来季のトップ昇格が期待されるポルテーロ。
実質的に2013/14シーズンが終わり、FCバルセロナが各種の手続きを進めています。月曜日にはルイス・エンリケ新監督就任、テル・ステーゲンの獲得、ピントの退団、ラフィーニャとデウロフェウの復帰などが発表されたのに続き、火曜日にはジェラール・ピケとジョルディ・マジップの契約延長、そして2014/15シーズン用ホームユニフォームの発表とニュースずくし。ここでは敢えて、一番地味なところに目を向けてみましょう^^; ひょっとすればホセ・マヌエル・ピントの後任として、来季の控えポルテーロになるかもしれないマジップです。
敏捷性と足技に優れる
FCバルセロナは20日(火)、現在は2015年6月30日までとなっているジョルディ・マジップ(25)との契約を、2017年6月末まで延長することで合意した旨を公式ウェブで発表しました。契約解除金は、このところ獲得がウワサされているアスレチック・クラブのアイメリク・ラポルテとほぼ同じ、3,500万ユーロに設定。新契約書へのサインは数日のうちに行われる予定です。
クラブの公式ウェブの説明によれば、マジップは敏捷性と反射神経に優れ、直観力があって足元の技術にも優れているポルテーロです。決して上背はないのですが(180cm)、ジャンプ力があるので空中戦にも強い。エウセビオ率いるバルサBの正ポルテーロとして、今季はリーガ29試合に出場しています。
バルサの下部カテゴリチームを全て経験した生え抜きで(入団は15歳)、2008/09シーズンにUNIO ESPORTIVA VILAJUIGA へとレンタルされた後、2009/10シーズンからはバルサに復帰。そこからはフィリアルで地道に力を示し、25歳にしてここまで辿り着きました。年齢的にも、そろそろ大きな岐路に差し掛かる頃。公式ウェブでは触れられていませんが、来季はトップチームの第3ポルテーロになることは確実ですし、チャンスがあれば第2や第1の座も狙いたいところでしょう。
(※今季第3ポルテーロだったオイエル・オラサバルとの契約は2015年まで。こちらは延長されず、来季は別のチームでプレーする見込み)
「バルデスの自然な後継者」
そんなマジップを発掘した人物、フリオ・ギジェンさんが以前ラジオ局La Xarzaの番組にて、彼はビクトル・バルデスの後継者となる能力があるポルテーロだと太鼓判を押していましたので、紹介してみましょう。
ギジェンさんがマジップを見たのは、彼がまだCE Mercantil に所属していた時のことでした。「フットボルを始めた頃、ジョルディはポルテーロではなく、ピボーテかデフェンサとしてプレーをしていたんだ。本当に良いプレーをしていたよ。けれどもある日私は、彼がトレーニング開始前にポルテーロをしてるところを見かけてね。こちらもまた非常に良かった。その瞬間私は、この子にはポルテーロの素質があるって気がついたよ」
「最初は彼の父親がポルテーロをすることに反対していた。しかし年の終わりに急きょ、マジップのチームでポルテーロが必要となって、私たちは彼の父親にジョルディをポルテーロコーチとトレーニングするように話すことを決めたんだ。そしてポルテーロとしてプレーを始め、今ではあと少しの幸運があればトップチームへと行けるところまで来たね」
ギジェンさんによれば、ポルテーロとなったマジップにはバルサほか、レアル・マドリーも獲得を狙っていたのだそうです。「けれどもその1週間後、マジップはバルサと契約をしたんだ」。そしてギジェンさんは言います。「ジョルディ・マジップにはバルサのトップチームでプレーする十分な才能がある。例えば足元のプレーにおいてなら、彼を超えるポルテーロはプリメーラには1人もいないよ」
そして。「バルデスの自然な後継者はジョルディ・マジップだと私は思う。Mercantil の選手たちをバルサのスカウトが見に来た時、私はいつもマジップはどんな具合かと訊ねていたし、彼らもマジップがバルデスの後を継ぐことを期待しているとも言っていたよ。それに彼は実力があるだけじゃなく、カリスマ性も兼ね備えた選手だ」
以前ビクトル・バルデスが自らの後継者について問われた時、彼はいつもカンテラから後任が出てきてくれれば嬉しいと語っていました。マジップは果たしてその夢を果たすことができるのか。クラブはテル・ステーゲンだけでなく、実績あるポルテーロも獲得する考えのようなので競争は厳しいですが、カンテラっ子に幸運がありますよう。
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