良い状態かどうか、続けられるかを見てるよ。僕はもう苦労が始まる年齢になっているからね。僕は競っていきたい」
「毎年自分を超えていくようトライしてるよ。グアルディオラの時代がかなり特別だったけれど、それから選手としてかなり成長したと思う」
■VAR
「僕は好きだし、支持をしてるよ。でもまだ上手く使われていないと思う。一つのプレーにはいくつもの見方があるし、VARがあっても、僕らはまだ疑いを持っているからね。VARはあらゆる疑いを晴らすためにある。今はまだ、そうなってない」
■チャビ監督
「彼が戻りたいと思って、その意欲がある時に戻ってくるさ。今は監督として形成され準備していってるところで、どこかで戻ってきて、グアルディオラのようになるだろうと思う。自分が選手としてそれを経験するかどうかは分からないよ」
■クリスティアノさん
「クリスティアノがいなくて寂しいよ。マドリーで続けてほしかった。彼はラ・リーガやクラシコ、ライバル関係ににプラスをもたらしていたからね」
■自由時間
「あまり外出するタイプじゃなくて、家で過ごすのが好きなんだけれど、子どもたちがそうさせてはくれないね」
■テレビのドラマシリーズ
「アントネラが熱狂的だから見てるよ。子どもたちが寝て、時間があればなにか見るんだ。今はアルゼンチンの“El Marginal”を見てるよ」
■ビデオゲーム
「すごく遊んでいて、止めて、そして今はまた遊んでるね。ティアゴが僕を試合に呼ぶんだ」
■カタルーニャ語
「いつもカステジャーノ(いわゆるスペイン語)を話してるよ。流暢に話せなくてね。子どもたちは完ぺきにカタランを話してる」
■カタルーニャ十字勲章
「僕にとっては、感動的な栄誉だったよ。僕はたくさんの個人賞を受賞してきたけれど、この賞は意味するものが別だった。自分の人生のサイクルがひとつ閉じたんだ。僕がここで暮らす時間は、アルゼンチンでのものよりも長い。子どもたちはカタランで、マテオが生まれたのは9月11日(カタルーニャ国民の祝日)、これ以上のカタランはないよね。僕にとっては、すべてを締めくくる表彰だった」
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