フィジカルが足りないことを理由に、契約更新しないと通告したとか
3試合で900万ユーロが金庫に収まったUSA興行ツアー2018は、ラ・マシアの若者が存在感を示すうえでも役立ちました。特に有意義だったのは左ラテラルの控えになるであろうファン・ミランダと、一躍名を売ったリキ・プッチ。元々メディアのお気に入りだったリキは、ちょっとしたスターです。
そのプッチも半年前には、バルサ退団の危険にさらされていました。その状況を救ったのはバルベルデだそうです。
敵将が称えるエピソード
この8月初旬、新加入選手以外でもっとも話題を集めたのはリキ・プッチ(Riqui Puig)でした。
18歳の小柄なセントロカンピスタはとりわけACミランとの試合で輝きを放ち、攻撃のタクトを振るってバルサのプレーを創出。伊チームのガットゥーゾ監督には「スペクタクルだ。彼はまるで詩のようだ」と称賛され、伝説のマッサーロからは試合後にユニフォームを求められただけでなく「新しいイニエスタ」と最大級のお世辞をもらいました。
相手監督からベタ褒めされるといえば、2005年のガンペル杯でメッシを称えたファビオ・カペッロ(ユベントス)を思い出す。リキがレオのように傑出した選手になるか、本当にイニエスタのようになれるかどうかは今後の研さん次第とはいえ、ファンに夢を抱かせる存在なのは確かでしょう。
クラブは彼を、特別扱いしすぎたりプレッシャーを与えすぎてダメにしないよう、しっかり育てていかねばならない。
今のところは「イニエスタに並ぶのは不可能だよ。お世辞は横へ置いて、自分のチームであるフィリアル(Bチーム)で働き続けていくよ」と地に足を付けたコメントをしているリキ・プッチです。
フィジカルの不足を、ビジョンで補う
リキ・プッチを見てまず感心したのは、あの細い身体で屈強な大人たちを相手にし、闘士ガットゥーゾを唸らせた点です。
8月6日付のSPORT紙によると、バルサ入団当時(13歳頃)の彼の体重は40kgほどしかなかったというので、日本人の平均と比べても相当細い。ずっとチームの中心だったわけでもなく、フベニールB時代には複数のチームメイトたちがフベニールAに昇格するなか、Bに残る悔しさも味わったそうです。
こちらはジョルディ・アルバを思い出させますね。
そうして元々メディアプンタだったリキは中盤でのプレー方法を覚え、ライン間を巧みに動いてはエリアへと入る危険な選手となっていった。
ペップ・グアルディオラやチャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタが、フィジカルで上回る相手からボールを失わないための技術を習得していったように、リキもこれからもっとリキらしくなっていくのでしょう。
バルベルデが放出を止めた
8月6日付の一般紙EL PAISによると、バルサはこの宝石を自ら捨てる直前までいっていました。
半年前、フィジカルが足りなすぎると判断したペップ・セグラ(スポーツマネージャー)が、リキの父であり代理人のカルロス・プッチに契約更新を行わないと通告していたというのです。
そしてリキがトッテナムへ移籍しそうだとザワザワした春。
(※バルサメソッドの生みのの親ジョアン・ビラとの契約を延長しなかったり、このリキとの契約も延長しない考えだったり、大丈夫かペップ・セグラ?)
幸いだったのはそれを知ったエルネスト・バルベルデ(夏のツアーで試そうと考えていた)が強化技術部に考え直すよう促したことと、バルベルデの考えを知った父プッチがジョゼップ・マリア・バルトメウ会長に面談を求め、会長が契約更新を即断したことでした。
内部の実際は分からないですが(いろいろ説はあるので)、リキの残留がチングリさんのおかげであるなら感謝。トレーニングへの招集ぶりを見ても、監督がリキに期待してるのは間違いないので、ファンの要望と上手くバランスを取りながら育ててもらえればと思います。
コメント
これが本当なら驚愕ですね。
ライカールトの時代ならいざ知らず
チャビ、イニエスタ、ペップのプレーモデルを経た後で、まだフィジカルがどーのこーの言っているとは信じられない。
内部闘争もあるでしょうから、とりあえず話半分で聞いときます。
件のリキはチャビとイニエスタと同じ間合いを持ってますね。
常に自分の間合いにボールを隠し、相手はファールしないとボールに触れないというやつです。
チャビ・イニエスタと同じく幼少時から体が小さくフィジカルに劣っていたので、それを補うべく修得したのでしょう。
体の強い子は体の強さで勝負するので身に付きにくい技術だと思います。
チャビ・イニエスタのお陰で、このような細かい体の使い方がレフェリングで保護されるのもリーガの醍醐味でしょう。
ライン間で受け前を向く所とか、ライン沿いに横に移動しながらタメを作る様はチャビ・イニエスタそのもの。
ボールの動かし方が相手のギャップを突いたり、ギャップを作ったりするので対面するマーカーはかなりフラストレーションを持ってましたね。
敵も味方も動かすという点ではメッシをも彷彿させると言ったら褒め過ぎか?
ここまで堂々と自分のプレーを出せるのは、よっぽど自信がないと出来ない事。
メンタルも大したもんです。
とても18歳とは思えない。
ただ潰しに来られた時のフィジカルは怪我をしない為にも絶対必要です。
焦らず数年かけて取り組んでもらいたい。
出来ればメッシ位の強さになって欲しい。
まあフィジカルは自然と向上してくので4年後のレギュラー定着は間違いないでしょう。
気になるのは、このような選手を擁しながら降格したバルサBの事。
神宗一郎みたいですね