肝移植を乗り越え、13ヶ月ぶりにピッチに立ったエリック。
レオ・メッシの負傷の影響を微塵とも感じさせず、マニータで勝利したマジョルカ戦。PSG戦へと向けて最高の感触を手にした以上にクレを喜ばせたのは、ティト・ビラノバのカンプノウ帰還と、エリック・アビダルのプレー復帰でありました。そしてこの2人の”おかえり祭り”を盛り立てたのが、2012年夏にチームの一員となり、今季は悩みの森をさ迷っていたセスクとアレクシスだった、ってのも好い。つまるところこの日はクレにとって、忘れえぬ感動的な一日となったわけです。
大歓声に包まれながら、406日ぶりの公式戦出場
このマジョルカ戦がアビダルやバルサにとって特別な日となるであろうことは、前日から語られていました。試合状況さえ許せば、きっとエリック・アビダルはピッチに立つと。そしてそのゲームはバルセロニスタの期待するとおりに、いや期待以上の好展開となっていきます。レオ・メッシの不在を埋めるというミッションの中で、活躍が望まれたセスクとアレクシスが互いを引き立てあって37分で4ゴールを決めると、後半開始と同時にファブレガスはハットトリックも達成。アビさんが登場する舞台は完全に整ったのです。
アビダルは後半が始まると程なくしてグラウンド脇でウォームアップを開始。スタンドが大歓声を送る中で筋肉を温めた彼は69分、ジェラール・ピケと交代でピッチへと入っています。割れんばかりの拍手に包まれたカンプノウ。バルサ選手としては2012年2月26日のアトレチコ戦以来となる、406日ぶりの公式戦出場であります(フットボル選手としては2月29日のドイツとの親善試合以来)。入場前の、じっと祈りを捧げる姿が印象的でした。
(今回少し以外だったのは、アビダルの登場が69分と、思ったよりも早かったことです。もしかして、22分間プレーしておいで、というテクニコの計らいだとするならステキ)
「いとこなしでは、僕はここにいなかった」
そしてアビさんは左のセントラルに入り、危なげないパフォーマンスで試合を終えました。彼とミスターの復帰を称えるかのようにイムノが流れる中、ユニフォームを脱いだ下のシャツには”Merci mon Cusin. La 13″のメッセージが。ピッチサイドで彼を待っていたカナル・プルスのテレビカメラの前で、エリックはそのメッセージの宛先であるいとこのジェラールへの感謝をこう表しています。
「僕にとって、とても特別な瞬間だよ。いとこには感謝してる。彼がいなければ、僕はここにいなかっただろうからね。今日は… 唯一の瞬間さ」
そして。「みんなにありがとうと言いたい。家族や友人たち、バルサファンからの励ましにも感謝してるし、なんといっても僕のいとこにはね。あとは病院で出会った全ての人たち。彼らは良い人たちだし、彼らも僕と同じように戦っているんだ… 戦うことは止めちゃいけないし、希望を失っちゃいけない。神を信じて、たくさん祈り、そして多くの人たちに支えてもらうことさ。自分が手本となっていることを、僕は知ってる。もし僕に助言が出来るのであれば、喜んでさせてもらうよ」
アビダルはその後、バルサTVの番組へと出演し、冗談を交えながらあれこれ裏話などを語ってくれているのですが、それはまた明日のニュース… ということで。なにはともあれ、おかえりなさいアビ!これからもたくさんたくさん、あなたの雄姿が見れますように!
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