クラブと選手側は、来週の会合にて契約更新成立を目指す
当初は給与条件で折り合いが付かなかったが、選手が理解を示し合意へ
2020/21シーズン最初のエル・クラシコ@カンプノウは、10月24日(土)16時キックオフでほぼ決まりのようです。この大一番に復帰を間に合わせるべく、リハビリを進めているのがマルクアンドレ・テル・ステーゲン。クラブはそれと平行して正守護神との契約交渉を完了させるべく取り組んでおり、来週にも合意を正式発表したい模様です。
要望は貢献度に見合ったクラックとしての報酬
マルクアンドレ・テル・ステーゲンは現スカッドにおけるアンタッチャブルズの中でも、特級のアンタッチャブルです。ゴールエリアのメッシとも評され、彼がいたことで勝点を拾えた試合は数多い。
バルサはその守護神との契約期間を延長し(現在は2022年6月末まで)、かつ報酬を活躍に見合ったものとするべく、昨年末から交渉を続けてきました。
テル・ステーゲンの希望は、交渉開始当初からバルサ残留が最優先でした。
それは彼の言動の端々から伝わってきていた。なので今年春頃、コロナウイルス危機の影響で交渉が停滞していると報じられた時期も不安感はなかったし、まるでカンテラーノと話し合っているかのように、(理事会がバカをやらないかぎりは)最終的にバルサを選ぶとの確信があったのです。
交渉のポイントは、貢献度に見合った報酬への改善、でした。
チームを何度となくピンチから救ってきた、世界屈指のポルテーロ。ビルドアップにも大きく貢献している主軸で戦術の土台。在籍も7シーズン目に入り、チームを引っ張る存在となっている。なのに給与が中の下クラスでは全く割に合わないので、スカッドのS級ランク(1,000万ユーロ~)に上げることが、選手側の譲れぬ要望となってきました。
他クラブのオファーをちらつかせず
テル・ステーゲンに惚れ直してしまうのは、彼がバルサとの交渉において、他クラブのオファーを一切テーブルに上げなかったという点です。
現在フットボール市場では優秀なポルテーロの価値は高く、バルサとの交渉が停滞していたテル・ステーゲンの元には、複数のビッグクラブから引き抜きの打診があったでしょう(チェルシー、バイエルン、ユベントスなど)。これらのオファーは、バルサへの圧力として使えます。
しかし彼はそういったことをしなかった。ただバルセロナとだけ向き合い、まっすぐに要望をぶつけ、クラブとの交渉の着地点を目指してきたのです。他のオファーをちらつかせるのも戦略なので、悪くはないのですが、しなかった選手への好感度は否応なく増し増し。
そんなこともあってか、バルサはロナルド・クーマンとの契約交渉の際、アシスタントコーチを選ぶ自由を提供した反面、ポルテーロコーチだけはクーマンの希望を受け入れず、ホセ・ラモン・デラ・フエンテの続投で通したそうです。どうしてスアレスの時にできなかったのかと思う心遣い。
そうこうして交渉は間もなく合意へとたどり着きます。
段階的な昇給を了承
交渉のボトルネックになってきたのは、FCバルセロナの厳しい金庫事情です。
選手のサラリー総額が膨張し、これ以上膨らませれば破裂してしまう風船のような状態だったところへ、コロナウイルス感染拡大に伴う収入減が襲い、さらなるサラリー総額の圧縮が必要になった。クーマンが希望したメンフィス・デパイを獲れなかったのも、ここが故でした。
そこでバルサがテル・ステーゲンに提案したのは、段階的な昇給です。
最初は希望額に達しない給与になるものの、シーズン毎に増額されていってラスト2年でぐんと増し、2024/25までバルサでプレーすることで総額は希望に届く・・・ みたいな条件。クラブとしては、その頃にはレオ・メッシも退団しているとの計算もあるでしょう。
選手側もクラブ(やフットボール界)の状況に理解を示し、当初は難色を示していたという条件で了承をした模様です。
エル・クラシコ前に決着させたい
ジュゼップ・マリア・バルトメウ会長は、この合意発表をエル・クラシコ(10月24日)前に行いたいと目論んでいると報じられています。
カタルーニャ州政府の認可待ちではありますが、その次の週末には自分たちに対する不信任投票が予定されていますから、マドリー撃破(あわよくばユベントス撃破も)との合わせ技とすることで、続投支持派を増やそうという目論見か。贔屓のメディアはバルトメウはよくやった、とその仕事を称えるでしょう。
それとこれとは別問題ですがね。。ステーゲンとの契約更新は「ご苦労」と労いつつも、バルト一味にはここまでクラブのイメージを汚し、メッシに退団を決意させた責任を取ってアディオスしてもらう。
満面の笑みでテル・ステーゲンと握手するバルトメウとかも見たくないのですが、最後の花道ってことで我慢します。きっと良い別れになるな。
エル・クラシコ出場を目指す
そしてマルクアンドレはそのエル・クラシコに間に合わせるべく、8月18日に受けた右ヒザ・膝蓋腱の手術からのリハビリを鋭意進めているところです。
復帰まで2ヶ月半の診断でしたから、期間的にはぎりぎり。その4日後にはトリノでのユベントス戦も控えています。
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