新フットボールプロジェクトの責任者となるアレマニーが仕事を開始
まず取り組む優先事項のひとつが、デンベレやイライシュとの契約延長となる
FCバルセロナの運営をジョアン・ラポルタの新理事会が担い始めてから2週間が過ぎ、徐々に決断が下されています。動きの中で気になるのはやはり、選挙キャンペーン中から新フットボールディレクターとしてウワサに上がっていたマテウ・アレマニー。公式発表はまだですが彼はすでにクラブに入って仕事を始めているらしく、必要な情報を集めている状況のようです。
ちょっとここ数日バルサニュースの更新が出来ていなかったので、本日はドバッとまとめてやってみます。
マテウ・アレマニー 始動
FCバルセロナは今、スポーツ面・経済面・組織面とあらゆるレベルで重大な問題を抱えています。会長選挙が長引いたことでクラブ運営の空白期間も延びてしまい、急いでその遅れを取り戻していかなければならない。スポーツ面の問題は担当副会長のラファエル・ジュステと、フットボールディレクターであるマテウ・アレマニーの手に委ねられました。
新たなるスポーツプロジェクトの作成を担っていくアレマニーがまず着手したのは、選手たちとの契約状況等の把握です。スカッド再編のために重要な決定を下すためには、ファーストチーム選手とどのような条件で契約が結ばれているのかを把握しなければならない。
また、育成カテゴリーの選手には6月で契約満了となるケースが多数あるということで(Bチームのコリャド、オレジャナ、オリオル、リエラ、フベニールのニコ・ゴンサレス、ペケなど)、どのキラキラ星に契約更新を申し出ていくのかを手遅れとなる前に決めていかねばなりません。
レオ・メッシとの契約交渉は、ジョアン・ラポルタ自らが出ていくのでしょうか。クラブは他にもウスマン・デンベレ、イライシュ・モリバ、そしてオスカル・ミンゲサとの契約更新を優先事項として取り組んでいく模様です。以下では、メッシ以外の3人について取り上げてみます。
契約更新:デンベレの場合
バルサが契約更新を望んでいるというデンベレ、イライシュ、ミンゲサのうち、動くお金の大きさによって優先度が高いのがデンベレになります。
2022年6月でバルサとの契約が終わるため、この夏にそれを延長するか放出するかを決めなければ、フリー移籍になってしまうデンボウズ。それゆえに以前は時間稼ぎ+売値上昇のために契約延長を望んでいたのが、昨今の活躍により、今後の主力となることを期待されての更新オファーに変化しているのが特徴です。
交渉の焦点になるのは、給与条件ですかね・・・
なにせ金庫に余裕のないバルサですから、高給取りのデンベレに更なる昇給を申し出ることは困難。よって例えば5年延長となる場合、3年目以降で段階的に昇給する方式とかになるでしょうか。ステーゲンさんがそんな条件だったような。
それでまとまらない場合は、とりあえず1年のみの延長になる可能性もある(SPORT)とのことです。
立場が強いのは、デンベレ側。
以前は周囲が契約延長に乗り気でないと言われてましたが、23試合連続出場となっている今はどの選択肢にもオープンでしょう。
ハーランド争奪戦も控えていますから、デンベレに関してはまだ未知数な部分が多そうです。
契約更新:イライシュの場合
イライシュ・モリバ(18)は、ジョルジーニョ・ワイナルドゥム(30)との兼ね合いが議論の対象となっています。ビッグクラブでの実績があり、ロナルド・クーマンが要望する選手がフリーで獲得できるのは大きなマーケットチャンスとはいえ、それなりの給与が必要で、かつ若手イライシュの出番を減らすかもしれないベテランを果たして連れてくるべきなのか。
ワイナルドゥムとイライシュはどちらもフィジカルに強みのある選手ですが、タイプはそれぞれに異なるので(イライシュの方がラ・マシア育ちゆえの創造性がある)、併用も普通にあるかもしれません。ならばバルサ的だけれども、バルサ的ゆえに出番の限られるミラレム・ピアニッチさんに良い新天地を見つけることで、どうにかするのがいいんじゃないか。
