ただ黙々とトレーニングを重ねてチャンスの到来を待ち、結果を出した
ルイス・スアレス不在のリーガ開幕戦では先発に名を連ねたものの、その後は来る日も来る日も、自らの名前がない招集リストを見続けてきたパコ・アルカセル。セビージャ戦までの出場は先発2試合、途中出場2試合の212分にとどまっていました。リーガでは122分のみの寂しさでした。
チーム内でも際立つ献身とプロ精神
それが、です。誰もがインテリオールの面子に意識を向けていたセビージャ戦で、エルネスト・バルベルデはアルカセルを前線の一角として先発起用。バレンシア生まれのデランテロはこの信頼に、2ゴールをもって応えました。先日のムルシアとの国王杯も、昨季のコパ決勝も、起用されればゴールで結果を出してきたパコです。
結果を出しているのに、継続的に出場機会がもらえない場合、選手でなくとも「なんだよ」とささくれ立った気持ちになりがちです。愚痴の一つも言いたくなる。しかしアルカセルは決して不満を口に出すことなく、監督に求められた時のために100%の状態に整えておく、それに集中しています。
その献身とプロ精神がロッカールーム内で際立っていて、誰にでも真似の出来ることではない、というのが6日付のMD(ムンドデポルティボ)紙です。
序列は低く、不動のレギュラー・スアレスの控え
同紙曰く、アルカセルはこれまで攻撃陣の序列で「9番目」にいました。メッシ、ルイス・スアレス、デンベレ、デウロフェウ、デニス、アレイシで6人。さらにセルジ・ロベルトとアンドレ・ゴメスが優先されて9番目と。たしかに数でいえば、そうなりますか。
ただし、これはアルカセルにとって最大の障壁でもあるのですが、本職のデランテロ・セントロがスアレス以外に彼しかいないのは、ちょっとした心の拠り所だったかもしれません。サイドの選手は数多くいても、中央のスアレスに何かあれば、一気に序列は上がるわけです。
とはいえ、そのスアレスはガチの不動先発ですから、機会到来を信じて黙々とトレーニングを重ねるのは決して楽ではない。いや、バルサのオファーを受けると決めた時点で、パコの覚悟はできていたか。
任務を命じられれば結果を出すのですから、アルカセルはいわゆる“チーム内観光客”ではありません。その選手がスアレスの控えを、いつ訪れるとも分からない出番を受け入れる。その覚悟はかなりのものでしょう。
移籍は考えない。バルサで最高選手たちから学ぶ
2ゴールを決めたセビージャ戦の終了後、パコ・アルカセルはテレビ局 BeIn Sports の取材に対し、こう語っています。「自分が欲しいもの、望んでいるものを僕はハッキリ知っているからね。ここでハードワークを続けて、世界最高のデランテロ(FW)であるルイス(スアレス)やレオ(メッシ)からたくさん学んでいきたいんだ」
「スカッドは層が厚く、週末毎に招集リストから外れる選手が出ることになる。ミスターがくれるチャンスを活かすためには、ハードワークを続けないといけない」
アルカセルがセビージャ戦で見せた、攻守に非常にハードに走る仕事ぶりは、日々のトレーニングの成果です。世間が「戦力外」だと言っている間に、彼はバルベルデの4-4-2で生きるためのオプションとなるべく奮闘していた。ミスターもパコも良い仕事してます。
このニュースのまとめ
- ・出番の少なさを一切愚痴らず、出番到来に向けて黙々と準備したアルカセル
- ・序列も低かったが信念を捨てなかった
- ・「自分が望むものはハッキリしている。ここでルイスやレオからたくさん学びたい」
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