退団への不安を煽るウワサはあるものの、選手はバルセロナで快適な様子
唯一の問題はお金
コロナウイルスを巡って危機管理のあり方が議論されている今日この頃。フットボールクラブにおいては支柱となる選手との契約を無事延長することも危機管理です。バルサ周辺で数日前より話題となっているのが、守護神マルクアンドレ・テル・ステーゲンの契約延長話。クラブと選手側は2024年までの延長を目指して交渉中です。
バルサスカッドの不動のレギュラー
現在のFCバルセロナのスカッドのなかで、最も決定的な選手の一人がゴールを守るマルクアンドレ・テル・ステーゲンです。クラブが優先して守るべきクラックであり、給料を弾んでも異論の出ない不動のレギュラー選手。ファンとしましては、是非カピタンズの一角を担ってほしいほどです。
そんなテル・ステーゲンとバルサの契約は、2022年6月末で終了する。
前回の契約更新が2017年5月でしたからもう3年近くが経過、その間に報酬条件なども実情に合わなくなっていることで、クラブは各条件を向上させると共に期間も2024年6月まで延長するべく話を進めているようです。
マドリー方面のメディアは、「マルクアンドレはバルセロナでの居心地が悪くなっており、契約を延長しないだろう」(AS)と報じていますが、バルセロナ系は「彼の唯一の優先はバルサ残留」(SPORT)とネガティブなウワサを否定。
MDも含め、交渉の焦点は給与条件のみ、という見解です。
2017年の契約が時代遅れに
バルセロナとテル・ステーゲンが前回契約を更新したのは2017年5月です。
彼がカンプノウの門をくぐったのは2014年夏のこと。まだ若かった彼(22歳)をルイス・エンリケはカップ戦担当のポルテーロとして2シーズン起用し、2016年春~夏には、第一ポルテーロとして使われないのであれば移籍という緊張も生じました。
その結果、クラウディオ・ブラボがマンチェスター・シティへと移籍し、クラブから絶対の信頼を受けたステーゲンが第一ポルテーロとなった後の契約更新だったわけです。
そこからの彼の成長はご存じの通りで、世界最高のポルテーロのひとりと言われて久しい。
2017年当時とは契約内容が不釣り合いになり、かつトップポルテーロ市場の高額化もあって1億8,000万ユーロの契約解除金も安全ではなくなってきたため、バルサと選手側は昨年末から契約更新に向けて動いている模様です(すでに4回の話し合いがあったとSPORT)。
バルセロナ生活を気に入っている
テル・ステーゲンに関しては、バルセロナ方面でもスカッド内での居心地が悪くなっているというような話は出ています。ベルナベウクラシコでイスコの決定機をパラドンした際、チームメイトの誰ひとり彼の元へ来なかったことに彼は驚いた云々。
でもSPORT3月9日号によると、「テル・ステーゲンはバルサとバルセロナの街を気に入っていて、出ていく考えは全く無い」。「他クラブと交渉しているとのウワサは事実ではなく、選手は不快感を抱いている」と述べています。最優先はもっと長くバルサに残ることだと。
MD3月7日号も同様で、ミゲル・リコ副編集長が「カステイダフェルス(※)に家を建てているところ」「カタルーニャ生活を気に入っている」と伝えています。
※ Castelldefels :バルセロナ南西20kmにある町で、メッシたちの家もある。テル・ステーゲンは現在、バルセロナ市内の高台にある高級住宅地で暮らしているはず。
世界トップに見合った給与を求める
ただし、それと要求とは別の話です。
世界最高のポルテーロのひとりとなった以上、それに見合う年給を求めるのは当然のこと。少なくとも他クラブの看板ポルテーロに匹敵する給与条件をバルサは提示しなければなりません。
この3年間に複数の主力選手が契約更新する様子をマルクアンドレは見ているわけで、自分も、となりますよね。
そこで問題となってくるのは、お馴染みの「サラリー総額問題」です。
バルセロナのクラブ運営費における選手給与の割合はもう限界に近づいているので、たとえテル・ステーゲンであろうと上げる余裕はあまりない。高給取りの選手をドナドナするとかしないことには、厳しいようです。
(テル・ステーゲンのサラリーをさくっと増額する余裕もないのに、ネイマールとかどうするつもりだと改めて思う)
バルサはレオ・メッシとの契約更新も目論んでいますし、それらと組み合わさったスカッドの刷新がこの夏はありそう。若手へのシフトが中心になりますが・・・ 難題を上手くクリアできますでしょうか。
このニュースのまとめ
- ・世界最高ポルテーロのひとりとなったテル・ステーゲン
- ・前回の契約更新は2017年5月で、給与条件などが現状と合わなくなっている
- ・選手はバルサ残留を最優先とするが、相応しい報酬を希望
- ・バルサの金庫に余裕はない
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