チャビ・エルナンデス監督誕生は、スポーツ×財政x組織のトリプルクライシスによって元気を無くしていたバルセロニズモに希望を呼び戻しました。彼なら再びバルサを栄光へと導いてくれるに違いない。失われていたDNAが甦る。ただしそれには時間が必要でしょう。ペップバルサ誕生時と現在ではチーム状況が大きく異なる。かつてのチームメイトだったカピタンズの手助けが重要となります。
この記事の主人公はジェラール・ピケです。
新監督チャビがチームに導入する内部規則に、第2カピタンで自由人ジェリが反応したというお話。
2008年ペップ就任時より状況は悪い
ヨハン・クルイフが作り上げたバルサのスタイルを、弟子だったペップ・グアルディオラが引き継ぎ、その系譜を今度はペップチームの頭脳であり象徴(の1人)だったチャビ・エルナンデスが継ぐ。なんて素敵な物語。
クレとしてはもうそれだけで成功は約束されたようなものだと確信するわけですが、チャビ黄金時代が到来するには忍耐が求められるだろうとも思います。
現在のチーム編成は、いびつです。
全てを勝ち取り三十路を過ぎたベテランたちと、まだ何も達成していない十代の若者たちで編成されたスカッド。これから全盛期を迎えるチャビもイニエスタもメッシもおらず、炎のプジョルもいないのです。2008年のペップより難易度は高い。
頼るべきカピタンズも、実のところはいろいろあった末に残った4人です。ジョアン・ラポルタが夏にスカッド刷新を宣言した時、会長の頭には4人のうちの誰かを放出する考えがあったはず。しかし刷新は思うようには進まず、レオ・メッシが涙ながらに去る結末となり・・・
いずれにせよ今のスカッドでチャビを手助けしなければならないのは、6年前のチームメイトでありベテランでありチーム内ヒエラルキー最上位にいるカピタンたちになります。
チャビもまずカピタンズに努力を求めるべきだし、彼らもまた率先して若者たちの手本とならねばならないのです。
カピタンの役割、ピケの変化
前置きが長くなりました。ここでジェラール・ピケの話です。
なんでもジェリさん、チャビの新監督就任と彼が行う内部規則の再導入により、来週予定していたテレビ番組 El Hormiguero 出演をキャンセルしたのだとか。マドリーで収録される夜の番組に出演するのはいかがなものか、というわけです。
選手は本業外の活動を制限されることになり、人気者ピケのメディア露出も今後は少なくなりますな。その他にもピケはサーフィンやらなんやらでニュースを提供していますし、このあたり怪我の危険のあるスポーツも自粛となりそうです(フツウ契約で制限されてますけど)。
ジェラール・ピケは、独特のプロフェッショナル観をもった選手です。
フットボール以外のことをしている方が、ピッチ内で高いモチベーションを持てるという。KOSMOS社社長の彼はテニス・デビス杯(11月25日開幕)を鋭意準備中で、チャビ監督誕生前の11月3日には主催者としてインタビューやらイベントに登場してます。
・・・が、チャビが来てからは来週の番組出演もデビス杯のイベントもキャンセルし、フットボールに集中する姿勢を示している模様。リハビリの次の段階としてグラウンドでのトレーニングを再開した昨日はシウタット・エスポルティーバに一番乗りしたそうです。
ということで自由だったピケの行動がチャビの内部規則に沿ったものになったのであればチーム内の空気にも好影響がありそうですし、ピッチ外の振る舞いで後輩たちの規範となるべき存在がカピタンですから、ピケであろうとそうあるべきだと思う。
ジェリの変化を楽しみにしていきましょう。
昨日のトレーニングセッションもいい感じ!ジェリ走る!
ポルテーロコーチのデラ・フエンテだけは監督が何人変わろうと不動。
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