メディアの話題の中心は、来季のチーム構想へ。
ペップ・グアルディオラのアディオスも、コパファイナルまではとりあえず一段落した今日この頃。すでに半ばシーズンオフと化した雰囲気の中で、バルサ系メディアの関心事は来季のチーム編成へとシフトしています。スビサレッタは本格的な活動開始はコパが終わってからだと言っていますが、外野が楽しむ分にはそんなのは関係なし。補強が確実視されているのはセントラル、左ラテラル、そしてデランテロの3選手です。
◇11人の補強候補たち
5月2日、バルサのスポーツディレクターであるアンドニ・スビサレッタがバルサTVの中で次のようにコメントしています。「25日にあるコパの決勝が終わってから、来シーズンのプランニングを始めていく予定だ。クラブとチームの優先事項を、私たちは尊重しなければならない。ペップやティトとはシーズンを通して、チーム計画について話し合ってはいるけれどね」。これはクラブとしての補強活動を本格化させるのが26日以降ということです。スビがこの夏に獲得を目指している選手のリストは、すでに粗方でき上がってる(ハズ)。そしてSPORT紙が大見出しで報じるところでは、志望する3人はチアゴ・シルバ、ガレス・ベイル、ロビン・バン・ペルシーだそうです。
しかしもちろん、各ポジションにはそれぞれ第2、第3の候補選手もいる。SPORT紙のリストをそのまま紹介しますと、それぞれに次のような感じとなっています。
【左ラテラル】
●ダビド・アラバ(バイエルン・ミュンヘン)。オーストリア人。19歳。2シーズン前、バン・ガールによって見出された。強いフィジカルとポリバレント性が魅力。ダイヤの原石。
●ジョルディ・アルバ(バレンシア)。スペイン人、ラ・マシア出身。インテリオールとしてもプレーできる。ラ・ロハでも常連。
●シケイラ(グラナダ)。ブラジル人。今シーズン7ゴールと得点力もある。安さが魅力だが、若干賭けの度合いが強い。
●ガレス・ベイル(トッテナム)。ウェールズ人。世界最高の左ラテラルと評される。今季は公式戦13ゴール。とても高い。
【セントラル】
●チアゴ・シルバ(ACミラン)。ブラジル人。27歳。ティト・ビラノバの最優先希望選手。ウィークポイントは特にない、無欠のセントラル。
●ハビ・マルチネス(アスレチック)。スペイン人。ひと粒で二度美味しい選手。ビエルサによってセントラルにコンバートされたが、元々はセントロカンピスタ。豊富な経験を持つが、まだ23歳。
●ヤン・ベルトンゲン(アヤックス)。ベルギー人。マーケットの注目株の1人。スピードがあり、現アヤックス監督フランク・デボエルがバルサ入りを推薦。さらに今季は10ゴールをあげている。
●ダビド・ルイス(チェルシー)。ブラジル人。非常に高いテクニックをもつ。攻撃面でもプラスをもたらす選手だが、時折集中力を失うことあり。
【デランテロ】
●アドリアン(アトレチコ・マドリー)。スペイン人。24歳。今シーズン頭角を現した選手の1人で、19ゴールをマーク。これからまだ伸びるであろう注目株。
●フェルナンド・ジョレンテ(アスレチック)。スペイン人。イブラのようにトラブルを起こす心配のない長身デランテロ。引きこもるチームに対しての”プランB”となりうる。空中戦のマエストロ。
●ロビン・バン・ペルシー(アーセナル)。最も活躍が期待でき、おそらくは最も高価。今季はキャリアでベストの活躍(37ゴール)をし、ガナーズではタイトルを勝ち取れないであろうことを知っている。
いつものことながら、こういったリストを見ると毎年ワクワクさせられます。しかしこうしてメディアに名前が挙がる選手だけではなく、水面下で上手に交渉し、突然あっさりと移籍が発表されるケースというのもさほど珍しくはありません。そういうサプライズもまた楽しみのひとつです。
◇ネイマールは2013年
さて上記のリストには、バルサ入りがウワサされているネイマール(サントス)の名前がありません。それは何故かといいますと、彼はあともう少しだけ、ブラジルで土台固めをするつもりだから。SPORT紙の報じるところによると、ネイマールは2013年のバルサ入団に向け、ただいま準備を整えているところだそうです。
