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アルトゥール、2年目の進化中

入団2年目、フィジカルや戦術面で進化を見せるブラジレーニョ
攻撃での存在感を増し、違いを示すようになってきている

2019/20シーズンのバルベルデバルサにおいて、一歩前進したな、と思うのはアルトゥール・メロです。文字どおりゴールへと向かって前進をしていますし、メンタル面でも前に進み出る勇気を持つようになっている。2年目の進化は明らかで、彼を見るバルセロニスタの目尻は自ずと下がります。

入団1年目からバルサに適応

ボールプレーヤーを中心としたフットボールへと軸を移すべく、試行錯誤している今季のエルネスト・バルベルデ。開幕から不安定な結果が続いていましたが、インテリオールにアルトゥールフレンキー・デ・ヨングを組ませるようになってから、徐々に安定感が出てきました。
これから熟成が進めば、バルサの中盤はまたかつての輝きを取り戻すんじゃないか、そんな夢を抱かせるペアです。

バルサのDNAを備えたインテリオールとか言っても、南米直輸入の選手がバルサでやっていけるのか?
そんな疑念をアルトゥールはすぐさま称賛へと変えました。そのボールコントロールやらポジショナルプレーは、まるでラ・マシアで学んできたかのようで。ブラジルのチャビ、なるニックネームは誇張ではなかったと彼はすぐに示しました。

それでも初年度ですから物足りなさもあり、それが90分を通してプレーし続けるフィジカルがなかったこと(そけい部痛に悩まされた)や、縦方向への勇気あるパスがほとんどなかったこと(横へのつなぎ中心)だったことなど。

そのあたりが改善された2019/20のアルトゥールは、よりチーム内の主役度を増しつつあります。
2年目のジンクスを軽く蹴散らし、定位置を確立しそうな様子です。

コパ・アメリカが心身両面で有益だった

バルサに加入して2シーズン目となる今季、アルトゥール進化のポイントとして10月13日のSPORT紙が挙げているのは次の5つです。

  • 適応が進んだ
  • コパ・アメリカで得た自信
  • 違和感にさらば
  • 攻撃的な才能
  • ロッカールームの敬意を勝ち取った

何気に大きかったのが、ブラジル代表として出場し優勝したコパ・アメリカだったようです。
プレッシャーのかかる母国開催の大会で先発レギュラーとして第2戦以降の全試合に出場し、うちフル出場も5回あったこの大会。ブラジル復活のカギだと称えられましたし、大会ベストイレブンにも選ばれ、ここで手にした精神的・身体的な自信がアルトゥールを一回り大きく成長させたのは間違いないです。

セレソンで中心的役割をやってのけたことによる精神面の成長。
そして身体面では、休養とブラジル代表のトレーナーのおかげで、アルトゥールはそけい部痛から解放されたそうです(SPORT)。

バルセロナには合流が遅れ、公式戦出場はラ・リーガ第3節からとなりましたが、その後の進展は順調で第6節のビジャレアル戦にてバルサで初となるラ・リーガフル出場、続くヘタフェ戦、インテル戦と3試合連続で90分間プレーを続けています。

試合に出続けられる身体の強さも成功には必要なので、これからのアルトゥールにはさらに期待ができます。

攻撃面での決定的なプレーが増えた

あとはそう、失敗しないことを優先してパスを出していた感があったのが、リスクを冒して敵陣の急所を狙うようになってきたのが大きな変化です。

プレーするエリアも数メートル前進し、センターサークルよりも相手ペナルティエリアに近くなってきた。チャンスシーンでよく顔を見るようになり、シュートも積極的に放つ場面が増えています。

その変化は数字にも表れており、ここまですでに得点が2つ(オサスナ戦、ビジャレアル戦)とアシストが3つ(バレンシア戦、セビージャ戦の2回)。
昨年は得点ゼロ、アシストが2つ(リーガ第1節アラベス戦、コパ準々決勝セビージャ戦)だったので、チームに勝点をもたらすプレーが増えているのが分かります。
入団1年目は無難に役割をこなすことを優先し、プレーにブレーキをかけていたのだけれど、今季はバルベルデに一皮むけることを求められ、備わっていた攻撃的な才能を花開かせ始めた・・・ という感じです。

これもブラジル代表での活躍が効いてますよね。

こういう“前に出る”というのは責任を引き受けることでもありますから、チーム内外で評価もされます。
くわえて決定的なプレーが出来る(違いを見せられる)ようになってくると、自ずとチーム内での信頼は高まり、ヒエラルキーも上がっていく。もっとシーズンが進んでいけば、“ドン(首領)”的な風格を醸すようになっているかもしれません。

(その裏ではイバン・ラキティッチの冬退団もささやかれるのですが、そちらはまた別の機会で)

それにしてもアルトゥールの才覚を見抜いて獲得したロベルト・フェルナンデスは慧眼(けいがん)でした。

 

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