給与総額の削減が不可避のバルサですから、高給取りが加わるためには別の高給取りが場所を空けなければならず、フリーで契約できるとはいってもワイナルドゥムの優先順はエリック・ガルシアやデパイよりは低くなります。
いずれにせよイライシュ・モリバが来季はファーストチームの契約と背番号を手にするのが濃厚です。2019年の契約延長交渉はすったもんだで長引きましたが、クーマンや強化部の信頼を得ている今は、他クラブの勧誘に耳を貸すとも思えない。契約交渉はスムーズに運ぶでしょう。契約満了は2022年6月末です。
契約更新:ミンゲサの場合
SPORTによると、オスカル・ミンゲサ(21)の契約書には、クラブが一方的に2023年まで期間延長できるオプションがあるそうです。しかしクラブはもっと長期の契約を結びたがっているらしく。数ヶ月前には「放出候補」とのニュースも流れていましたから、方針変換が事実であれば喜ばしいことです。複数ポジションに柔軟に対応できる選手は重宝しますしね。
非常に個人的ながら、ミンゲサは従兄弟に似ていて非常に親近感がありまして(^^)クラブが目標とする純ラ・マシア産選手のファーストチーム定着を実現できる選手でもありますし、カサの選手を大事にするメッセージにもなるでしょう。
以上、マテウ・アレマニーたちが優先的に取り組んでいく株価上昇選手との契約更新についてでした。これらは出来るだけ早く、上手くいけば4月のうちに決着してしまいたい模様です。他にもコウチーニョ問題とか控えていますしね・・・ 敏腕ディレクターの手腕に期待しましょう。
コメント
エリックは早よ来てくれだし、デパイはポジ的に薄い左からの崩し屋だから良いのだけど、ワイナルドゥムはモリバ居ればいいんじゃないかと思います。
バルサのパスワークは、他で上手くやれてても中々手こずるんですよね…
ピアニッチなんかまさにそれで、同じ中盤でもユーベ時代とは全く違う、パスワークの目的とスピードに戸惑ってるのだと思います。
ワイナルドゥムが良く比較されるビダルは、パスワークはできなくてもダイナミズムで何とかしてましたが、あれも最後はメッシとの相性があってこそで、ワイナルドゥムにそれがある気はしません。
またその役割には、上位互換のフレンキーがいる。
とするとブスケの5番の後継として考えてるのかもしれませんが、そこはさらに難しい気も。
若すぎるモリバに重い責任を負わせられないと考えての獲得なのかも。
これからのモリバの活躍次第では、この移籍自体無くなるかもしれませんね。
ガルシアはカンテラーノということもあり、フィットしそうに思えます。が、ワイナルドゥムはタダで手に入ったところで退団時に移籍金は稼げないし、フィットするのか…?という疑問が残ります。
ハーランドについては、バルサが給料を払うのはムリでしょ、としか思えません。来たら活躍してくれそうなんですけどね……
ワイナルドゥム獲得は国内外問わず反対するファンが多いのですが、私はクーマン監督がなぜ欲しがるのかが理解できます。2月あたりから3バックシステムがハマっているのでるので、おそらく来シーズンも3バックを継続すると思います。
その際のCBはラングレ、ピケ、アラウホ、ミンゲサ、ガルシアの5人で編成になっているはずです。ただ、このうち一人でもケガで欠けてしまうと4人で3人のCBをローテーションしなければなりません。また、右サイドバックのセルジ・ロベルトかデストのどちらかが負傷した場合、ミンゲサを右サイドバックとしてローテーションする必要も出てきます。今季はDFの怪我人で苦しみましたし、来期はワールドカップ予選も平行するのでさらに過密日程になり、リスクも増えます。毎年バルサがCBのケガ離脱で選手のやりくりに苦しんでいる点も考慮すればこの事態は十分あります。
こういった事態になるとCBの枚数が少なくなるのでデ・ヨングを再びCB起用せざるをえなくなり、中盤の選手層が薄くなります。そう考えると攻守に貢献でき、経験豊富なワイナルドゥムが欲しい理由も分かります。モリバは確かにいい選手ですが、プレー時間が短くてシーズン通して戦えるかも不明ですし、あまり過剰なプレッシャーをかけずにゆっくり育てたいという思惑もあると思います。