サントスは今年、創立100周年を迎えているらしく、サンパウロ州選手権の3連覇に王手をかけています。もし3連覇となれば、王様ペレの時代にも達成できなかった快挙。さらにはリベルタドーレス杯を連覇し、その勢いで今年はバルサのいないクラブムンディアルも制したい!サントスに最高の栄冠をもたらし、そしてヨーロッパへ行きたいと、ネイマールは願っている(そうな)のです。
SPORT紙の記事は、バルサとサントスは契約が満了する2014年での移籍ではすでに合意しているそうです。あとはそれが1年、あるいは2年早くなるかどうか。クラブがブラジルや南米、世界を制し、ネイマール本人も”時は来た”と思うならば、予定よりも早いバルサ入団があるという具合です。
現在20歳のネイマールは、まだまだ成長の途中にあります。サントス医療部の見立てでは、21歳を迎える2013年にフィジカルはおおよそ出来上がる。174cmの身長もまだ少し伸び、スピードを落とさずに筋肉量も増え、持久力も身につく。そこからが彼の、本当のポテンシャルが発揮されていく時というわけです。そしてその記事曰く、ネイマールはサントスがバルサと合意しているのを知っていることで、目の前の試合に集中し、才能を発揮することができる。あとはいつバルサのユニに袖を通すか、それだけだそうです。信じるか否かは、あなた次第。
◇最優先はチアゴ・シルバ
そんなわけで、2012年夏のバルサの最優先補強ポイントはデフェンサとなります。交渉が上手く運び、チアゴ・シルバとガレス・ベイルを獲得できれば最高。でも予算的にはけっこう難しい。メディア情報によると、バルサのこの夏の補強資金は、何人かの選手売却も合計すれば最大1億ユーロあたりになると言われています。とはいえ、すべてを第一志望でというのはまず不可能。どこで上手く折り合いを付けていくかがフロントの重要な任務となります。
ティト・ビラノバがまず一番に補強を求めているのが、ミランのチアゴ・シルバだそうです。ウワサされているようにセイドゥ・ケイタが退団することになれば、ティトはマスチェラーノをセントロカンピスタとして起用したいと考えているらしく、となると信頼度の高いセントラルの補強の必要性は尚のこと高まります。で、マーケットを丹念に調査した結果、チアゴ・シルバなら最高だという結論となった。問題は言うまでもなく4000万ユーロは要求されるであろとみられる移籍金です。バルサの希望額との開きは、(いつものように)ずいぶんと大きい。でもバルサが本気を出した場合、オペレーションはけっこう成功します。チアゴ・シルバの場合も、ミッションコンプリートしそうな予感はあります。
オペレーションについては今後、虚虚実実の情報がメディアに登場することになります。詳細に関しては、そちらで追々紹介していきたいと思います。
◇ブエナベントゥラが退団か
本日最後は、マニアックなファンサイトぐらいしか取り上げないであろう^^、スタッフ・テクニコの進退情報についてです。ペップ・グアルディオラの後任は右腕のティト・ビラノバになるとはいっても、ボスが代われば、スタッフも入れ替わるものです。ペップの退団発表と時を同じくして、クラブの外交部長であるマネル・エスティアルテはすでに今季かぎりでの退団を明らかにしています。そしてこれに続くであろうと見られているのが、2008年夏にペップの要望により入団したフィジカルトレーナー、ロレンソ・ブエナベントゥラです。
ただ、ブエナベントゥラの退団はペップの件とは直接に関係はないそうで、以前から彼は個人的理由によって、故郷であるガリシアへと戻りたがっていたのだとか。ミスターの決断が後押しをした可能性は十分に考えられますが、いずれにせよビッグクラブからのオファーには事欠かないというフィジコの離脱は、チームにとっては痛いことであります。
“ロレン”(ブエナベントゥラのチーム内での愛称)はパコ・セイルーロやアウレリ・アルティミラとともに強力なチームを構成し、その責任者としてトップチームのフィジカル計画を練ってきました。この分野においては、世界的に高い評価を得ている人物。4年前のバルサ入団はマドリーとマンチェスターUからのオファーを蹴ってのものであり、ペップの希望であると共にラモン・クガット医師の勧めを受けたからでした。
彼のほかにはまた、ポルテーロコーチであるファン・カルロス・ウンスエの退団も囁かれていますが、両名の件についてはクラブは肯定も否定もせず、沈黙を守っているところだそうです。
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