契約更新の行く末より、心身の疲労が気になる
エルネスト・バルベルデが契約更新を迷っている、との記事を10月14日(日)のSPORTが大きく報じています。
バルベルデとバルサは2017年初夏に2年+1年延長オプションの契約を結び、今季はその2年目にあたります。延長オプションを行使するなり契約更新をしなければ、ミスターのカンプノウ生活はあと8ヶ月弱で終了となる。
バルベルデがどういう結論を下すにせよ、これに関してはもう数ヶ月の成り行きを見守るしかありません。ジュゼップ・マリア・バルトメウ会長が決断時期の目安としている、来年春を待つまでです。
もっと気になるのは、迷いの背景にバルベルデが疲れを見せ始めたことがあるとする点。
バルサ号を率いていくには巨大なエネルギーが必要ですから、秋にして指揮官が疲れてしまったとなると、目的にへたどり着くのは困難です。それは困る。
バルサの監督は疲労する
ペップ・グアルディオラとルイス・エンリケ。
バルサを率いて輝かしいタイトルを獲得した個性の強い彼らが、退職の際の理由としたのが疲れでした。体力と精神力の塊のようなルーチョでも、3年で疲れた。バルベルデはもっと繊細そうなので、そろそろ疲労の兆候が見えてもまあ、不思議ではありません。
バルサ監督が消耗する二大要素は、SPORT紙によると
■記者会見
■ロッカールームの管理運営
のふたつです。
バルセロナは常勝を義務づけられただけでなく内容も厳しく問われ、平日開催の試合がある週は4度も記者会見に臨まねばならない。不用意な発言をすると、すぐにメディアに見出しにされる。
ロッカールームの方は、長年の間に出来上がったヒエラルキーの扱いに非常に気を遣う模様で、選手たちは一様に「ミスターが決めたことに従う」というものの、下手な扱いをするとロッカールーム内がざわついたりするのでしょう。
バルベルデは特にチーム内のバランスに気を遣う監督といいますし、重鎮選手たちからは不満の兆候も見えないので、またローマでの大失態みたいなことをやらかさないかぎりは大丈夫のように見えます。
ただSPORTによると、クラブは記者会見やチーム運営に監督の疲れを認めて始めいるそうです。
「困ぱいするまでには確かな余裕がある」
エルネスト・バルベルデ自身は9月22日のジローナ戦前日会見において、すでに疲労困ぱいしたかどうかを訊ねられ、次のように答えています。
「シーズンの終わりにここで何が起こっているのかは分からないけれど、疲労困ぱいするまでには確かな余裕があるさ」
ビデオゲームでいうと、HPのゲージはまだ青が大半だというミスター。
ならばはこの「疲労困ぱいまでの確かな余裕」が春過ぎまでにどのラインまですり減ってきているかです。
その消耗を遅らせるために必要なのは、矢面に立ってもバルベルデを守ろうとする“傘”の存在でしょう。
ロベルト・フェルナンデスという後ろ盾が去った
SPORTはもう一つ気になる部分があり、それはバルベルデに賭けたロベルト・フェルナンデスが強化技術部長を退職したことで、監督が理事会からも強化技術部からもしっかり守られていると感じなくなっているらしい点です。
つまりは悲しいかな、エリック・アビダルの強化技術部とはあまり波長が合っていないということ・・・。
そういう環境ではなかなかエネルギーを補充し続けるのも難しいですし、クライシスも発生しやすくなってしまいます。長いシーズンを順風満帆に乗り切れるとも考えにくいので、そこでバルベルデに踏ん張るパワーが残っているかどうかです。
レオ・メッシが目標だと公言するチャンピオンズを獲るためには、チームを正方向のうねりが包み込んでいかねばならない。
指揮官が疲れていてはそんな勢いは望めませんから、どうかあと7ヶ月とちょっと、エルネスト・バルベルデのエネルギーゲージが赤くならないように理事会も強化技術部もしっかりサポートをお願いしますよという話でした。
このニュースのまとめ
- ・バルベルデが契約延長を迷っているらしい
- ・クラブは監督に疲れの兆候を認めているという
- ・バルベルデは「まだ確かな余裕がある」とコメント
- ・後ろ盾だったロベルト・フェルナンデスはもういない
コメント