反対ムードを察し、バルトメウが是非を問う投票を中止し騒然
多くのソシオ(クラブ会員)がカンプノウに集まるセビージャ戦を利用し、隣接するパラウ(スポーツアリーナ)で開催されたアサンブレア(ソシオ総会)2018。バルサの今後が決定される重要なこのクラブ行事にて、“異変”が発生しました。
バルトメウ理事会がエスクード変更案の提出を撤回したことがひとつ、年間ローン限度額の変更が否決されたことがもうひとつです。
アサンブレアは通常、事務手続き
アサンブレアでは通常、大抵の提案が承認されます。
年間予算はもちろん、フットボールチームの胸スポンサーや、カンプノウの命名権といった重要なテーマも過去に波乱なく承認されてきた。過去の理事会はこの総会を、ソシオの承認を得るための道具のように使ってきた。
いってみれば、単なる事務手続きみたいなものです。
なのでエスクードの変更案も、すんなりと可決されるものだと思っていました。
しかし今回は勝手が違った。
否決ムードを受けてジュゼップ・マリア・バルトメウ会長はエスクード改革案を取り下げ、ローンの限度額(現在は年間予算の10%)を取り除くクラブの提案はソシオ投票によって否決。一番通したい提案二つを、バルト理事会は前に進めることができなかったのです。
不穏な空気に、投票の取り下げを決断
新エスクード案で最もソシオの反感を買っているのは、「FCB」の文字が取り除かれた点です。
意見を求められたソシオの大半は、クラブのエスクードは商業ロゴのように扱われるべきではないと反対意見を表し、そもそもデザインを変更する必要性に疑問も出ています。
複数のソシオからは、こういう重要なテーマは総会に呼ばれた一部のソシオだけではなく(クラブが無作為に選んだソシオが招集される)、全てのソシオの判断に委ねるべきである(=ソシオ投票にかける)との訴えもあり。
そういう状況に、これは投票をしてもダメだなと察したバルトメウが、投票にかけないことをソシオに相談することなく、一方的に決めたのですが・・・
「私たちは投票がしたいんだ」
前代未聞の決定に会場は騒然。
そりゃあそうでしょう。投票したら負けそうだからしない、なんてのはズルい。
負けるリスクも引き受けて行うのが投票であり、突然一方的に止めて好いものでもありません。
なのでバルトメウの説明「理事会内で熟考し、みなさんの要求にあった歴史、デジタル化、テクノロジーと感情の両立をどのようにするか見ていく」も空しく、パラウには不満の指笛や「私たちは投票がしたいんだ!」との叫び声が起こったそうです。
決定に同意できないと、退席するソシオもいました。
そしてエスパイバルサ(カンプノウ周辺の整備計画)を考えて提出されたその次の議案、ローン限度額をなくすクラブ規約の変更案は、3分の2の賛成を得られず否決(賛成247、反対201、白票55)。理事会が最も通したかった議題ふたつは頓挫しました。
下の動画は、バルサが総会で上映したエスパイバルサの紹介ビデオです。
凍結される新エスクード
今年のソシオ総会で承認されずに終わった新エスクードは、一度冷凍庫に放り込まれます。
「理事会で熟考する」というバルトメウ会長は全ソシオによる投票の可能性も示唆していますが、そもそもバルサ史上、ソシオ投票が実施されたのは2回のみ。クラブの機能に影響を及ぼさないエスクードのデザイン変更の有無を問うための投票をするには、クラブ規約の変更が必要だとかで可能性は薄いです。
エスクード改革案に賛成するクレ世論を熟成していき、来年のアサンブレアで投票にかけるのが一番早い?
ただし一度ケチのついたデザイン案がこれからどうなるものやら予想できない。デザイン事務所ともあれこれありそうです。
エスパイバルサ(カンプノウ周辺整備計画)の資金調達を容易にするはずだった規約変更も否決されたバルトメウと彼の理事会にとって、2018年のアサンブレアは手痛い結果となりました。
このニュースのまとめ
- ・毎年、理事会にとって承認を得るための手続きでしかないソシオ総会が、「こんなはずじゃなかった」ことに
- ・新エスクード案の投票をバルトメウが直前で取り消し
- ・年間のローン限度額を取り除く提案は否決された
- ・新エスクードは凍結
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