目に涙を浮かべながら、誠実に思いを語ったカピタン
FCバルセロナのカピタン、アンドレス・イニエスタが昨日、クラブのトレーニングセンターで記者会見を行いました。その目的は、今季限りでのバルサ退団を公に発表すること。目に涙を浮かべながら、我らのドン・アンドレスは今季で22年にわたったバルサ生活が終わりになると語っています。
イニエスタによる記者会見は4月27日(金)の現地時間13時30分に始まりました。
満員となった会見室にはジュゼップ・マリア・バルトメウ会長を初めとした理事会メンバー、クラブ執行役員、エルネスト・バルベルデを筆頭とするテクニカルスタッフ、そして私事によって欠席したレオ・メッシとルイス・スアレスを除くスカッドの全選手たちの姿が。
両親やアンナ夫人と子どもたち、イニエスタファミリーも勢揃いしていました。
進行係さんから紹介を受けたイニエスタは、しばしの間言葉を発することができず。出席者が固唾を呑んで見守るなか、次のように語り始めています。
「みなさん、こんにちは。この記者会見は、今シーズンが僕のバルセロナでの最後の一年になることを発表するためのものです。僕は自分自身や家族と何度も何度も考え、この決断を下しました。ここで22年間を過ごした僕は、このチームの選手であることの意味を知っています。僕にとっては世界最高のチームです」
もう自分のベストを与えられない
以前のラジオ番組で、バルサでプレーするためには200%が出せなければならないと語っていたイニエスタ。人生のクラブを退団すると決断した理由はやはりそこにありました。
「一年一年ここで求められることの意味を、あらゆる意味で僕は知っています。このクラブでカピタンを務めることの責任も知っています。だから僕は自分自身や僕に全てを与えてくれたクラブに誠実に、自分の時期は今年で終わりだと理解しているんです」
「12歳の僕を快く受け入れてくれたこのクラブは、ベストの自分に相応しいと理解していますし、近い将来、僕はフィジカルでもメンタルでもベストを与えられなくなるでしょう」
ドン・アンドレスであれば、八割くらいでも他選手より十分重要な存在ですが、彼はそれでは納得できない。涙で言葉に詰まりながらも、イニエスタは続けています。
「僕は自分も、他の誰も騙したくはありません。僕は34歳となり、これからは全てにもっと苦労していくようになると分かっています。それが人生の掟です。新たな挑戦の扉を開き、ここと同じように幸せになれるよう頑張っていきます」
「今日は僕にとって、とても難しい日です。僕は人生の全てをここで過ごしてきましたし、自分のカサ(家)やビダ(生活、命、人生)にサヨナラを言うのはとても難しいですから。でもここでのこれからは、どんどんさらに難しくなっていきます。僕に全てを与えてくれたクラブにいて、気詰まりな状況を過ごす自分を僕は許せないでしょう。それは僕にもこのクラブにも相応しくない」
感謝
イニエスタはまた、周囲への感謝の言葉を語っています。
「チームメイトや、日々一緒にいる全ての人たち、彼らがいるからこそ僕はより良くなっていけます。僕に愛情を示してくれたファンや、全ての人たちにも感謝します。一人の人間として、それはある種信じられないことです」
「そして僕の両親や姉。22年前、一台の車でここへと来た彼らが、今日僕とここに居てくれています。あれから22年、僕は人生で出会った最もすばらしい人、妻と僕はここに居ます。彼女は僕を毎日幸せにしてくれる。僕らは三人の宝物に恵まれました。それが僕らの人生で最も重要なことです」
報道陣との質疑応答に入る前、イニエスタはまたクレに対しても感謝を伝えました。
「12歳から僕の成長を見守ってくれた全てのクレにありがとうと言いたい。彼らは良い時も悪い時も僕に寄り添ってくれました。その愛情を僕はいつまでも心の中に仕舞っていくでしょう。みんなありがとう。みんなの愛情が少しずつ集まることで、スポーツ面でも人間的でも僕をより良くするのです」
コメント